人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

佐渡裕 ✕ 反田恭平 ✕ 新日本フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」、リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」を聴く ~ クラシックへの扉シリーズ

2022年01月22日 07時21分25秒 | 日記

22日(土)。わが家に来てから今日で2569日目を迎え、新規感染者数が連日3万人を超えるオランダでは、美容室などの再開が許可された一方、コンサートホールや美術館などの文化施設が休業を要請されていることに対し、オーケストラの演奏の前で散髪するパフォーマンスが行われた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     このパフォーマンスはリハツな行為か サンパツに終わるか さまよえるオランダ人

 

         

 

昨日、夕食に久しぶりの金曜ローテ入りした「鶏の唐揚げ」を作りました あとは前日残った鍋のスープを利用して「ニラ玉」を作りました 唐揚げは「外カラっと、内ジューシーに」仕上がりました ニラ玉はニンニクの味が効いて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第3回すみだクラシックへの扉」公演を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」、②リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード 作品35」です 演奏は①のピアノ独奏=反田恭平、指揮=佐渡裕です

 

     

 

この日も腰痛のためコルセット着用で、開演30分前に会場に行ったのですが、入口まで長蛇の列が続いています 会場に入るとすごい混雑です。受付の登原さんに「この混雑は何事ですか」と聞くと「反田人気です」とのこと。チケットは完売、文字通り「満員御礼」という状況です 佐渡裕押しの「ニュウニュウ」がオミクロン禍で来日できなくなったため、急きょ昨年のショパン・コンクール2位入賞の反田恭平氏に白羽の矢が立ったことが、「禍を転じて福と為す」結果を呼び込みました

開演に先立って、指揮者の佐渡氏がマイクを持って登場、「4月から新日本フィルのミュージック・アドヴァイザーに、来年4月から音楽監督に就任します 新日本フィルは私がデビューしたオーケストラでもあるし、われわれの大先輩、小澤征爾さんの作られたオケということもあって、深い縁を感じます 今日は超満員のお客様ということで嬉しく思います 反田君目当てということはよく解っています(会場)。反田君とは7年くらい前から一緒に音楽をやっていますが、彼は人間的にも素晴らしいんです 彼は若いのに男気があって、ショパン・コンクールのあと、ウィーンまで報告に来てくれて『焼肉おごってください』って言うんですよ(会場)。それでは演奏をお楽しみください」とあいさつしました

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び。コンマスは崔文洙です

1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1809年に作曲、1811年にライプツィヒで初演されました 曲想が壮大であることから「皇帝」の名が付けられています 演奏者に任せるカデンツァをすべて楽譜に記すなど古典派協奏曲の枠を超えた作品です 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:モルト・アレグロ」の3楽章から成ります

髪を後ろで束ねたサムライ反田恭平が登場、ピアノに向かい、佐渡の指揮で第1楽章がパワフルに開始されます 反田のピアノは一点の曇りもない明快なもので、一音一音が粒だっています 強音も決して濁りません。第2楽章はロマンあふれる演奏で、古典派の協奏曲というよりはロマン派の協奏曲のように響きます 反田の演奏で聴くとショパンの「ピアノ協奏曲第1番」の第2楽章の抒情性を先取りしたような感覚を覚えます 間断なく続く第3楽章は、まさにピアノ協奏曲の中の「皇帝」に相応しい堂々たる演奏で、佐渡 ✕ 新日本フィルによるスケールの大きな演奏がソリストを盛り立てました

鳴りやまない拍手に反田は、ショパンのマズルカを鮮やかに演奏、聴衆を熱狂の渦に巻き込みました 休憩時間に登原さんに確かめたらショパン「マズルカ  ロ長調 作品 56ー1」とのことでした この曲は反田氏が昨年のショパン・コンクール第3次予選で弾いた作品ですね

新日本フィルのプログラム冊子1月号に、瀧本麻衣子さんが昨年12月から首席ヴィオラ奏者として正団員となったことと、首席クラリネット奏者の重松希巳江さんが12月末で退団したことが書かれていました つい先ごろ、副首席クラリネットの中館壮志氏が退団したばかりです 重松さんは素晴らしい演奏家だったので残念でなりません 登原さんも、これから重松さんがどうされるかはっきりとは分からないとのことでしたが、「重松さんは大学で教えていらっしゃるし・・・・」とのことなので、あるいは東京音楽大学で教鞭をとること(現在は非常勤講師)に専念するのかもしれません いつか新日本フィルに客演することを切に願っています

 

     

 

プログラム後半はリムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード 作品35」です この曲はニコライ・リムスキー・コルサコフ(1844-1908)が「千一夜物語」を題材に1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました 第1楽章「海とシンドバッドの船」、第2楽章「カランダール王子の物語」、第3楽章「若い王子と王女」、第4楽章「バグダードの祭り、海、青銅の騎士の立つ岩での難破、終曲」の4楽章から成ります

佐渡の指揮で第1楽章の演奏に入ります 冒頭の強烈な「シャフリヤール王の主題」のあと、ヴァイオリンのソロによる「シェエラザードのテーマ」に入る直前のミステリアスな音楽は、開演前に開かれた小室敬幸氏の「ワンコイン講座」によるとメンデルスゾーン「夏の世の夢」冒頭のテーマそっくりです 小室氏によれば、これは「これから夭折な物語に入ることを示す音楽」です ワンコイン講座は役に立ちます 演奏では、この楽章に限らず、崔コンマスのヴァイオリン・ソロが素晴らしい 各楽章の冒頭で「シェエラザードのテーマ」として 手を変え品を変え登場しますが、その弾き分けが見事です 第2楽章では神農広樹のオーボエ、野津雄太のフルートが冴えていました 私は第3楽章が大好きです。弦楽セクションのアンサンブルが美しく響きました 第4楽章では波乱に満ちた物語が圧倒的なスケール感で色彩感豊かに描かれました

満場の拍手に、佐渡 ✕ 新日本フィルはヨハン・シュトラウス2世のポルカ・シュネル「雷鳴と電光」を華々しく演奏、新春に相応しい祝祭感を醸し出してコンサートを締めくくりました この曲はオットー・シェンクの演出によるヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」の中で、バレエ音楽に代えて演奏・舞踏されます 新国立オペラの「こうもり」でも「雷鳴と電光」が使われていましたが、いつ聴いてもワクワク楽しくなる音楽です

 

     

コメント (4)
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