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にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【文楽】開場三十周年記念文楽公演 第二部

2014年04月29日 | STAGE
開場三十周年記念文楽公演 第二部

通狂言「菅原伝授手習鑑」
三段目 車曳の段
    茶筅酒の段
    喧嘩の段
    訴訟の段
    桜丸切腹の段
四段目 天拝山の段
    寺入りの段
    寺子屋の段

以前は国立文楽劇場での公演はすべて行ってたんですが、落語に足を運び出してからすっかりご無沙汰です。今回も一年以上あいてるんじゃないかな。そして住大夫さんの舞台を見るのは二年ぶりくらいかも・・・。休演なさってたときもあったし、たまたま私が観に行く回での出番がなかったりしたんですが、なんと今回で引退だそうで、これはぜひ行かなければ!とあわててチケットをとりました。

「菅原伝授手習鑑」三兄弟というのは知ってましたが、それぞれに仕える先が違って別れ別れになるんですね。なるほど。
住大夫さん引退の演目は「桜丸切腹の段」。本当に久しぶりに聴く住大夫さん。やはり声量が落ちてらっしゃいますね。引退もやむなしなのかな・・・としみじみ。御年89歳。私が初めて住大夫さんの浄瑠璃を聴いたのは2007年11月。「曾根崎心中 天満屋の段」でした。私はもう何度も文楽足を運んでますが、未だに浄瑠璃の良し悪しなんてあまりわかってなかったりします。でも浄瑠璃聴いて初めて泣いたのはやはり住大夫さんの語った「義経千本桜 すし屋の段」でした。まだ引退なんて考えていない時期の住大夫さんの浄瑠璃を聴くことが出来た私は幸せでしょうね。そして今回幕引きの舞台も拝見出来て、よかったと思います。お疲れ様でした。

住大夫さんの浄瑠璃にしみじみとした後、桂米二さんがブログで解説してくださっていた「天拝山の段」。落語「牛ほめ」に出てくる「天角地眼・・・」というのが出てくるということで・・・でたっ!思わずほくそ笑んでしまった。
しかし菅丞相が火を吐くとは!文楽にもいろんな仕掛けがあるものです。面白かった!

続いて「寺入り」「寺子屋」の段。ここは文楽でも以前観ていますし、歌舞伎でも観ているから完全に物語はわかっているのですが、ここに落語のネタが2つ入っているは気づかなかった。来るぞ来るぞ!って違う楽しみが増えましたよ(笑)。

-2014.4.25 国立文楽劇場-

【舞台】スーパー歌舞伎Ⅱ『空ヲ刻ム者-若き仏師の物語』

2014年04月19日 | STAGE
スーパー歌舞伎Ⅱ『空ヲ刻ム者-若き仏師の物語』
作・演出:前川知大
十和:市川猿之助
一馬:佐々木蔵之介
鳴子:浅野和之
伊吹:福士誠治

山間の小さな村。凶作に苦しみながらも、村にある造仏所のおかげでなんとか生活している村人たち。造仏所の仏師の息子である十和は、宗教は貴族たちにいいように解釈され、仏像は彼らの道楽の一つに成り果てているように感じられ仏師としての仕事に身が入らないでいた。一方十和の幼馴染である領主の息子一馬は村人たちの窮状をなんとかしたいと思い年貢を減らしてもらえないかと役人に訴えるが全く相手にされず、村人を救うためにと都で官吏の道を選ぶ一馬。村を離れる一馬を見送ったあと十和は怒りに任せた行動から村を離れることになる。やがて二人は都で再会することになるが・・・。

