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今日の筆洗

2016年12月08日 | Weblog

「世の中には二種類の人間しかいない」と切り出す冗談がある。こんな類い。「世の中には二種類の人間しかいない。結婚を後悔している人間と結婚をしていない人間」。あくまで古い冗談である▼この種の冗談はごまんとあり、それを笑う作品もある。「世の中には二種類の人間しかいない。世の中の人間を二種類に分けるという人間とそうでない人間」。次のも良作。「世の中には三種類の人間しかいない。数を勘定できる人間とできない人間だ」。えっ笑えないと?失礼ながら読解力の問題か▼国際調査によると日本の十五歳の読解力が下がっている。科学や数学の成績は上がっているが、情報を読み取る力が弱いという。学び自体が本や教科書を読むことに始まる。初手の読解力が弱いとは心配になる▼読解力とはいうけれど、書き手である他人の意図や思いを想像して、くみ取る力でもあろう。だとすれば、それは「思いやり」の一種である▼さて先の冗談。文字を追ってもなかなか笑えぬが、笑ってやろう、何が面白いのかなと書き手の心にちょっと歩み寄って考えれば、これを口にした人こそ三と二を間違える「数を勘定できない人間」なのだというひねった笑いが見えてくるはずである▼大切な力を向上させたい。さもないと勉強、仕事は無論、人らしい生活も怪しくなる。加えて小欄の商売もあがったりである。