13日(月).昨日,東京文化会館小ホールで「都響メンバーによる室内楽トークコンサート(チェロ・アンサンブル)」を聴いてきました プログラムは①モーツアルト「ディヴェルティメントニ長調K.136」,②ポッパー「組曲」,③同「レクイエム」,④同「演奏会用ポロネーズ」,⑤フランセ「チェロの学校」より終曲,⑥ヴィヴァルディ「チェロ協奏曲集」より,⑦アルビノーニ(伝)/ジャゾット「アダージョ ト短調」,⑧バッハ「ブランデンブルク協奏曲第6番」,⑨同「シャコンヌ・ニ短調」と盛りだくさんです
出演は東京都交響楽団のチェロ・セクション全員(10名)です.自席は0-59番,後方右よりの通路側です.最初に首席の田中雅弘と古川展生がマイクを持って出てきて,古川が「本日は多数の方においでいただきありがとうございます」と言っていたように,小ホールはほぼ満員でした.都響の定期会員がかなり流れてきているのでしょうか?次いで田中が「昨日はコンサート本番でラフマニフを演奏して,今日のコンサートを迎えました.合間に努力して練習しました」と言って,観客の同情をかっていました
最初のモーツアルト「ディヴェルティメントK.136」は,古川が第1チェロを務めてメンバー全員で演奏しました.ヴァイオリンを中心とする演奏で慣れている耳には新鮮に響きました
2曲目のポッパー「組曲」は5つの楽章から成る15分ほどの曲です.森山涼介と清水詩織(パープルのドレス)の若手コンビが演奏しましたが,若さ溢れる溌剌とした演奏で,初めて聴く曲でしたが楽しめました
3曲目のポッパー「レクイエム」は男性のみ6人で演奏しました.7分ほどの短い曲ですが,田中,古川らがベテランの味を十分に発揮していました
4曲目のポッパー「演奏会用ポロネーズ」は男女2人ずつの演奏でしたが,ポロネーズ独特のリズムが心地よく響きました
ここで,古川が再びマイクを手に登場し,「この室内楽シリーズの中で,今回のチェロだけのアンサンブルは,アウトロー的な存在だと思います.チェロを弾く者は集まりやすい性格が揃っているようです」と言って一人一人メンバー紹介をしました
前半最後のフランセ「チェロの学校」は全員で演奏しましたが,賑やかな楽しい曲でした
休憩後第1曲目のヴィヴァルディ「チェロ協奏曲集より」は,古川がヴィヴァルディの好きな音楽を寄せ集めてチェロ・アンサンブル用に編曲したそうです これも10人全員で演奏しましたが,ヴィヴァルディの魅力を凝縮したような楽しい曲でした
次にバッハの「ブランデンブルク協奏曲第6番」を5人で演奏しました.私はブランデンブルクでは第3番と第6番が好きです.まるでジャズを聴いているような曲想です.自然に手や足で拍子をとっている自分に気がつきます バッハはいつの時代にも息づいています メンバーはスイングしていました
次はアルビノーニの「アダージョ」です.古川を中心に4人で演奏しましたが,古川の身体全体を使った演奏に他のメンバーが感化されて情感溢れる演奏を展開しました
最後にバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より「シャコンヌ・ニ短調」(ヴァルガの編曲)を全員で演奏しました.この曲はストコフスキーをはじめ多くの人が編曲しています.都響のチェロ軍団は入魂の演奏を展開しました
ここまでで,休憩を除いて正味2時間です.鳴り止まない拍手に応えてバッハの「エア(G線上のアリア)」を演奏しました
今回初めて都響のチェロ・セクションだけの演奏を聴きましたが,「なかなかやるじゃないか」という印象です.ベテランから新人まで個々人の力はもとよりアンサンブルとしてもまとまりがあり,すごく良い印象を持って帰ってきました.オーケストラのメンバーがこういう形で聴衆に近い位置で演奏するのはとても良いことだと思います オーケストラに,室内楽に,都響のメンバーのこれからの活躍を期待したいと思います
閑話休題
さて,トイレ問題です.休憩時間にはトイレに長蛇の列が コンサートホールには付き物の風景ですね.とくに女性用トイレの列には気の毒になります.東京文化会館小ホールは649席です.これに対して何人分のトイレが用意されているのか知りませんが,極端に少ないのではないかと推察します 座席数に応じて何人分を用意せよというように法律で決まっていれば,ある程度緩和されるでしょうが,そんな話も聞かないし とくに東京文化会館は古い建物なので改造が難しいのかも知れません.しかし,何とかして欲しいと思います.トイレだからといって”水に流す”ことは出来ません.良い方法があったら”スイセン”したいと思います
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