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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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Zuikoレンズいろいろの巻(2)

2023年05月07日 18時30分00秒 | ブログ

Nゲージの蒸気機関車も一通りは所有していますが、これもKATOの古い蒸気モデルのC58(2010)です。シルエット的には給水温め器がヘッドライトの後にあってD51に似ていますが、D51より小ぶりで支線の客貨牽引用として製造された機関車で、私はC58の方が好きです。高校生の頃は八高線の高麗川駅に撮影に行ってました。現行のN蒸気は1/150で作られていると思いますが、古いモデルはモーターの収納の問題か少しオーバースケール(1/140)となっています。

Nの蒸気は購入してショーケースに飾っていただけですので走行はさせていませんが通電をしても動きません。集電はテンダーの台車からしており、ブレーキホースに似せたリード線によりモーターに給電する方式です。腐食により車軸と切片に導通がありませんので分解して研磨します。

で、定番の20mm f3.5です。中玉の曇りが多いレンズですが、中玉の曇りは軽微で、後玉2枚の内側に水滴状の汚れがあります。また、ホワイトグリスの潤滑が落ちてヘリコイドの回転が重い傾向にあります。

 

このレンズも使われていません。純正フィルターも新品同様です。あるところにはあるものですね。レンズの清掃とヘリコイドグリスの交換をします。

 

真ん中にある筈の後玉が写っていません。2枚のレンズを清掃します。

 

 

中玉も非常に良い状態でした。清掃できれいになりました。

 

 

公式側から。現在のモデルはより精密化されているとは思いますが、1/150スケールでプラ成形では限界があり、それが物足りなく感じてしまいます。天賞堂から同じ9mmのレールを使用するTT-9スケール(1/120)の真鍮モデルが発売されていて欲しいとは思いますが、軽く10万円は超える価格ですからね。やはり精密な工作を楽しむのは16番でNは運転を楽しむゲージなのでしょう。

少しサボるとレンズは皆同じような画像ですから自分でも分からなくなります。とりあえずレンズは今回で終わらせます。これは38mm f3.5 マクロですが、後玉2枚の間が汚れています。

 

清掃をしました。繰り出しが長いのでマウント側に黒いカバーが付いています。

 

 

問題は真鍮製のカムの外径に多量のグリスが塗られていて、それが絞りユニットに流れ出していて絞り羽根が動かないのでユニットを洗浄します。

 

繰り出し最大の状態。

 

 

繰り出し最小の状態。

 

 

次は60mm f1.5が2個あります。こちらも絞り羽根が固着して戻りませんね。

 

 

レンズを外して洗浄します。

 

 

次はみんな大好き42mm f1.2 です。使われていないレンズですが色々問題があります。まず、持病の中玉に僅かに曇りが発生していますね。これは清掃をしても取れません。

 

こちらも絞り羽根が固着しています。こちらはヘリコイドから流れ出した油で、内部がベチョベチョです。

 

 

 

問題は絞りリングも固着していること。原因はレンズの前側面に打撃を受けたようで画像のスペーシングリングがスムーズに回転せず、鏡筒から抜くのも困難です。

 

右下のリングね。一度変形したリングは真円に戻すことは出来ませんので内径を拡大します。FT用なのでリング部の組立は小バネが多く、組立は非常に面倒です。

 

実は鏡筒自体にも僅かな変形があるようで、カムの回転が重いので絞りリングの回転も軽くはありませんが、実用の範囲にはなりました。重いレンズは僅かな衝撃でもダメージを受ける可能性があるので扱いには注意しましょうね。

 

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