27日(木)。わが家に来てから今日で2574日目を迎え、北京オリンピックまであと少しとなり、現地入りしたIOCバッハ会長はさっそく習近平国家主席と会談したが、公園にはバッハ氏の厚遇ぶりがうかがえる「バッハ氏の銅像」が設置されている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
習近平の国家主席3選が成ったら 偶像崇拝国の象徴として彼の銅像が立つんだろう
昨日、夕食に「トンテキ」を作りました いつもはサラダを別にしているのですが、今回はワンプレートに盛り付けました。目玉焼きもトッピングしました。とても美味しかったです
昨日は昼間、ベッドで寝ながら新聞や本を読んで体力を温存し、19時から新国立劇場「オペラパレス」でワーグナーの歌劇「さまよえるオランダ人」を観ました キャストはダーラント=妻屋秀和、ゼンタ=田崎尚美(マルティーナ・ヴェルシェンバッハの代役)、エリック=城宏憲(ラディスラフ・エルグルの代役)、オランダ人=河野鉄平(エギルス・シリンスの代役)、マリー=山下牧子、舵手=鈴木准、合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京交響楽団、指揮=ガエタノ・デスピノーサ(ジェームズ・コンロンの代役)、演出=マティアス・フォン・シュテークマンです
上にある通り、新型コロナ・オミクロン株の感染拡大に係る外国人の新規入国制限措置により、指揮者と歌手陣のほとんどが来日できなくなり、代役での開催となりました
私が新国立オペラの「さまよえるオランダ人」を観るのは2007年2月、2012年3月、2015年1月に次いで今回が4度目ですが、演出はすべてマティアス・シュテークマンです
この歌劇はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1841年に作曲、1843年にドレスデンで初演された3幕8場から成るオペラです
悪魔の呪いを受けて永遠に海をさまようオランダ人船長は、7年に1度だけ上陸が許され、永遠の愛を捧げる乙女に出会った時に呪いから解かれる運命にあった 彼はノルウェー船の船長ダーラントと出会い、娘のゼンタに求婚する 運命的な出会いを感じたゼンタは、永遠の貞節をオランダ人に誓う。ゼンタを愛するエリックは彼女の心変わりを責め、それを聞いたオランダ人は絶望し出航を命じる ゼンタは彼を追って海中に身を投じ、彼女の永遠の愛によりオランダ人は呪いから救われる
初日公演にしてはいつもより客入りが少ないような気がします まあ、モーツアルトやロッシーニの楽しいオペラでもないし、プッチーニやヴェルディの本格オペラでもないし、指揮者も歌手陣も代役ばかりだし、オミクロン旋風も吹き荒れているし、仕方ないのかもしれません それでも8割近くは入っているようです
ラファエル・クーベリックのような風貌のガエタノ・デスピノーサがオーケストラピットに入り指揮台に上がります 演奏する東京交響楽団のコンマスは小林壱成です
デスピノーサのタクトで序曲の演奏に入ります この演奏が素晴らしかった 弦楽器の激しいトレモロに続いてホルンが勇壮な「オランダ人の動機」を高らかに歌い上げ、弦楽器が嵐で荒れ狂う海を表現し、オランダ人の行く末を暗示します 東響総力を挙げての渾身の演奏でした
今回の公演で私が一番素晴らしいと思ったのはダーラントを歌った妻屋秀和です この人は何をやらせても高得点を取るバスですが、今回も多くの船員を預かる船長であるとともに、お金や財宝に目がなく、一人娘の父親でもあるダーラントをユーモラスに歌い、演じていました 第2幕でオランダ人を娘のゼンタに引き合わせるシーンで、お互いに無関心を装う2人を見て、自分がいると話しづらいと悟ったダーラントが「後は、お若い者どうしで」と席を外すときのアリアはとても微笑ましく、妻屋秀和ならではの演技力と歌唱力だと思いました
「この人は破壊力があるなあ」と思ったのはゼンタを歌った田崎尚美です 第2幕の「ゼンタのバラード」を聴いた時、そのド迫力に圧倒されました これぞワーグナー歌手と言いたくなるソプラノです
役に成りきっていたのはエリックを歌った城宏憲です 迫真の演技力と歌唱力で存在感を示しました
主役のオランダ人を歌った河野鉄平は大健闘でした 歌唱力は申し分ありません あえて希望を言えば、オランダ人の不気味さがもっと前面に出ればよかったかな、と思います その方が幽霊船の船長としての存在感を示すことができると思います
このオペラの大きな特徴は合唱の力強さかもしれません 新国立劇場合唱団こそ世界に通用する合唱団であるということを今回あらためて知らしめました
特質すべきは、デスピノーサ指揮東京交響楽団の演奏です 歌手に寄り添いつつ、木管が、ホルンが、弦楽セクションが自ら良く歌っていました
かくして、この日の初日公演は「オール日本人キャストでオミクロン旋風をぶっ飛ばせ」という意気込みを感じさせる公演でした
この日も腰痛防止のためコルセット着用で3時間弱(休憩含む)の「さまよえるオランダ人」に臨みましたが、私にとっては「腰痛の天敵=ワーグナーのオペラ」への挑戦です