初体験のスーパー歌舞伎です。私は基本、歌舞伎にしても普通の舞台にしても好きな俳優が出ているか出ていないかで見るか見ないか決めているので、スーパー歌舞伎っていうのにはあまり興味がなかったんですよね。ところが今回はなんとイキウメの前川知大さんの本だという。イキウメは数年前に『散歩する侵略者』を一度見ただけなんですが、この作品がすごく面白く、その後のイキウメの評判も耳にしていたので、「作、前川知大」というのに非常に惹かれ、ましてや浅野和之さんまで出るんだからこれはぜひぜひ行かねば!と思ってました。
これは見に行って正解!第一幕から楽しかった。第一幕は物語の導入部なのでそんなに派手ではないんですが、狂言回しの役割の浅野和之さんが地味な舞台の流れをいいように引っ張ります。口上の場面からすでに物語の進行役として動き、舞台上での着替え。「誰か手伝って」と出てきた黒子さんたちに「おお!黒い妖精たち」歌舞伎ではなく完全に普通の芝居です(笑)。緩和剤のような存在としてラストまで見事に観客をリラックスさせてくれます。
物語は復讐譚でも勧善懲悪のヒーロー物でもなく、若き青年の苦悩と成長という基本的には地味なものです。が、この地味なはずの物語が歌舞伎という形を取ることにより、派手でカッコイ物語になるんですよね。これはすごい。もう第三幕なんてやりたい放題のド派手な演出となります。まず、十和が彫ったという仏像の開帳場面で、どんな仏像が?と思って扉が開かれると一気に吹き出し舞い上がる木くず・・・に見立てた紙片なんですが、ここで「うおぉ!」と高揚感が高まり、続いて宙乗り、そして圧巻の殺陣!楽しかった!もう一回見たいくらいの気分でしたよ。
そうそうタイトルは「空(そら)を刻む者」なんだけど、これって「空(くう)を刻む者」の意味だったんですね。深いなぁ。
それと筋書きを買ったんですが、普通の舞台のパンフのように稽古写真が入っているのがなんだかすごく新鮮だった。

-2014.4.12 大阪松竹座-

【舞台】『Paco~パコと魔法の絵本~』

2014年03月11日 | STAGE
『Paco~パコと魔法の絵本~』
作:後藤ひろひと。
演出:G2。
出演:西岡徳馬。キッド咲麗花。松下優也。安倍なつみ。マギー。吉田栄作。

両親が引っ越してしまったために一人暮らしとなった浩二の元に奇妙な男が訪ねてくる。そして部屋にあった仏壇の写真とそのそばに置かれた一冊の絵本を手に取り、浩二の大叔父にあたるその写真の主、大貫の話を始める。「この人の口癖を知ってますか?”お前が私を知っているというだけで腹が立つ”なのにこの人のことがみんなの心に残ったんですよ」そう言うととある病院で起こった奇跡の物語を語り始める。

この作品は初演をDVDで。そして再演をBSで見て、その再演で大貫を演じた吉田鋼太郎さんに惚れ、DVDを購入。もちろん映画化されたものも見ている。とにかくこの作品は大好きなんですよね。その大好きな作品が再び上演される。そして今回の大貫はこれまた私の好きな西岡徳馬さん。そら観に行くでしょう!(笑)。
幕が開き、浩二の部屋。コークだ(笑)。それだけでうれしくなる。大貫登場。徳馬さんシブいなぁ~。ただ・・・徳馬さんも好きだけど鋼太郎さんの方が好きなんですよねぇ。しかも鋼太郎さん版は何回も見返してたりするもんだから、常に鋼太郎さんの大貫が重なる。ごめんなさい、鋼太郎さんの大貫の方が好きだ!堀米と池の前でのタニシのやりとりも鋼太郎さん昇太さんのコンビの方がテンポいいんですよね。やはりこれは鋼太郎さんの方がやんちゃだからだろうか(笑)。
とか言いながらもこれはこれですごく楽しんだんですよ。ただ物語が完全に頭に入っているので泣いちゃうってことは・・・あ、一箇所あった。淳平が死んだと連絡があった場面。ここ一番笑いましたね。涙出るくらいに笑った。初演、再演ではここ「いちごうまいうまいって食べんねん」とか「ウキキウキキ言うて・・・」なんてセリフだったんですが、どうも今回はここ毎回アドリブのようで、「なんでもないようなことが幸せだったと思う、なんでもない夜のこと二度とは戻らない夜・・・誰かハーモニカ持ってきて!」見事にツボでしたね。

「お前が私を知っているというだけで腹がたつ」そう言ってた大貫が、一日しか記憶が残らないパコと出会い、パコの心に残りたいと思う。本当は誰しも大貫じゃないのかな?誰かの心に残りたい。自分を知ってて欲しい。
そしてラスト、この絵本をちゃんと読んでみたいという浩二に堀米は伝える。バラバラになったこの絵本のページを当時あの病院にいたみんながそれぞれに持っていると。一人づつ探していけば絵本は完成するかもしれないと。
私の人生、あなたの人生。それぞれの物語でもちろんそれぞれが主人公で・・・だけど、一つの物語を完成させるには何人もの人たちが必要で・・・。今回舞台でこの作品を見ることが出来てふとこう感じた。
鋼太郎さんの方が・・・とか言いながら、この作品もDVDになったらきっと買っちゃうんだろうなと思う。

