goo blog サービス終了のお知らせ 

東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

フリートレース所感

2015年07月03日 00時17分48秒 | Weblog
こんばんは。2年470スキッパーの中尾です。
現在、仙台へと向かう夜行バスに乗っております。東京から仙台が片道1680円。驚きの安さですね。明後日から七大戦です。三番艇スキッパーの僕に出番は無さそうですが、精一杯サポートします。

さて、先週6/27(土),28(日)に江の島で開催された第2回関東470協会フリートレースについてご報告します。
以下、リザルトです。
4452 (谷・師田/伊東さん) 47位
BFD-BFD-10-32-14-9-17
4357 (間邪・伊東さん/角出) 71位
DNF-BFD-27-19-18-BFD-OCS
4301 (中尾・高橋さん) 42位
34-7-DNF-35-30-4-11
高橋慧さん、伊東敦さんが一緒にレースにでてくださいました。
このレースは練習レースという位置付けで、普段一緒にレースをおこなう学連のヨットに加え、各大学の医学部ヨット部や社会人も参加する大フリートでした。今回はリオ五輪の代表最終選考レースであるヨーロッパ選手権と日程が近かったためナショナルチームの参加はありませんでしたが、それでもエントリー艇は90艇以上にのぼり、レースは4つのディヴィジョンに別れて実施されました。
ディヴィジョン分けは強豪校や実業団のレベルの高い艇が赤ディヴィジョン、それ以外の艇が青、黄、緑のディヴィジョンに均等に分配され、レースは二つのディヴィジョンの組み合わせで実施されました。
僕達の艇は初日緑ディヴィジョン、二日目黄ディヴィジョンでした。
赤ディヴィジョンとのレースではレベルの高い艇を相手にどこまで食いついていけるのか、それ以外のディヴィジョンとのレースでは、特に個戦で課題となったスタートを克服しつつ、どこまで上位をねらえるのか、といったことを目標に挑みました。

以下、個人的な反省です。
まず個戦で課題とされたスタートについて。今回のレースでは初日ゼネリコが頻発し、予定されていたレース数が消化できないほどでした。文字をつけてしまった艇も沢山います。しかし二日目は運営からの指摘もありスムーズなスタートが続き、二日間で予定されていた7レース全てを実施することができました。僕としては、周りの艇より遅れず前に出る、左右の艇を刺激しないよう注意しつつもしっかり下のルームをキープする、割り込もうとする艇に対して適切に対処する……といった基本的なスタートのルーティンが少しずつですが実感をもってわかってきたような気がします。今回のレースの大きな収穫のひとつです。ただ、まだまだ出られるところから出ているのが現状なので、しっかり有利エンドから第一線スタートを決められるような技術を磨きたいと思います。加速もヘタクソです。フルスピードでラインを切った上の艇に被せられてしまいます。逆にスタートが上手くいったレースは総じて順位が良かったように思います。
次に、クローズの走らせ方について。二日間で下オンからオーバーまで、風の強弱がそこそこ激しいコンディションでした。とくに初日は南風特有のうねりが大きく、艇の上り下りにあわせた細かいハンドリングが課題でした。理論では理解しているつもりでしたが、実際はタイミングがずれていたり、のぼしおとしが極端だったりと、なかなかうまくいきません。今後の練習あるのみです。風域別に振り返ると、微風域では表のテルテールが跳ねるぐらいの上しているのに、トラベラー全あげかつリーチを開くためメイン出し気味というちぐはぐな走りをしていました。遅いはずです。結果、風が下オン~インデッキまでおちた赤ディヴィジョンとの初日最終レースではトップ艇団との艇速差が大きく、7分のタイムリミットに間に合わずに無念のDNFとなりました。角度をとるのか、スピードをとるのか、状況に合わせた切り替えが必要だったと思います。強風域ではメントリが雑でした。ヒールしてからメインを出すのでは遅いのです。スピードの遅さをコースでカバーするレース展開がほとんどだったと思います。
三つ目に、ダウンレグの走らせ方とタクティクスについて。今回は全レースソーセージコースで実施され、下マークは慣れないゲートマークでした。ゲートマークは左右の高さを見極つつダウンレグのコースを引く必要があるほか、内側争いも普段とは違う様相となります。今回慧さんから特に指摘されたのが、波に乗せるテクニックでした。これは敦さんからも指摘されたのですが、小さい波を一つづつ拾い、前へ前へと進む技術がありません。正確なタイミングをまだ感覚で理解できていないため、今後の練習の課題にしたいと思います。ほかにも、上アップや下回航といった基本的な動作すら覚束ないことを指摘していただきました。

最後に、細々とした反省、気付いたことを箇条書きであげておきます。
・ラダーに藻が引っ掛かり、艇速が大幅に下がった。練習中に経験のないトラブルで対処が遅れ、順位を落とした。
・他艇とのコミュニケーションは重要。ミートしたときに「前通っていい?ありがとうございます!」とかスタートで上の艇に「開けますから!開けますから!」とか下マーク際で「ラップあるよ、内側頂戴!」とか、大きな声で他艇とコミュニケーションをとれば、レースがスムーズにすすむ。
・特に競っている場面では、下マーク際のひと波に乗せられるか否かが大きなちがいを生む。慧さんのパンプで内側を何度か奪取できた。
・回航動作が総じて下手。練習でできることがレースでできない。ベアの加速感がない。ラフでマークを閉められない。
・タックしても望みが薄いならば、ブランケをしばらく我慢して走り続けるのも一つの手段。

今回のフリートレースはLBさんと出場させていただく初めてのレースでした。普段の練習では気づけないような技術的アドバイスを沢山いただき、この一週間で大きく成長することができたとおもいます。
振り返ると、順位の良かったレースはすなわち苦労が少なかったレースだったような気がします。ラインが長めに設定されていたため、スタートを出られるところから出られれば、伸ばしたい海面へとフレッシュを走り続けることができ、途中ミートする艇もほとんどないため逃げのタックをすることなく、振れに合わせた最低限のタック数で上マークに到達することができました。ダウンレグでは僕の技術不足から抜かれる場面が多かったのですが、二上のコースを当てればある程度の挽回も可能でした。
いつもこういったレース展開で上手くいくものでもないとは思いますが、良いレース展開の片鱗をみたような気がします。特にシングルで一上を回航したレースでは、ヨットレースが失点のスポーツと呼ばれる所以を垣間見たように思います。僕のミスでひとつまたひとつと順位をおとすのがわかりました。
やってはいけないことも沢山やりました。上マークにポートアプローチした際に回航後のスタボ艇ともみくちゃになったり、レイライン際のタックでエクステをぶっぱなして危うく沈しかけたり、内側とれる場面をやすやすと見逃したり、ブローチングしたり、スタボなのに避けたり、下なのに避けたり……枚挙に暇がありません。深く反省しています。
今回のレースでは、ヨットレースに対する意識が改革されました。これが今回のレースの一番の収穫だと思います。慧さんからは、クルーが綿密な下準備からマークの内側を狙いにいくこと、そうして積み上げた努力が僕の動作ミスでいとも簡単に無駄になってしまうことを指摘されました。勝つことに貪欲に、細かいミスを一つ一つ無くしていくことの重要性を改めて認識しました。

最後になりますが、レースに一緒に出ていただき、自己最高順位へと導いてくださった慧さん、そして、レース前に一緒に練習していただき、スキッパー的着眼点から細かい走らせ方を教えてくださった敦さん、本当にありがとうございました。

そろそろスマホのバッテリーが切れそうなのでこの辺りで筆をおかせていただきます。それでは。