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今日の筆洗

2020年04月25日 | Weblog

 「ホモ・サピエンス」とは言うまでもなく、われわれ現生人類を指す。「知恵の人」などの意味らしい。古来、人類をいかに定義するか、なにが本質かについて考えた哲人、賢者は多い。いわく「社会的動物」「道具を使う動物」「笑うことができる動物」…▼「遊ぶ人(ホモ・ルーデンス)」と表現したのはオランダの歴史家ホイジンガである。人類の文化の形成に遊びが関係するという考察が知られる▼<遊びをせんとや生まれけむ>。ホイジンガの著書の数百年前に編まれたわが国の歌謡集『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』でも、有名な一節が問いかけている。遊びをしようとしてこの世に生まれてきたのかと▼遊びとはやはり人を人たらしめる重要な要素なのであろうか。そう思わせる光景が先週末、サーフィンの名所、湘南海岸をはじめ海山にあった。遊ぶ人があふれていた。この時節としては、なかなか驚きの光景であった▼海山に繰り出して遊ぶことは、ふだんなら非難されることではない。ウイルスが持ち込まれさらに広がるおそれ、地元の人たちの危険や恐怖を考えれば、今は思いとどまる時であろう。この週末と大型連休に向けて、各地の自治体が対策を打ち出している▼五感では感じられない嵐が外で吹き荒れているようなものかもしれない。想像力を働かせる知恵の人であるべき時ではないか。遊びは嵐が吹きやんでからだろう。

 
 

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