9日(木).わが家に来てから今日で891日目を迎え,2月にマレーシアで殺害された北朝鮮の金正男氏の息子,キム・ハンソル氏と称する男性が「数日前に父が殺された」と話す動画がインターネットで公開された,というニュースを見て感想を述べるモコタロです
シンガポール警察は 殺された人物を特定するのに親族の協力が必要と言っているよ
閑話休題
昨日,夕食に「手羽元の甘辛さっぱり煮」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました 「手羽元~」は初挑戦ですが,自分で言うのも何ですが美味くできました 味にうるさい娘にも好評で,食べきれず残したものを今日の弁当のおかずに持っていくと言っていました あっ,言い忘れましたが,1年近く無職だった娘はパートながら定職を得て毎日通勤しています それは良いのですが,通勤時間の関係で帰りが遅いので,夕食は毎日私が作ることになってしまいました.これは想定外です まあ,どちらかと言えば娘が働いてくれた方がはるかに良いことなので仕方ありません 実は1月までは私が週3回,娘が週2回当番(毎週土・日は総菜を買ってくる)だったのを,2月から娘が週3回,私が週2回に変更したばかりだったのです これがいきなり3月から私が週5回当番となったわけで「親分てーへんだ.今夜のおかずどうしよう」の世界ですが,いいんです,どうせ暇人28号だから
娘が何とか経済的な独立状態になったので,残るは1年後に就職を控えた大学院生の息子です 大学の研究室に行ったまま2日か3日に1回しか家に帰らない状態で,就活もやらなければならないという非常に厳しい状況下にありますが,大丈夫だろうか? 取りあえず身体が心配です
も一度,閑話休題
昨夕,池袋の東京芸術劇場コンサートホールで東京交響楽団のコンサートを聴きました これは「2017都民芸術フェスティバル」参加公演です.プログラムは①メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」,②ドヴォルザーク「チェロ協奏曲ロ短調」,③ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」です ②のチェロ独奏は上森祥平,指揮は山下一史です
自席は2階RBA列4番,右側バルコニー席の4番目です.一度この席で聴いてみたかったのです 位置としては,ステージの後方,真下がコントラバスの最後列,チューバ辺りと言えば分かるでしょうか.同じバルコニー席でも 例えば東京オペラシティコンサートホールなどは3列くらいになっているので,身を乗り出す者がいて鑑賞の妨げになることがあります その点ここ芸劇と すみだトリフォニーホールはバルコニー席が1列なので後ろを気にする必要がありません 席に座るとステージ上のヴァイオリン奏者の顔が見え,客席が1階から3階まで見渡せます サントリーホールで言えばP席に近いと言っても良いでしょう
東響のメンバーがステージに登場し配置に着きます.コンマスはグレヴ・二キティンです.指揮者・山下一史が登場し1曲目に入ります
1曲目はメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」です この曲は1829年夏のスコットランド旅行中に訪れた ヘブリディーズ諸島の印象をもとに着想された曲です.この曲はブラスバンドで演奏されることもありますが,やはり目の前で管弦楽で聴く方が色彩感に溢れていて聴きごたえがあります
2曲目はドヴォルザーク「チェロ協奏曲ロ短調」です 良く知られているように,ドヴォルザークはニューヨーク・ナショナル音楽院の院長として招かれ1892年9月から約3年間アメリカに赴任しました この曲は帰国直前の1894年11月から翌年2月にかけて作曲されました.第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」,第3楽章「アレグロ・モデラート」の3つの楽章から成ります
指揮者とともに上森祥平が颯爽と登場,指揮台の隣にスタンバイします 第1楽章は独奏チェロはなかなか出てきません.管弦楽で出番を演出して盛り上げます.そしておもむろに独奏チェロが王者の貫禄で出てきます 上森のチェロはスケールが大きく演奏に説得力があります
2階のバルコニー席からステージ上の演奏者を見ていると,クラリネットの吉野亜希菜,フルートの甲藤さち,オーボエの荒木奏美,ファゴットの福井蔵たち首席奏者の息づかいが手に取るように分かります それだけ舞台に近いわけですから当たり前ですが,新鮮な驚きです それと,ティンパ二が半端ないド迫力で迫ってきます 身体で音楽を感じるにはこの席はとても良い席だと思います
私はコンサートを聴く時,多くの場合,オケから3人くらいを選んで順番に見ています 今回はコンマスと第2ヴァイオリンの最後列の女性とクラリネットの首席奏者でした この3点のトライアングルを見渡しながら音を聴いています.もちろんコンサートによって特定する3人は変わりますが,大体の位置は同じようなものです.これは習慣としか言いようがありません
上森はアンコールにブリテンの「無伴奏チェロ組曲第1番」から超絶技巧曲「無窮動」を鮮やかに演奏,会場いっぱいの拍手に包まれました
休憩後はムソルグスキー/ラヴェルの組曲「展覧会の絵」です この曲は元々ロシアのムソルグスキーがハルトマンの遺作展に展示された絵画からインスピレーションを得て1874年に作曲したピアノ曲を,フランスのラヴェルが1922年に管弦楽用に編曲・完成させたものです
管楽器が大幅に拡大しフルオーケストラの態勢になります 山下一史が再度登場,指揮台に上がります
この曲は10のシーンから成る曲ですが,第2曲「古城」におけるアルト・サクソフォンの演奏は聴かせてくれました 第3曲「テュイルリー」では荒木奏美のオーボエが冴えていました 第8曲「カタコンベ」における分厚いブラスの響きは会場を支配しました 最後の第10曲「キエフの大門」における打楽器群の大迫力は文字通り身体が震えました
ラヴェルの編曲がなければ,この曲は今ほど演奏される機会がなかったのではないか,と思うほど色彩感に溢れ管弦楽の魅力に満ちています
これだけの熱演なので,アンコールは無いだろうと思いましたが,まさかのアンコールでラヴェルの「クープランの墓」から「リゴードン」が演奏され,会場いっぱいの拍手に包まれました.
この日のような大管弦楽曲のプログラムの場合は,2階バルコニー席はとても良いと思いました 他の会場でも試してみようと思います