9日(金)。わが家に来てから今日で3313日目を迎え、バイデン米大統領は7日、東部ニューヨークで11月の大統領選に向けた資金集めの集会で演説した際、ドイツのメルケル前首相のことを、「コール首相(2017年に死去)」と言い間違えたことから、再選に向けた懸念材料になっている「高齢不安」に拍車がかかりそうだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです
そのうちナースコールが必要になるかと心配だ その時は大統領をあきらメルケル?
昨日、夕食に「タラのアクアパッツァ」と「ワカメの味噌汁」を作りました 洗い物を少なくするため野菜類はワンプレートに載せました 和食は良いですね
昨日は14時から豊島区立舞台芸術交流センターで日本モーツアルト協会主催「沖澤のどか講演会 ~ 『フィガロの結婚』におけるテンポ設定」を聴講し、19時から東京文化会館小ホールで2024都民芸術フェスティバル参加公演「室内楽の愉しみ トリオ《ピアノ三重奏》」を聴きました 前者については後日ご報告することとし、ここでは後者について書くことにします
プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 作品1-3」、②ブラームス「ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 作品101」、③ドヴォルザーク「ピアノ三重奏曲第4番 ホ短調 作品90 ”ドゥムキ―”」です 演奏はヴァイオリン=MINAMI 、チェロ=横坂源、ピアノ=田村響です
MINAMI(吉田南)は2014年日本音楽コンクール第1位及び5つの特別賞を受賞。2015年シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール入賞、2016年モントリオール国際音楽コンクール第3位、2021年ヨーゼフ・ヨアヒム・ハノーファー国際ヴァイオリン・コンクール入賞、2022年インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクール第3位入賞。現在、ニューイングランド音楽院、東京音楽大学に奨学金を得て在学中
横坂源は桐朋学園ソリストディプロマ・コースを経て、シュトゥットガルト国立音楽大学、フライブルク国立音楽大学で研鑽を積む。第59回ミュンヘン国際コンクール第2位
田村響は18歳でザルツブルク・モーツアルテウム音楽大学に留学。2015年大阪音楽大学大学院修了。2007年ロン・ティボー国際コンクールで弱冠20歳で第1位
会場は9割くらい入っていると思われます 自席はG列27番、センター右ブロック右通路側席です
1曲目はベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 作品1-3」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1793年から95年にかけて作曲した3つのピアノ三重奏曲の一つで、リヒノフスキー侯爵に献呈されました べートーヴェンが一番最初に作品番号を付けたのは、ピアノ・ソナタでも交響曲でもないピアノ三重奏曲だったことが意外に思います 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ・コン・ヴァリアツィオー二」、第3楽章「メヌエット:クアジ・アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:プレスティッシモ」の4楽章から成ります
拍手の中 ステージに3人が登場しますが、パリコレにでもデビューするかのようなMINAMIの黒を基調とするエレガントなステージ衣装に目を奪われます
第1楽章が重々しく開始され、短調特有のデモ―二ッシュな曲想が展開します 第2楽章はベートーヴェン得意の変奏曲です MINAMIのヴァイオリン、横坂のチェロが良く歌います 第3楽章は実質スケルツォです。田村のピアノとMINAMI+横坂の弦楽との対話が楽しく聴けました 第4楽章のフィナーレは3つの楽器が混然となった疾走感が素晴らしかった
2曲目はブラームス「ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 作品101」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1886年にスイスのトゥーン湖畔で作曲、同年12月20日にブラームス自身がピアノを受け持ってブタペストで初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります
第1楽章冒頭はチェロとピアノによって重厚で力強い演奏で開始され、後からヴァイオリンが入ってきますが、この組み立てが素晴らしい 3人の演奏もインパクトがありました この楽章では情熱的なMINAMI、クールな横坂、マイペースの田村といった三者三様のスタイルが垣間見られました 第2楽章ではヴァイオリンとチェロによるスケールを辿るピッツィカートが印象に残りました 第3楽章ではMINAMIのヴァイオリンと横坂のチェロが美しく歌い上げていました 第4楽章では3人による重層的な演奏が繰り広げられ、晩年(53歳)のブラームスのほの暗い情熱が伝わってきました
プログラム後半はドヴォルザーク「ピアノ三重奏曲第4番 ホ短調 作品90 ”ドゥムキ―”」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)が1890年から91年にかけて作曲、1891年にプラハで初演されました 「ドゥムキ―」は「ドゥムカ」の複数形で、「ドゥムカ」は緩急が交互になるスラブ民族固有の哀歌の形式で、この曲はそれを全曲に適用しています なお、真嶋雄大氏は「プログラム・ノート」に「それより『瞑想』『回想』を意味するチェコ語を念頭に置いて書かれたとみるべきであろう」と書いています 第1楽章「レント・マエストーソ」、第2楽章「ポーコ・アダージョ」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「アンダンテ」、第5楽章「アレグロ」、第6楽章「レント・マエストーソ」の6楽章から成ります
この曲では、MINAMIのヴァイオリンが美しく歌い、横坂のチェロが雄弁に語り、田村のピアノが弦楽に寄り添いつつ自己を主張しました 特にMINAMIのヴァイオリンの音色の多様性には驚くべきものがあります
正直に言うと、私は超有名なこの曲のCDを持っていません そのため予習が出来ないので、あまり詳細に文章が書けないのです 所有する約4000枚のCDのうちモーツアルトは700数十枚あるのに、ドヴォルザークは50数枚しかない しかも「新世界より」とか「チェロ協奏曲」とかばかり集めていて曲の種類が少ないのです この偏向した収集癖は、現在に至って弊害をもたらしています 「持っていないなら買えばいいじゃん」と言われるかもしれませんが、置き場所がないのでこれ以上増やしたくないのです しかし、これほどの超有名曲は、また聴く可能性が大きいので、買っておいた方が良いのではないかとも思います 悩ましいところです
さて、公演は満場の拍手のなかカーテンコールが繰り返されましたが、アンコールはありませんでした 見識です
MINAMIさんはいつも全力投球ですね。でも一旦演奏を離れると”天然”のところがありユーモラスです。Xの「ちょっと黙ってMINAMI」は面白いですよ。
チェリストの中では横坂源は相当優秀な人で、好きな演奏家です。
これからもよろしくお願いいたします
MINAMIさんは、ご指摘の通りパワフルである一方、繊細なところがありますね。
3月2日にはミューザ川崎でサン=サーンスの第3番を弾くので聴きに行きます。楽しみです