11日(木)。わが家に来てから今日で1198日目を迎え、国際宇宙ステーションに滞在中の金井宣茂さんが10日、約3週間の宇宙滞在で身長が9センチ伸びたとした自身の報告は誤りで、再計測の結果 伸びは2センチだったとツイッターで明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
再計測で誤りに気付いた時は身の縮む思いがしたろうな 何事も身長にしなきゃ
昨日、夕食に「鶏もも肉のほったらかし焼き」「生野菜とワカメとタコのサラダ」「トマトとキャベツとベーコンのスープ」を作りました 「鶏もも肉~」は料理研究家・平野由希子さんのレシピですが、塩コショウだけのシンプルな味付け、皮パリパリ 身はジューシーで とても美味しいです
昨日の朝日朝刊・オピニオン欄に「華道家元 池坊」の次期家元・池坊専好さんのインタビューが載っていました インタビューの最後に聴き手の記者が次のように問いかけます
「いま、米国と北朝鮮がにらみ合い、開戦前夜のような緊張にあります 中東でも一触即発という声もある。人と人をつなぐのが花を生ける人の役割なら、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長にはどんな花を生けますか?」
これに対し、池坊専好さんは次のように語っています
「それ、困りますね。でも、やはり立花を生けると思います。池坊の生け花には生花、自由花などいくつかの形があります 花器に様々な花を生ける立花は音楽にたとえるとオーケストラ 多種多様な花を使い、それぞれの枝や花が、各自の個性と働きを持ちながら、お互いを生かし合っている そして、一つの理想とする調和した形を作り上げているものです。違いを認め合い、支え合うことで実現される世界。立花という様式が持つ哲学、理念をお二人に知って頂きたいと思います それぞれの存在と働きを存分に生かし合いつつ、対峙ではなく、一つの時空をともにして調和を作り出す。しょせん花ですが、されど花の示すメッセージです」
私は生け花は門外漢ですが、彼女の言葉を通して どんな道にも哲学・理念があることが伝わってきます
野球に関わる人にとっては「しょせんは野球、されど野球」だし、小説を書いたり読んだりする人にとっては「たかが小説、されど小説」でしょう 音楽好きの私にとっては「たかがクラシック、されどクラシック」といったところでしょうか
昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル室内楽シリーズ~楽団員プロデューサー編「オーストリア・ロマン派作曲家とその継承者」を聴きました 今回のプロデューサーはクラリネット奏者 マルコス・ぺレス・ミランダで、プログラムは①シューベルト「ピアノ五重奏曲イ長調”ます”」、②フィリップ・エルサン「見知らぬ国で」、③ツェムリンスキー「クラリネットとチェロ、ピアノのための三重奏曲 ニ短調」です
正直に言うと、このコンサートは そもそもヴァイオリンの松崎千鶴さんの演奏姿を見たいためにチケットを買ったようなものです 演奏は ヴァイオリン=西江辰郎、松崎千鶴、ヴィオラ=脇屋冴子、チェロ=川上徹、コントラバス=渡邉玲雄、クラリネット=マルコス・ぺレス・ミランダ、ピアノ=坂野伊都子です
開演に先立って、室内楽シリーズ恒例のプレトークがあり、プロデューサーを務めるスペイン出身のミランダさんがこの日のプログラム構成を簡単に説明しました カンペを見ながらのつたない日本語でしたが、プロデューサーの責任から自身が解説したことに拍手を送ります
さて本番です。自席は3列16番。1曲目はシューベルト「ピアノ五重奏曲イ長調『ます』」です この曲はシューベルトが22歳の時、1819年に作曲されたと言われています。「ます」という愛称は第4楽章に自身の歌曲「ます」のメロディーが流用されていることに由来します
ヴァイオリンの西江辰郎、ヴィオラ=の脇屋冴子、チェロの川上徹、コントラバスの渡邉玲雄、ピアノの坂野伊都子が登場し配置に着きます 脇屋さんはグリーンとイエローをベースとした明るい衣装、坂野さんはブルーの鮮やかな衣装です
コンマスの西江王子が引っ張っていく感じで軽快な演奏が進みます さすがは西江氏のヴァイオリンの音色は素晴らしい 好ましいと思ったのは、お馴染みの新日本フィルのメンバーの中に 外から入って来た坂野さんのピアノが、良い意味での刺激となり、エキサイティングな演奏になったことです 会場が小さいのでピアノの音が多少大きすぎのきらいもありましたが、没個性の演奏よりは良いと思います
休憩後の最初はフランスの作曲家フィリップ・エルサン(1948年~)の「見知らぬ国で」です この作品は2003年に発表されましたが、15世紀の流行歌をルーツとするハインリヒ・イザークの歌曲「インスブルックよ、さらば」をモチーフに作られています 第1楽章「子守歌」、第2楽章「死と舞踏」、第3楽章「・・・・の追憶に」、第4楽章「幻想的小品」、第5楽章「コラール」の5楽章から成ります
左からヴァイオリン=西江辰郎、ヴィオラ=脇屋冴子、クラリネット=マルコス・ぺレス・ミランダ、チェロ=川上徹、ヴァイオリン=松崎千鶴の並びで、後方にピアノ=坂野伊都子がスタンバイします 松崎さんは明るいワインレッドの衣装です
1曲目「子守歌」がミランダのクラリネットにより瞑想的に始まり、弦楽合奏が静かなメロディーを奏でますが、急にクラリネットが咆哮し、次いでピアノが強打されます。そうかと思っていると再度、クラリネットが迷走的なメロディーを奏でます 2曲目「死の舞踏」は文字通り死神のダンスのような曲想で、私はムソルグスキーの「禿山の一夜」やベルリオーズの「幻想交響曲」を思い浮かべました 3曲目以降も、同じ現代曲でもシェーンベルクのような訳がわからんちんの音楽と異なり、メロディーもあり、比較的ついて行きやすい音楽です この曲では、ミランダのクラリネットの実力が発揮されました
最後の曲はツェムリンスキー「クラリネットとチェロ、ピアノのための三重奏曲 ニ短調」です ツェムリンスキー(1871-1942)は19世紀から20世紀にかけて活躍した最後のロマン派とでも言えるような位置にいました 1896年に作曲されたこの曲は、第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります
マルコス・ぺレス・ミランダ、川上徹、坂野伊都子が配置に着き、演奏に入ります 第1楽章を聴いて頭に浮かんだのは「ほとばしる情熱」という言葉でした それはすなわち「ほとんどブラームス」という言葉に置き換えられます 曲名を伏せてこの曲を聴かされ、「この曲は若き日のブラームスの未発表作品です」と言われたら 何の疑いもなく信じてしまうほど「ブラームス」そっくりの曲想です この曲では3人とも情熱的な演奏が良かったと思います
ところで、この日の会場は半分くらいの入りで、寂しさを感じました 主催者側は入場者数を増やす工夫や努力をしないと先細りになるのではないかと心配です
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