-2014.3.9 シアタードラマシティ-

【舞台】『真田十勇士』

2013年10月08日 | STAGE
『真田十勇士』
脚本:中島かずき。
演出:宮田慶子。
出演:上川隆也。柳下大。倉科カナ。葛山信吾。山口馬木也。賀来千香子。里見浩太郎。

徳川と豊臣の合戦が始まろうとしていた慶長19年。
大坂城入城前に、徳川家康からの呼び出しに応じた真田幸村は、徳川方には付かないことを宣言する。その様子を伺っていたはぐれ忍びの猿飛佐助と由利鎌之助は幸村を追い大坂へやってくる。幸村の家来になりたいという二人。そしてここに真田十勇士が揃うことになる。

で、ここであらすじ止めといてネタばれにならないように・・・としないといけないんだけど、もう公演終わってるし、ネタばれしないと感想書けないので、ネタばれありです。ま、一応改行しておこう。







真田十勇士って私、知ってるようであまり知らないんだけど、この作品では猿飛佐助が、太閤秀吉の隠し子ということで秀頼の兄という設定になってます。で、豊臣の血を根絶やしにしたい徳川にはそれがバレてないから、佐助だけでも逃がそうってことになって、それに大坂城下に入り込んでいた徳川の間者であるハナという女性が絡んで・・・って感じなんだけど、ふと『南総里見八犬伝』を思い出しちゃったよ。みんな死んで二人逃げ延びるからね。あっちは逃げる二人が主役だから結構スムーズにいくんだけど、こっちは逃げる二人主役じゃないからねぇ(笑)。ある意味話として邪魔なんですよね。
どうやらこの作品賛否両論って感じのようなんですが、どうも否の方が多いっぽいな。かくいう私も否なんですけどね。
まず舞台の流れが悪い。イメージとしてはホント商業演劇って感じ。真っ当すぎるくらい真っ当すぎて、けれんみがない。面白くないんですよね。
佐助が太閤秀吉の隠し子っていう設定は別に悪くもないし、最後二人を逃がすってのも悪くはないんですよ。でもその流れがなんだかグダグダ。変に説明しようとしているから、その設定がすごくつまんなく感じる。それにさ、自分の弟だからと最初名乗らずに秀頼を守ろうとしてた佐助がさ、秀頼から言われて、豊臣の血に家康が気付いてないからおまえは生きて逃げろって言われて「よし」ってのはどうよ?登場人物として誰一人かっこよくないんですよね。2ちゃんねるにこの本でいのうえさんの演出で観たいというのがあって、私もそれはちょっぴり思いましたね。でも十人・・・いや十一人か・・・というキャラを使うのは舞台ではかなり無理があるのかもしれません。映画だとシーン簡単に変えられるし抜けるけど舞台ではそれぞれ登場させないといけないから難しいんだろうねぇ。
ま、里見さんの殺陣を生で観られたし、粟根さんはそれなりにかっこよかったし(笑)、それなりで納得しておきましょうかね。

-2013.10.5 梅田芸術劇場-

【舞台】『レ・ミゼラブル』

2013年09月24日 | STAGE
『レ・ミゼラブル』LES MISERABLES
原作:ヴィクトル・ユゴー
演出:ローレンス・コナー。ジェームズ・パウエル。
-キャスト-
ジャン・バルジャン=吉原光夫。ジャベール=川口竜也。マリウス=山崎育三郎。コゼット=青山郁代。
テナルディエ=KENTARO。マダム・テナルディエ=谷口ゆうな。エボニーヌ=昆夏美。ファンテーヌ=和音美桜。
アンジョルラス=野島直人。ガブローシュ=加藤清史郎。

