『クリスマスイブに泣かないように』。麻友と咲良の声が似ている？（ときめき研究家）

AKB48ベストアルバム『0と1の間』に収録された新曲14曲を配信で購入し、聴いている。

前作のアルバム『ここがロドスだ、ここで跳べ』は、主要メンバーにソロ曲が当てがわれていて聴き応えがあったが、『0と1の間』はデュエット曲が特徴だ。以下の5曲が収録されている。
渡辺麻友と宮脇咲良のデュエット曲『クリスマスイブに泣かないように』
柏木由紀と指原莉乃のデュエット曲『やさしくありたい』
高橋みなみと山本彩のデュエット曲『LOVE ASH』
小嶋陽菜と横山由依のデュエット曲『あの頃、好きだった人』
松井珠理奈と島崎遥香のデュエット曲『トイプードルと君の物語』
『ここがロドスだ、ここで跳べ』のデュエット曲は、島崎遥香と横山由依の『友達でいられるなら』1曲だけだったが、これが素晴らしい出来栄えだった。果たして今回の5曲にそんな曲はあるのだろうか。

渡辺麻友と宮脇咲良のデュエット曲『クリスマスイブに泣かないように』は、ワム！の『ラストクリスマス』風のイントロから始まり、名曲の予感が漂う。
クリスマスを前に、最後のドライブで海に来ている2人の歌だ。切ない場面のはずなのに、力強いメロディと凛々しい歌唱が余計に心に響く。「貨物船」（『愛しきナターシャ』）「公共駐車場」（『初めてのドライブ』）「ポニーテール」（『ポニーテールとシュシュ』『初恋バタフライ』など多数）など、過去の作品に使われたキーワードも散りばめられている。

ところで、渡辺麻友と宮脇咲良、2人がそれぞれどのパートを歌っているのかが、一聴しただけでは判別できなかった。思いのほか2人の歌声は似ている。1番の歌い出しは麻友、2番の歌い出しは咲良。それはハッキリしているが、途中、どこでパートを替えているのか、通勤電車の騒音の多い中での鑑賞では聴き分けにくかった。
電車を降りて、静かなところで、ヘッドフォンの音量を上げて何度も聴いて、ようやく結論を得た。
1番は全て麻友が、2番は全て咲良が歌っているのだと思う。Aメロ、Aメロの繰り返し、Bメロ、サビまで全部1人。サビでは男女のコーラスが重なるが、その声は相方ではないと思う。
1番、2番、間奏の後のサビ繰り返し部分だけ、ようやく2人で歌っているようだ。
デュエット曲は、2人が交互に歌うものとか、2人のパートの分量は同程度になっているはずだとか、そういう先入観を持ってはいけないとう教訓を得た。（パートの分量はこの曲では同じだったが。）

それにしても、ずっと聴き続けて来た渡辺麻友の声を別のメンバーと聴き分けられないとは、ショックだ。
これは宮脇の歌唱がしっかりして来たことが原因だ。『ここがロドスだ、ここで跳べ』収録の『彼女』の時は、輪郭のはっきりしない声で、どこか頼りなさげな歌唱だったが、今回は相当堂々としている。
一方で、渡辺の歌唱の特徴がやや抑え気味ということもあるだろう。彼女の特徴である、少し人工的で冷たい感じのする鋭利な声の輪郭が、少し鈍くなっている。髪型なども変え、大人の印象を出そうとしているが歌唱にも及んでいるのかもしれない。