『二月花形歌舞伎』昼の部
「慶安の狼 丸橋忠弥」
丸橋忠弥:獅 童
野中小弥太:愛之助
由井正雪:染五郎
慶安四年。大名家取り潰しによって溢れる浪人を取り締まるために浪人狩を始める幕府。そんな幕府に弓を引き天下転覆を目論む由井正雪に傾倒しその謀反に組する丸橋忠弥だったが、彼の友人野中小弥太は、彼に仕官を勧め由井正雪との付き合いを断つように何とか説き伏せようとする。しかし二人の立場は相反し、謀反の事実を知った小弥太は忠弥を売ることになるが・・・。
え?なんか全然歌舞伎じゃない。花道が全く使われず、大向こうさんすらない。色気のないなんとも男っぽい物語・・・と思っていたら、なるほど、もともと新国劇なのね。それにしても獅童さんうまくなったよねぇ←偉そう(笑)。映画『日輪の遺産』で、いきなり演技力あがってないですか?な印象を受けて、無茶苦茶渋くてかっこいいじゃないかって思ったんだけど、いやホントにうまくなりましたよねぇ。友と自らの大義に揺れ動く渋い役がステキでした。ラストの殺陣もいい!でも、獅童さん槍落っことしちゃったよ。まあ長い殺陣のシーンだからね。しかしまさかの展開。小弥太が忠弥と共に謀反者とされた時点から少しづつあがる萌え度(笑)。そして忠弥が紐を取り出した時点で展開が予想されましたが、一気に萌えポイントが高くなる(笑)。獅童さんと愛之助さん顔近過ぎ!間違いなくあれは確信犯的な演出だな。ラストかっこよすぎです。
「大當り伏見の富くじ」
紙屑屋幸次郎:染五郎
鳰照太夫:翫 雀
黒住平馬:獅 童
信濃屋傳七:愛之助
雪舟斎:歌 六
紙屑屋幸次郎。元は質屋佐野屋の若旦那だったが、店が潰れ今では紙屑屋として生活していた。ある日島原の花魁道中と行き当たり鳰照太夫に一目ぼれ。その夜河原掃除に当たった幸次郎はその最中大金の入った皮財布を拾い、その金を持って鳰照太夫に会いに行くがそこで身請けの金を落としたという話を聞き自分が拾った金がその金だと確信した幸次郎は金をすべて渡し、鳰照太夫との逢瀬は一夜の夢と消える。しかしその後偶然そこで買わされた富くじが一番籤となるが・・・。
こちらの作品も歌舞伎色がうすい。それでもこちらでは大向こうさんがかかり、今日はいなかったわけではないのねとちょっと安心する(笑)。あり過ぎると困るけどなかったらないで物足りないんですよね。明治に作られた世話物喜劇「鳰の浮巣」という作品を元に新たに書かれたものいうことで歌舞伎色が薄いんですね。知り合いがこの作品には新感線テイストがあるっておっしゃってたんで、いのうえ歌舞伎のイメージで出かけたんですよね。そしたら、確かに新感線テイストかもしれないけど、そのテイストは小六魂の方でした(笑)。いや、嫌いじゃないからいいんだけどね小六魂でも。しかし歌舞伎に小六魂持ってこられるとは思わなかった。「慶安の狼 丸橋忠弥」でビシッと決めてた染五郎さんと獅童さんの打って変わってのはじけっぷり。染五郎さんは先日観た夜の部の「研辰の討たれ」の方がはじけてたっぽいですが獅童さん好きなんだねきっとこういうのって思うくらいに楽しそうだった(笑)。この二人のノリについていけない真面目な愛之助さんという図式が生まれ、それはそれで観ていて面白かった。
ラストはまさかまさかのグランドフィナーレ。マツケンサンバでも始まるのかと思っちゃったよ。こうなるとカーテンコールは当たり前。人生二度目の歌舞伎でのカーテンコールを経験させていただきました。昼公演も観に行ってよかった。歌舞伎は東京公演の方が多く、いつも悔しい思いしてたんですが、今回は、いやあこれ観られないお江戸の方残念だねぇって思うくらいに楽しい公演でした。
-2012.2.15 大阪松竹座-