あらすじは割愛。
映画版を観たのが初めてのレミゼ体験(笑)。映画であれだけ感動したんだから、これはぜひとも生で!とチケット取りましたよ。場所はフェスティバルホール。むかーし誰かのコンサートで何回か行ったことあったはずなんですが、全く座席がどんなのだったのか覚えてない。(^-^; ネットで調べるとキャパは2700で旧も今も同じでした。舞台は少し広くなってるし、もちろん作りもおしゃれできれいになってるんですが、やっぱりか!と驚いたのがトイレの数(笑)。いや、これってねぇ大事ですよ。トイレの数が少ないと、休憩時間内に終わらない。今回は最初からトイレの位置を確認して、休憩入ったらすぐに行ったんですけど、長蛇の列にならない。トイレの数が多いから回転がいいんですよ。旧は女子トイレ46に対し新は125。125はすごいと思うな。

設備の話はさておき。舞台です。すみませんガブローシュの加藤清史郎くんしか知りません。(^-^; なんたって子供店長でメディアの露出度はミュージカルの俳優さんたちに比べるとダントツですからね。2011年のレミゼが初舞台なんだそうですが、実は一人だけ名前知ってるのになぜこの子?って思っちゃってたんですよね。ところが・・・案外歌うまいんですよ。ま、歌えなきゃこれに出ることないでしょうが、でも上手かった。今後が楽しみです。
しかし、いつのまにか日本のミュージカル俳優さんの歌のレベルすごくあがってますよね。ただ残念なことに元の楽曲が英語の歌詞の乗っていたものというせいもあるのでしょうか、日本語の歌詞だと聞き取りにくい箇所があるんですよね。これは英語、日本語関係なく普通のセリフより歌の方が聞き取りにくいというのもあるのかな? あと、ごめんなさいエボニーヌの「オン・マイ・オウン」ちょっときつかった。声張すぎって感じ。まぁ、私ずっと本田美奈子さんのアルバムの「オン・マイ・オウン」聴いてるからこの歌への思い入れがあるから余計に辛口になっちゃうんですけどね。あぁ・・・「ミス・サイゴン」観たときも思ったんですが、これ観てもやはり本田美奈子さんの舞台観たかった!って思っちゃいますね。
それにしてもミュージカル「レ・ミゼラブル」レミゼ・・・すごいですわ。やはり各国で何度も舞台でかけられるミュージカル作品はどれもすごい!ってことですよね。

-2013.9.18 フェスティバルホール-

【舞台】『ヘンリー四世』

2013年05月12日 | STAGE
『ヘンリー四世』
原作:ウィリアム・シェイクスピア。
演出:蜷川幸雄。
出演:吉田鋼太郎。松坂桃李。木場勝巳。辻萬長。瑳川哲朗。

リチャード二世から王位を簒奪したヘンリー四世は、周辺諸国との争い、国内での自分への燻る不満、そして世継ぎである長男ハル王子の放蕩ぶりと彼の頭を悩ますことが絶えない日々を送っていた。そんな父の苦悩を顧みることもないハル王子は飲んだくれの騎士フォルスタッフと街の居酒屋で放蕩三昧を繰り返していた。謀反が起こり、ハルもフォルスタッフも戦地へ赴く。「名誉より命だ!」というフォルスタッフは上手く立ち回り命を長らえ、ハル王子の友人である立場を利用し、地位も手に入れるが、ヘンリー四世が崩御し、ハルが跡継ぎとなった時・・・。

「ヘンリー四世」主役は鋼太郎さん。ただそれだけの情報でチケットを取った私。まさかこんな話だったとは・・・。「ヘンリー四世」っていうタイトルだから、「リチャード三世」とか「リア王」のような話だと思ってたんですよねぇ。歴史劇だけど、喜劇っぽい。そして主役はヘンリー四世じゃなくってフォルスタッフなんだもん、びっくりです。いや、知らなかった私が悪いんだけどね。それにしてもフォルスタッフの鋼太郎さん。すごいわ。フリーダムだ(笑)。蜷川作品って結構客席通るんだけど、鋼太郎さん客席に座るし、デブのフォルスタッフということですごい着膨れの衣装で、客席横切るし、お客さんの足踏むし(笑)。その時通った席のお客さんから飴もらったようなのですが、もらっただけだと思ってたら、セリフの途中で「飴が邪魔だ」って出したようで、まさか食べてたとは。芝居以外で笑わすって邪道じゃないか・・・とは思うけど、楽しかった。この客席に入っちゃうっていう演出はすごいな。蜷川さんって遊び心もいっぱいなんだよね。
初めて見る松坂桃李くんはすごいよ。声いいねぇ。あんなに上手いとは思わなかった。声がいいって言えば、この芝居に出てる人みんな声いいんですよねぇ。私の好きな声の人ばっかり。
最初、13時開演、17時20分終演というのを見てめまいしましたが、4時間結構あっという間でした。

