にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『君は海を見たか』

2009年04月05日 | MOVIE
『君は海を見たか』(1971年/大映)
原作・脚本:倉本聰。
監督:井上芳夫。 
出演:天知茂。山本善郎。寺田路恵。中山仁。内藤武敏。

土佐清水市の海底展望台の開発に関わる設計技師増子一郎は、妻亡き後の一人息子の正一の面倒も妹の弓子に任せっきりで仕事に追われていた。家に帰っても仕事の続きで息子の話すらまともに聞かない一郎。一郎の出張中のある日正一は身体の異状を訴えた。そのまま大学病院へと移された正一の精密検査の結果はウィルムス腫瘍という腎臓に出来る特殊な小児がんだった。医師から聞かされた話は、症状はかなり進行しており、手術をしても余命3か月くらいであろうと言うことだった。しかも正一は2か月も前に身体の異状を一郎に訴えていたのだった。息子の話をきちんと聞いてやらなかったことに苦悩する一郎。息子に残された時間をどこまでも一緒に過ごそうと決心する一郎。そして海を見たことがないという正一を連れて、正一から父親を奪ってしまっていた一郎の職場である土佐の海へ連れて行くことにする。

どこまでも市井の人の似合わない俳優の一人である天知さんの唯一のパパ作品である。
しかし普通の優しいいいパパでないあたりにこのキャスティングの妙があるんですよね。子供と向き合えない不器用さは案外この人だから、うまくこの作品に醸し出されているのかもしれない。なんでもこの作品は、この映画化の前にテレビドラマで放映されていて、その時の父親役は平幹二郎さんだそうで、子供の正一役は映画版と同じらしい。そこでふと思うのですが、この子役の子、天知さんの方が似てるんじゃないか?と。もしかして似てるってこともキャスティングの一つ?などと思ってみたりもする。
難病モノ・・・の作品の割りにこの作品は、「ほら泣けよ」な所が全くない。そのくせつまらないか?というとそうでもない。悲しいけれど優しい作品である。
しかもこの天知茂という俳優さんの不思議なところは、子供というアイテムが加わるとなぜか今までの臭みが消えるんだ(笑)。『眠狂四郎 無頼剣』の愛染の成功は弥彦屋の末娘を絡ませたところにあるんじゃないかと思っているくらいです(笑)。
苦悩するのはお得意。そこに子供というアイテム。そしてかっこつけなくていいという肩の力を抜けるお芝居。天知さんのいいところを引き出すにはもってこいの作品ではないか?と(笑)。
一部、どう見てもそれは聞き込みの刑事だろう?な雰囲気の場面はありますがね。

-2009.3.29 CATV録画 -

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2 Comments

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君は海(の中の天知茂)を見たか (mami)
2009-04-05 22:02:12
たしかに、子供の病気が悪化して倒れるとか、パパ号泣必須な臨終シーンなどのお涙頂戴場面が一切ないのが、あざとくなくていいですね。

正一くんの将来について語りながら海に入って、最後に言葉に詰まって泣いてるっぽいシーンがすごく好きなんですが、あの海中にいるのははたして本人なのかどうか、感動しつつもつい目を皿にして見てしまいます(^^;)
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見ました!(笑) (とめ)
2009-04-06 00:02:19
mamiさーん。
私も一瞬「?」と思って確認しましたよ(笑)。
さすがに後姿なんで別人でしょう。
素人であれだけの時間潜ってるのはむずかしいでしょうしね。
でも飛び込んでいるのは本人っぽいんですよねぇ。
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