にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『パコと魔法の絵本』

2008年09月16日 | MOVIE
監督:中島哲也。
出演:役所広司。アヤカ・ウィルソン。妻夫木聡。土屋アンナ。阿部サダヲ。

大きな屋敷に住む一人の青年の元に風変わりな老紳士が訪ねてきた。そして部屋にあった仏壇に飾られた写真とそばにあった一冊の絵本を手にとり、とある病院で彼に起こった出来事を語り始める。写真の主大貫は「お前が私を知っているだけで腹が立つ」と会う人事に言い、意地悪でわがままで、病院中の嫌われ者だった。そんな彼がある日同じ病院の入院患者である一人の少女パコと出会ったことで、彼は人々の記憶に残ることになる・・・。

初演の『ガマ王子VSザリガニ魔人』をDVDで観て、昨年上演された再演をNHKのBSで観て、すっかりこの物語のファンになってしまった私はこの映画の公開が待ち遠しくって仕方無かった。しかも予告編を観る限り、舞台版のセリフやシーンはしっかりと生かされているし。
冒頭、後藤ひろひとさんのなんともふざけた登場に思いっきり吹き出しそうになる。きっとこれが大王らしいんだろうな(笑)。
実は私は好評だった『下妻物語』も『嫌われ松子』も観ていない。なんかねぇ、あの極彩色の色遣いとアニメチックな動きに苦手意識が働いて、どれだけいい作品だと言われても観る気がしなかったんですよね。じゃあこれもそうじゃない。って言われるとそうなんだけど、これは元の物語を知ってるもんだから、ここまでデフォルメして完全なファンタジーにしちゃってるからこそ映像化した意味あり。って思えるんですよね。実写とアニメの切り替えがすごく巧みで、ホント見事なファンタジー作品ですよ。
ただ堀米と大貫の関係の描き方がちょっと雑だった気がする。あの「タニシ」のシーンで、舞台版だと大貫にちょっかいをかけながらも、この偏屈なクソじじいをどうにか出来ないか?という堀米の気持ちが滲みでる「バカを治す薬はありませんか?」なんだけど、映画でのシーンではそこまでは読み取れないんじゃないかなぁ。好きなシーンだけに惜しい気がする。あと木之元さんを國村隼さんにして、おかまにしちゃうという荒業にはびっくりです(笑)。しかしここでおかまさん登場させちゃったから室町のザリガニ魔人がちょっとインパクト弱くなっちゃってるんですよねぇ。國村さんのおかまは最高でしたが。ただ今後芸風が変わらないことを祈ります(笑)。

-2008.9.13 TOHOシネマズ泉北-