AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

AKB48『ここがロドスだ、ここで跳べ!』のカラフルなソロ曲たち。(ときめき研究家)

2015-02-15 15:37:30 | ときめき研究家
乃木坂46のアルバム『透明な色』を聴いた後でAKB48『ここがロドスだ、ここで跳べ!』を聴いたら、あまりの印象の違いに驚いた。前者が「透明」なら、後者は原色の奔流。前者の穏やかさに対して、押しつけがましく主張して来る。どちらがいいというのではなく、それぞれの持ち味だ。

特に、『ここがロドスだ、ここで跳べ!』に収録された主要メンバーのソロ曲は、各メンバーの魅力がよく発揮されていて、聴き応えがあった。私が乃木坂46のメンバーのことを良く知らないこともあるが、個々の歌声がはっきり判別できるというのはAKBグループのキャリアが培った大きな優位性だろう。

『純情ソーダ水』。(渡辺麻友)
渡辺麻友のカマトトぶりが健在。中学時代(?)の家庭教師への淡い憧れを思い出している歌。ソーダ水の炭酸が苦手で20歳過ぎて挑戦したなどとは、なかなか他のメンバーには歌えない。志望校に合格して抱き合った時「制服の胸が感じた」というフレーズが青いエロスを感じさせて秀逸。
昭和ロマンを感じさせるようなレトロな曲調が、相変わらず渡辺に似合う。数多くのソロ曲を与えられている中で「外れ」がないのは、しっかりした声の個性の寄与が大きい。

『よわむしけむし』。(柏木由紀)
安定した歌唱。歌い始めの最初の言葉から、ゆきりんワールドに誘う優しい歌声だ。
歌詞の内容は、失恋から立ち直ろうとしている女性の心情を穏やかに歌っているものだ。自分を「毛虫」になぞらえるのは珍しい。イモムシなら蝶の幼虫だからまだありだが、ケムシは蛾の幼虫だ。一般的な女性なら嫌うはずだ。だからこの歌の女性は一般的ではない。弱っている自分を卑下して「弱虫毛虫」と敢えて呼んでいるのだろう。しかし蝶と蛾は同じ鱗翅目だ。春になって美しい翅を広げて翔ぶまで、ゆっくり心を休めるがいい。

『切ないリプライ』(指原莉乃)。
最初は単調なつまらない曲だと思ったが、それがかえって指原の個性に似合っているのではないかと思うようになった。『それでも好きだよ』『意気地なしマスカレード』もそんな曲だった。『アボガドじゃねーし』や『波音のオルゴール』、そして何より『恋するフォーチュンクッキー』は、他のメンバーの声とのコラボで、指原自身の個性が引き立っていたのだと思う。
指原の声自体は決して個性的ではないし、声だけで聴かせる魅力はないと思う。渡辺や柏木と比べるのは酷だが、表現力を要する難しい曲は荷が重いのだと思う。それでも、一本調子だが張りのある声で押し通していけるような『悲しいリプライ』は、結構聴かせる。
歌詞は、指原の過去の交際相手のことを歌っているという解釈もできる「あざとい」歌詞だ。秋元康の遊び心だろう。

『友達でいられるなら』。(島崎遥香、横山由依)
ソロ曲ではないが、この2人のデュエット曲もよかった。2人それぞれのソロパートが交互に出て来て、2人の声、歌唱法が堪能できる。「ともだちでぇ いられるならぁ」と、語尾の空気が抜けたような島崎の歌唱は頼りなく、「大丈夫か?」とファンを不安にさせて絶品。「みんなで遊んだ日」の「ん」、「カラオケ」の「ケ」すらまともに発声できていない。比類なき個性だ。これに対し、横山の声、歌唱は普通で個性に乏しいが、分別くさい中音の伸びが彼女の真面目さを現わしていて好ましい。この同期生2人の組み合わせは、結構相性がいい。
歌詞は、普通の学生のラブソング。2人の境遇やAKBの物語などを背負っておらず、純粋に楽曲として楽しめる。疾走感あふれる曲調もいい。

『All of you』。(高橋みなみ)
眉間の皺が見えるような辛気臭い曲。ある意味、高橋の個性に似合っている。
いわゆる不倫関係の歌で、「出会ったのが遅すぎた」と総括している。あまり聴いて楽しい曲ではないが、高橋のファンにはこの胸が締め付けられるような感じがいいのかもしれない。

『赤いピンヒールとプロフェッサー』。(松井珠理奈)
荻野目洋子『ダンシング・ヒーロー』を下敷きにしたようなダンスナンバー。「Do you wanna hold me tight?」というキメ文句まで引用している。
これまでの色々なパフォーマンスを見た感想では、珠理奈は決して歌がうまくない。この歌も、生歌で、激しいダンスをしながら歌いきるのは至難の技だろう。しかしCDに収録されたこの歌唱は、編集されているとしても立派な歌唱だ。
歌詞は、教授を誘惑する生意気な小娘のキュートさを描き切ったもので、『Dear My Teacher』の大学生版と言えよう。今の珠理奈にぴったり合った曲だと思う。

『愛と悲しみの時差』。(山本彩)
相変わらずドスの効いたパワフルな声。山本のこれまでのソロ曲は、格好いいロック調の曲ばかりだったが、今回の曲は工藤静香の中島みゆき作品風の失恋歌だ。歌詞の世界に自然と誘われる。
別れて初めて失った愛の大切さに気づく、そして大きな悲しみを知るといった内容。強がっている中に、女性らしい脆さを覗かせる、ナイーブな表現力はピカイチだ。

『7回目の「レミゼ」』。(小嶋陽菜)
大人のラブソング。ねっとりした歌い方は小嶋独特のもの。
別れた恋人と観た映画「レ・ミゼラブル」のDVDを何回も借りて観てしまうという女心を歌っている。映画を見て泣くのを我慢していた彼のことが本当に好きだったのだろう。こういう女性が本当にいそうだな、いればいいなと男性に思わせる歌詞で、小嶋の歌唱が説得力を与えている。

『彼女』。(宮脇咲良)
人気上昇度ナンバーワンの宮脇の初ソロ曲。
厳し目に評価すれば、声の個性が未だ確立されていない。先輩達のように、歌い始めたらすぐに誰が歌っているのか判別できるという訳にはいかない。歌詞カードを見てはじめて、宮脇のソロだったのだと認識したくらいだ。
歌詞は、地元の親友との心の交流を描いた内容で、現在の宮脇の状況とシンクロするような内容だ。これはこれでいいが、今後どのような創作世界で他のメンバーにない持ち味を発揮できるのか、本人もそうだし、プロデューサー秋元康の手腕が試される。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「HKT48全国ツアー~全国統一... | トップ | 『友達でいられるなら』を再... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あさりん)
2015-02-15 18:39:16
指原さんの曲は悲しいリプライではなく切ないリプライです
返信する
Unknown (あさりん)
2015-02-15 19:39:27
すみません。指原さんの曲名が違うと先程投稿しましたが、高橋さんと小嶋さんのも違っていました。

高橋さんの曲名は All of you
小嶋さんの曲名は 7回目の「レミゼ」  です。
返信する
ご指摘ありがとうございました (ときめき研究家)
2015-02-15 21:25:58
タイトル間違いが3曲もあり、大変失礼しました。
早速訂正しました。
ありがとうございました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ときめき研究家」カテゴリの最新記事