-2013.5.11 シアタードラマシティ-

【舞台】『ZIPANG PANK 五右衛門ロックⅢ』

2013年02月26日 | STAGE
『ZIPANG PANK 五右衛門ロックⅢ』
作:中島かずき。
演出:いのうえひでのり。
出演:古田新太。三浦春馬。蒼井優。村井國夫。麿赤児。

豊臣秀吉の時代。天下を騒がす大泥棒の石川五右衛門は、ひょんなことから津雲寺にある黄金目玉像という仏像を盗むことになる。まんまと盗みに成功するも、その像はただの金メッキ。ところがその像が空海の隠した秘法のありかの鍵だということがわかり、そのお宝を巡り、五右衛門をとりまく人々のそれぞれの思惑が錯綜する。

五右衛門ロックⅡの『薔薇とサムライ』の続編なんだね。実は『薔薇とサムライ』は私ダメだったんですよねぇ。と言ってもゲキシネでしか見てないんだけどね。(^-^;
なぜダメだったか・・・中途半端にミュージカルだったから。そして・・・まぁ、この作品も歌う歌う!おかげでなげーよ!いや、つまんなくはなかったよ。楽しんだよ。三浦春馬くんって名前くらいしか知らなかったんだけどさ、歌えるし踊れるしすごいな君!ただのイケメン青年ではなかったんだね。と感動もしたよ。だけどさ、やっぱなげーよ。曲目を書いたチラシがあったんだけど、その曲数見て一瞬めまいした。おかげで「え~!まだここ!?」と何度時計を見たことか・・・。登場人物出てくるたびに歌うもんだから、話の骨格つかむのにどれだけ時間がかかったか。
で、話の骨格がつかめて、いよいよ面白くなってきたところで、明智光秀!?あれ?なんか、こんな設定どっかで聞いたことある・・・どこだったけか・・・と考えないといけない私はちょいヤバいんだけど、先日観た『GOEMON』だ!あちらは明智光秀の家臣の子供だったんだけどね。そっか、やはり同じ五右衛門だから被るか・・・。そうそうシャルルがアンナと名付けたコンドルだったけか?が登場したときも私は心の中で吹いた。だって『GOEMON』のラストは鳥・・・あれは鷹かな?の背に乗り飛んでくんですよね。登場の仕方は違うけど鳥まで被ってる(笑)。開演前友人に『GOEMON』面白かったよって言う話をしていて、『GOEMON』のあらすじを伝えたら、「え?それってここでやるような話だよね」と。常に傾いてた劇団新感線。傾き度はちょっと負けちゃってましたね(笑)。
劇団新感線のファンである私にしたら、劇団員の活躍が少ないのが不満の一つとなってるのもあるかもしれません。唯一うれしかったシーン。「ここは俺たちに任せろ!」と後続の敵をやっつけようとする前田慶次郎のじゅんさんに黙って座りただ成行きを見守っていただけの石田三成の粟根さんが「おれたちっておれも入っているのか?」と立ち上がり二人で敵に立ち向かう!「おう!来た!」と喜んでいたら短くてちょっと残念だったんですけどね。それでもこのシーンはうれしかった。劇団員メインの劇団新感線興行ってもうないのかなぁ。
しかし、最後の最後になんだかいいとこガサッとかっさらっていった感のある麿赤児さんはやっぱすげーや。カーテンコールでもノリノリだったし。
面白かったと言えば面白かった。だけど、せめてあと15分は縮めて欲しかった。とにかくもうねぇ・・・長い!基本的感想はコレだね。

-2013.2.23 オリックス劇場-

【歌舞伎】『二月花形歌舞伎』(夜の部)「GOEMON」

2013年02月13日 | STAGE
『二月花形歌舞伎』(夜の部)
「GOEMON」
石川五右衛門:愛之助
カルデロン神父:松也
石田局:梅枝
出雲の阿国:壱太郎
豊臣秀吉:翫雀

