『おくりびと』(2008年/松竹)
監督:滝田洋二郎。
出演:本木雅弘。広末涼子。余貴美子。山崎努。
楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめなければいけなくなった大悟は、妻と共に母が残した家のある山形へと戻ってくる。求人広告でみつけた「NKエージェント」へと面接に出かけると即刻採用。一体何の仕事かもわからないのにとよくよく聞いてみると遺体を棺に収める仕事「納棺師」だと言う。とにかく強引な社長に押され、妻には「冠婚葬祭の仕事」と仕事の内容をぼかし、戸惑いながらもいくつもの死に向き合ううちに、納棺師の仕事に誇りを見いだしてゆく。
私がまともに遺体を目の前にして、じっくり葬儀と向き合ったのはもう20年近くも前の父親の葬儀だけなんですが、こんな納棺なんてのなかったような気がする。病院から運ばれてきて、最初はふとんに寝かされていて、気がついたら棺に納まっていた。(^^;
きっとこの映画のラストで出てくる「はい、足持って、行くよ」ってな納棺だったのだろうと思う。田舎の方ではどうかはわからないけど、都会ではたぶんほとんどがこのパターンなんだろうね。それにどうも「湯灌」というのがこの納棺の儀らしいのですが、別料金のようです。
葬儀そのものはもちろん死者を送る儀式なんだけど、この映画で描かれる「納棺の儀」というのはまさしく儀式。丁寧に厳粛に生前の面影を取り戻す死者。死者の生前の行い、死者を送る人々の死者への思いなどがこの儀式により、それぞれの心を駆け巡っていく。そして悲しみは残るけれど、憎しみは消えるのかもしれない。ふとそんな気がした。死者への思いのけじめがつけられないでいるのなら、「湯灌」を利用するのがいいのかもしれない。火葬場の職員のセリフにあった、ここは門番で人はここをくぐって旅立っていくと・・・しっかりと旅支度を見られたら素直に「いってらっしゃい」と言えるかも・・・。
淡々と・・・そして優しい映画でした。
この作品は主演のモックンが自ら企画したとか・・・。彼ならではの作品ですね。この主役は彼だからこそよかったのだと思います。
-2008.9.17 MOVIX堺-
監督:滝田洋二郎。
出演:本木雅弘。広末涼子。余貴美子。山崎努。
楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめなければいけなくなった大悟は、妻と共に母が残した家のある山形へと戻ってくる。求人広告でみつけた「NKエージェント」へと面接に出かけると即刻採用。一体何の仕事かもわからないのにとよくよく聞いてみると遺体を棺に収める仕事「納棺師」だと言う。とにかく強引な社長に押され、妻には「冠婚葬祭の仕事」と仕事の内容をぼかし、戸惑いながらもいくつもの死に向き合ううちに、納棺師の仕事に誇りを見いだしてゆく。
私がまともに遺体を目の前にして、じっくり葬儀と向き合ったのはもう20年近くも前の父親の葬儀だけなんですが、こんな納棺なんてのなかったような気がする。病院から運ばれてきて、最初はふとんに寝かされていて、気がついたら棺に納まっていた。(^^;
きっとこの映画のラストで出てくる「はい、足持って、行くよ」ってな納棺だったのだろうと思う。田舎の方ではどうかはわからないけど、都会ではたぶんほとんどがこのパターンなんだろうね。それにどうも「湯灌」というのがこの納棺の儀らしいのですが、別料金のようです。
葬儀そのものはもちろん死者を送る儀式なんだけど、この映画で描かれる「納棺の儀」というのはまさしく儀式。丁寧に厳粛に生前の面影を取り戻す死者。死者の生前の行い、死者を送る人々の死者への思いなどがこの儀式により、それぞれの心を駆け巡っていく。そして悲しみは残るけれど、憎しみは消えるのかもしれない。ふとそんな気がした。死者への思いのけじめがつけられないでいるのなら、「湯灌」を利用するのがいいのかもしれない。火葬場の職員のセリフにあった、ここは門番で人はここをくぐって旅立っていくと・・・しっかりと旅支度を見られたら素直に「いってらっしゃい」と言えるかも・・・。
淡々と・・・そして優しい映画でした。
この作品は主演のモックンが自ら企画したとか・・・。彼ならではの作品ですね。この主役は彼だからこそよかったのだと思います。
-2008.9.17 MOVIX堺-