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今日の筆洗

2020年04月16日 | Weblog

 剣道では竹刀が相手を打ち込んだだけでは一本とはならぬ。気・剣・体が一致した打突。そこに残心が加わってやっと一本となる▼残心とは攻撃後の心の構え。池波正太郎が書いている。「勝ったと思ってみても、決定的な勝ちではなく、相手が立ち向かってくる場合もある。それにそなえて、心を勝負に残す」▼残心どころか、相手を十分に打ち据える前から竹刀を放り投げるような話だろう。トランプ米大統領。どうやら新型コロナウイルス対策で制限してきた経済活動の早期再開を考えているようである▼ここ数日、米国では新規入院者数の増加がやや緩やかで、それを見た判断か。反対するのは感染者の多いニューヨーク州で指揮を執るクオモ知事。厳しい外出制限でかすかに見えた明るい兆し。ここで気を緩めては元も子もない。もっともな話である▼初動の遅れを批判される大統領としては経済活動の再開で支持をという計算があるらしいが、相手は強敵。ゆめゆめ油断召されるな。残心のない甘い剣が招く結果は残念の方になりかねない▼お開きの小咄(こばなし)。首相のマスクが小さい。某国のスパイがその理由を調べて上司に報告した。「トランプ大統領への配慮です」。大統領はマスクをしない。同盟国の首相としては真似(まね)をしたいが、マスクなしは危険。政権内での激論の末、「マスクはする」。ただし「少し小さく」。

 
 

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