明智光秀の家臣四王天但馬守の娘石田局は秀吉を父の仇と狙っていたが、カルデロン神父の熱心な教えに復讐の心は抑えられていった。そしていつしか愛し合う二人に友市という子が生まれる。それから七年の年月が流れ秀吉による切支丹禁令のためカルデロンは国外追放となり、秀吉に聚楽第に呼び出された石田局はここで秀吉に一矢を報いようとするがあえなく最期を遂げる。二親を亡くした友市はやがて成長し、親の仇を討つべく大泥棒石川五右衛門となり・・・。

と、簡単にあらすじを書きましたが、フライヤーに載ってるあらすじはこんなもんじゃありません。私は今回この作品、五右衛門でフラメンコとしか知らずに観に行って、まず手にしたフライヤーのあらすじ読んでコケそうになりました。「なんじゃこりゃ?」なんかすごいもん見に来たな・・・と。とりあえず気を取り直して開演。
「か・・・かぶき??」と頭の中「?マーク」をいっぱいにしたであろう客は私だけではないような空気を感じながら芝居は始まる。そして振り向いたカルデロン神父の松也さんのメイクにふきそうになる。「た・・・宝塚???」あー、びっくりした。その後どうしても慣れないので、カルデロン神父だけはオペラグラスでは見ないようにする。でも松也さんいい声してますねぇ。滑舌いいし。なんだかシェイクスピアやっても映えそうだった。
前半は、なんだかクラクラしながら見てた。正直「なんなんだこれは?」という感想。フラメンコダンサーのシーンなんて、確かにダンスはすごいんだけど「いるのか?このシーンいるのか?」と唖然としていた。ところが慣れというのは恐ろしいもので(笑)。なんだか楽しくなってきた。そして後半は最高に楽しい。カルデロン神父踊るんだもんなぁ。すごいな松也さん。そして友市の吉太朗くんがすごい。芝居もよかったけど(ちょっと発声が弱かったんだけど)ダンスうまいよ!器用だなぁ。踊りのウケが悪くなったと新しい踊りを考えている阿国にフラメンコを教える五右衛門。「踊ってみて」と言われ「それは無理だ」とかなんとか言いながら足元はやる気満々な五右衛門。そこに「待ってました!」の大向う。「笑うなよ」と台詞だけどちょっと本心入ってませんか?な愛之助さんのフラメンコ!そのあとフラメンコをヒントに日本舞踊との融合のようなダンスになるんだけど、このダンスのシーンがいい!壱太郎さんうまいなぁ!そしてちゃんと山門のシーンがあるんだ!あのセットいいなぁ。どっかのロックバンドのコンサートであんなセット見たことあるような気がする。そのあと怒涛の立ち回りへ!これがまたすごいんだよ。二階席までやってくるんだ。私は三階席だったんだけど、右端だったんで二階席も見下ろせたんで、なんとかおいてけぼりにならずに済んだ。普通に三階席の人何が起こってるのかわかりにくかったでしょうねぇ。
いやあ、ほんっとに楽しかった。去年の二月の松竹座も楽しかったし。歌舞伎というよりも傾き者芝居?って感じの歌舞伎、どんどん松竹座でやって欲しいな。

-2013.2.13 大阪松竹座-

【文楽】文楽初春公演 第二部

2013年01月06日 | STAGE
文楽初春公演 第二部

団子売
ひらかな盛衰記 松右衛門内の段
        逆櫓の段
本朝廿四考   十種香の段
        奥庭狐火の段

年の初めは文楽。これで何年目なんだろう?二部だから寿式三番叟が見られないのが残念だけど、この二部の演目も見ごたえ抜群でした。

団子売 これはたぶん初めて見るんだけど、三番叟と同じく人形の動きが激しい。そして三番叟と同じく初春のめでたい演目なんですね。歌舞伎でいうところの舞踏の演目になるのかな?人形が踊っちゃうんだからすごいです。
ひらかな盛衰記 松右衛門内の段。これも寺子屋と同じく、ひどい話です(笑)。しかもこちらは身代わりにしたくてしたわけじゃない。身分の高い人の命の方が大事・・・という極端な話でもないでしょうが、そうともとれるお話、案外多いですよねぇ。
逆櫓の段。これは以前CATVで歌舞伎版で見たことがあるんですが、立ち回りの多い派手な演目です。文楽でも派手でした。こういう人形の動きを見ていると本当に文楽ってすごいって思いますよ。
本朝廿四考 十種香の段、奥庭狐火の段ともに2回目。奥庭狐火の段があまりに素晴らしいんで、以前は幕見で再度観に行ったから三回目か。文楽でキツネが出てくるととにかくすごい(笑)。
今回は逆櫓で吉田玉女さん。奥庭狐火の段で桐竹勘十郎さんの派手で激しい見どころ満載な人形を堪能して、十種香の段では私の好きな吉田蓑助さんのかわいい八重垣姫が見られて、満足して文楽劇場を後にしました。残念なのは住大夫さんの浄瑠璃、長いこと聴いてないなってこと。今回は一部にご出演だったのかな。

