にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

『殺しの掟』

2006年05月07日 | BOOK
なぜかいきなり池波正太郎作品です。実は『鬼平犯科帳』『剣客商売』の2作品は読んでいるんですが、『梅安シリーズ』は未読なんですよね。そこでまずは『梅安シリーズ』の原型となった短編のこの作品を選んでみました。
さすが闇の稼業ということで、どの作品もクールです。『梅雨の湯豆腐』これはテレビドラマ『鬼平犯科帳』で使われてたのを思い出しました。そのときこの主人公が楊枝つくりだということはなんとなく覚えてはいたのですが、名前が彦次郎だとは思ってもみませんでしたよ。実はドラマ版の『仕掛け人藤枝梅安』も最近まで観たことなくって、梅安さんの相棒が彦次郎さんだと知ったのは最近なんで、ドラマで観たときよりもこの作品読んだ今回の方がせつなかった。(^^;) だって・・・彦さ~ん(涙)。って言っても、ま、ある意味別ものなんでしょうけどね。
で、やはり表題となっている『殺しの掟』。これいいですわ。音羽の半右衛門渋いかっこいい。外見は小人のように小さく大女の女房に甘えるように抱きかかえられる。なんとも想像すると情けない図で日々を送る半右衛門なんですが、ラストの描写はやはり只者ではないというのがぞくっとくるほど伝わってくる。本当に怖い男は恫喝しないんですよねぇ「二度と、こんなまねはしねえことだ。もし、またやったら、今度はお前、御陀仏だぜ」渋すぎる・・・。
なんか手元に一気に本が増えてしまったんで、しばらく『藤枝梅安シリーズ』にはかかれそうにないですが、このシリーズも全部いってしまわないと池波ファンとは言えませんね。