「慶安の狼 丸橋忠弥」
丸橋忠弥:獅 童
野中小弥太:愛之助
由井正雪:染五郎
慶安四年。大名家取り潰しによって溢れる浪人を取り締まるために浪人狩を始める幕府。そんな幕府に弓を引き天下転覆を目論む由井正雪に傾倒しその謀反に組する丸橋忠弥だったが、彼の友人野中小弥太は、彼に仕官を勧め由井正雪との付き合いを断つように何とか説き伏せようとする。しかし二人の立場は相反し、謀反の事実を知った小弥太は忠弥を売ることになるが・・・。
え?なんか全然歌舞伎じゃない。花道が全く使われず、大向こうさんすらない。色気のないなんとも男っぽい物語・・・と思っていたら、なるほど、もともと新国劇なのね。それにしても獅童さんうまくなったよねぇ←偉そう(笑)。映画『日輪の遺産』で、いきなり演技力あがってないですか?な印象を受けて、無茶苦茶渋くてかっこいいじゃないかって思ったんだけど、いやホントにうまくなりましたよねぇ。友と自らの大義に揺れ動く渋い役がステキでした。ラストの殺陣もいい!でも、獅童さん槍落っことしちゃったよ。まあ長い殺陣のシーンだからね。しかしまさかの展開。小弥太が忠弥と共に謀反者とされた時点から少しづつあがる萌え度(笑)。そして忠弥が紐を取り出した時点で展開が予想されましたが、一気に萌えポイントが高くなる(笑)。獅童さんと愛之助さん顔近過ぎ!間違いなくあれは確信犯的な演出だな。ラストかっこよすぎです。
「大當り伏見の富くじ」
紙屑屋幸次郎:染五郎
鳰照太夫:翫 雀
黒住平馬:獅 童
信濃屋傳七:愛之助
雪舟斎:歌 六
紙屑屋幸次郎。元は質屋佐野屋の若旦那だったが、店が潰れ今では紙屑屋として生活していた。ある日島原の花魁道中と行き当たり鳰照太夫に一目ぼれ。その夜河原掃除に当たった幸次郎はその最中大金の入った皮財布を拾い、その金を持って鳰照太夫に会いに行くがそこで身請けの金を落としたという話を聞き自分が拾った金がその金だと確信した幸次郎は金をすべて渡し、鳰照太夫との逢瀬は一夜の夢と消える。しかしその後偶然そこで買わされた富くじが一番籤となるが・・・。
こちらの作品も歌舞伎色がうすい。それでもこちらでは大向こうさんがかかり、今日はいなかったわけではないのねとちょっと安心する(笑)。あり過ぎると困るけどなかったらないで物足りないんですよね。明治に作られた世話物喜劇「鳰の浮巣」という作品を元に新たに書かれたものいうことで歌舞伎色が薄いんですね。知り合いがこの作品には新感線テイストがあるっておっしゃってたんで、いのうえ歌舞伎のイメージで出かけたんですよね。そしたら、確かに新感線テイストかもしれないけど、そのテイストは小六魂の方でした(笑)。いや、嫌いじゃないからいいんだけどね小六魂でも。しかし歌舞伎に小六魂持ってこられるとは思わなかった。「慶安の狼 丸橋忠弥」でビシッと決めてた染五郎さんと獅童さんの打って変わってのはじけっぷり。染五郎さんは先日観た夜の部の「研辰の討たれ」の方がはじけてたっぽいですが獅童さん好きなんだねきっとこういうのって思うくらいに楽しそうだった(笑)。この二人のノリについていけない真面目な愛之助さんという図式が生まれ、それはそれで観ていて面白かった。
ラストはまさかまさかのグランドフィナーレ。マツケンサンバでも始まるのかと思っちゃったよ。こうなるとカーテンコールは当たり前。人生二度目の歌舞伎でのカーテンコールを経験させていただきました。昼公演も観に行ってよかった。歌舞伎は東京公演の方が多く、いつも悔しい思いしてたんですが、今回は、いやあこれ観られないお江戸の方残念だねぇって思うくらいに楽しい公演でした。
-2012.2.15 大阪松竹座-