WOWOWで元旦に放映された三谷文楽「其礼成心中」を見たあとだから、余計に文楽っていいなって気になりました。三谷さんが人形のことを「この人たち」って擬人化して紹介していて、その気持ちがなんだかこちらにもほっこりと伝わり、今回生で見ていて松右衛門の登場に「あ、もしかして近松門左衛門さんやってた人!?」なんて俳優さん見るような気持ちになっちゃいましたよ。

-2013.1.5 国立文楽劇場-

【舞台】『ミス・サイゴン』

2013年01月03日 | STAGE
『ミスサイゴン』
エンジニア:市村正親。
キム:新妻聖子。
クリス:原田優一。
ジョン:岡幸二郎。
エレン:木村花代。
タム:荒川槙。

1975年。サイゴン。爆撃で故郷の村と両親を失った少女キム。エンジニアの経営するナイトクラブに流れ着いた彼女はそこで、長引く戦争に心身ともに疲れ果てた兵士クリスと出会う。一夜の恋。それが永遠のものと思うかのように二人は愛し合い未来を誓う。陥落するサイゴン。二人してアメリカに行くはずが運命は二人を引き離す。キムの手に残ったのは、愛おしいわが子タムといつか迎えに来てくれるはずというクリスへの変わらぬ思い。そして1978年・・・。

2005年。私は一曲の歌に出会う。本田美奈子さんの歌う「命をあげよう」。そのきっかけは彼女の死だった。それまで私は本田美奈子という人は元アイドル歌手。ただそうとしか認識していなかった。ところがこの「命をあげよう」を聴いたとき、私の魂は震えた。素晴らしい歌声、そして心の叫びだった。私は本田美奈子さんのキムが見たかった。でもそれはもう無理な話で・・・。だからせめて『ミスサイゴン』という舞台だけは一度は見てみたかった。2008年、2009年と東京公演はあったんですよね。でもミュージカルの上演情報にはあまり縁がなく、全く知らないままで、昨年梅芸でこの作品のフライヤーを見つけたとき狂喜しそうになった。「やった!やっと見られる!」
念願かなった2013年1月1日。カーテンコールで市村正親さんは「仕事始め。そして大阪の楽です。複雑な心境です」とおっしゃってましたが、その二つの思いが重なった舞台は素敵なものでした。今回のキム役は新妻聖子さん。この方の歌も素晴らしい。でも何より驚いたのは市村正親さん。この方の舞台を拝見するのは今回が初めてなんですが、やはりすごい存在感です。歌は決してすごく上手い!という人ではないと思う(ファンの人ごめんなさい)。でもあの余裕というか、まだまだ余力ありますよというような感じの器の大きさ。今回のエンジニアもちろんよかったですが、ぜひシリアスなものも見てみたい!『屋根の上のヴァイオリン弾き』行こうかな。
物語は悲しいね。この物語の主軸はキムのメインの歌である「命をあげよう」これにすべてが集約されてるんですよね。ベトナム戦争はアメリカで数々の映画の題材になっている。その映画のすべてがつらいものしか残さなかったこの戦争を悔い、恨んでいるように思う。この作品を観て一番に思い出したのは『天と地』でした。『天と地』では米兵の夫と共にアメリカへ渡れる。『ミスサイゴン』と『天と地』は、あのヘリコプターに乗れるか乗れないか?のちょうど両極を描いているんですよね。でもあのヘリコプターに乗れたとしても・・・。
今回の新演出で博多と東京でしか上演されなかった本作がどこの劇場でも上演されるようになったということでの大阪公演。これからもまた再演される可能性が増えたということです。未見の方は機会があればぜひ。

-2013.1.1 梅田芸術劇場メインホール-