23日(日)。昨日の日経朝刊別刷りの「マナーのツボ」コーナーでマナーデザイナーの宮下宣子さんが「『つまらないものですが』の背景」を解説していました 超訳すると、
「贈り物をする時に『つまらないものですが』と一言添える習慣が根強くある 新渡戸稲造は著書『武士道』の中で日本人と米国人との違いを次のように述べている
「日本では『素晴らしいあなたの前ではこの品物がつまらないものに見えてしまう』という意味で使う 一方 米国では、『品物が素晴らしいものでなければ、素晴らしいあなたを侮辱することになる』と考える」
根本のところではどちらも相手を素晴らしい、と尊敬している
別の考え方もある。斎藤たま氏の『まよけの民俗誌』によると、邪悪なモノを追い払うおまじないとして言葉にしていたようだ 贈り物には魔物が取りつかないよう、魔よけの熨斗(のし)などを付ける。それだけでは心配なので『粗末なものですが』などと言葉にして、魔物が興味を持たないように念には念をいれたという 病気などの不幸は邪悪なモノに取りつかれて起こるとみていた人たちにとっては、命を守る習慣だったといえる」
つまらないものですがと言いながらつまらないものを贈ったら本当につまらないものです
ということで、わが家に来てから今日で2153日目を迎え、政権奪還を目指す民主党の大統領候補となったバイデン前副大統領が党大会で、トランプ政権下の現状を「暗黒の時」と批判したことに対し、トランプ氏は21日、首都ワシントン近郊で開かれた保守系組織の会合で演説し、現在は「最も成功している時だ」と強調した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
その通り! 世界一のコロナ感染・死亡者数を単独で維持することに成功している
昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「第42回モーツアルト・マチネ 青年期 ✕ 名手モーツアルト」を聴きました プログラムはモーツアルト①「2つのヴァイオリンのためのコンチェルト―ネ ハ長調 K.190」、②「ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219 ”トルコ風」です 演奏はヴァイオリン独奏・弾き振り=東響名誉コンサートマスター・大谷康子、ヴァイオリン独奏=コンマス・水谷晃です 日本のオーケストラで名誉コンサートマスターがいるのは東京交響楽団(今年デビュー45周年を迎えた大谷さん)だけではないでしょうか
東響から再指定された自席は2CB3列41番、センターブロック右通路側です オケの配置は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びですが、管楽器を含めて32人と小編成です 1曲目は水谷氏がソリストを務めるので、田尻順氏がコンマスを務めます 弦楽奏者は全員マスクを着用しています
1曲目はモーツアルト「2つのヴァイオリンのためのコンチェルト―ネ ハ長調 K.190」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1774年5月に作曲した作品です 「コンチェルト―ネ」とは「大協奏曲」という意味です オケにトランペットが入っているということは、バッハのカンタータのうち祝祭的な作品にトランペットが入っているのと同様、何らかのお祝いのために作曲されたのではないかとも考えられています 第1楽章「アレグロ・スピリトーソ」、第2楽章「アンダンティーノ・グラツィオーソ」、第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット~ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります
オレンジ系の鮮やかな衣装を身に着けた大谷康子が水谷晃とともに登場、大谷の弾きぶりで第1楽章の演奏に入ります 2人のヴァイオリンの音色が実に美しく響きます 終盤のカデンツァは2つのヴァイオリンに荒絵理子のオーボエが加わりますが、この掛け合いが楽しく聴けました 第2楽章でもカデンツァが演奏されますが、こちらは2つのヴァイオリンに荒のオーボエと伊藤文嗣のチェロが加わり4人のアンサンブルとなります チェロが入ることにより、深みのある色彩感豊かな演奏になりました 東響のオーボエには荒絵理子、荒木奏美という二人の頼もしい首席奏者がいるので盤石ですね 第3楽章はヴァイオリン同士のやり取りを中心に、オーボエ、チェロも交えて丁々発止の演奏が繰り広げられ、楽しいモーツアルト・ワールドが展開しました 特に良かったのは、ソリストの大谷、水谷両氏をはじめ演奏者が楽しそうに演奏していたことです モーツアルトの演奏では これが重要だと思います
2曲目はモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219 ”トルコ風」です モーツアルトはピアノの名手であるとともにヴァイオリンの名手でもありました 彼は13歳の時から、生まれ故郷ザルツブルクの宮廷楽団のコンサートマスターを務めていましたが、1773年~75年にかけて5曲のヴァイオリン協奏曲を集中的に作曲しました 第5番K.219は1775年12月(19歳)に作曲されましたが、第4楽章にトルコ風の楽想が用いられていることから「トルコ風」の愛称が付けられています 第1楽章「アレグロ・アペルト」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:テンポ・ディ・メヌエット」の3楽章から成ります
1曲目のソリストを務めた水谷晃が職場復帰し、コンマスを務めます 再び大谷康子が登場、弾きぶりで演奏に入ります 大谷は左手にヴァイオリンを持ち、右手の弓を大きく振って指揮をしたかと思うと、ソロのパートに入るや、瞬時に気持ちを切り替え 集中力に満ちた演奏を展開します また、ヴァイオリンを弾きながら、コンマスの方を見たり、反対側のヴィオラの方を見たり、個々の楽員とのコンタクトを図りながら演奏している様子が手に取るように分かります 長年にわたり東響でコンマスを務めてきた大谷なので、オケの面々ともどもアイコンタクトで十分なのでしょう 各楽章のカデンツァも見事でした
東響の新旧コンマスによるモーツアルトのコンチェルトの饗宴は楽しく、時間が経つのも忘れました 頑張れ! 東京交響楽団
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