指原莉乃 第7回AKB48選抜総選挙順位展望(総選挙分析ライター)
AKB48第7回選抜総選挙については先週の5月19日から投票が始まり20日に速報が発表された。速報結果は1位指原莉乃、2位柏木由紀、3位渡辺麻友というAKB48Gで実力のあるベテランメンバーがトップ3の上位を占めた。
第7回AKB48選抜総選挙速報結果分析 150520
いよいよ一週間後に投票が迫ってきたので現時点のトップ争いについて展望してみた。
今までの選挙序盤戦の動きは憂慮していた運営による特定候補に対する嫌がらせや過度な応援は見られないようだ。昨年運営は中森明夫を中心とした評論家による”指原退治”の大キャンペーンに加えて、現役・卒業メンバーによる渡辺麻友応援という手段を選ばぬ政治的な介入を行ったが、今年はそのような露骨な動きはない。せいぜい総選挙を辞退した小嶋陽菜が同期の高橋みなみを応援しているくらいだろう。
この静かな動きを見て「女王争い混沌」という報道をしているマスコミもあった。
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以前、このブログ記事で明らかにしたように第6回までの選抜総選挙においてはトップ争いが熾烈な場合は推し無ファンの票が大きく動いて速報2位からの逆転があった(第2、3、6回の大島、前田、渡辺)が、そうでないときは速報1位がそのまま逃げ切りトップとなっている(第1、4、5回の前田、大島、指原)。
第7回AKB48選抜総選挙の予想に代えて(”中華票”の意味) 150524
そうなると従来のパターンから言えば今年はトップの指原がそのまま逃げ切れそうなのだが果たしてそうなるだろうか。事はそう単純ではない。
それは前にも指摘したが大量の”中華票”が現在速報で3位につけている渡辺に入ると言われているからだ。
そのことが選挙予想を難しくしており、その状況を裏付けるように、AKB48G総合プロデューサーの秋元康氏も井上ヨシマサ氏に755で「総選挙曲、早く!今年は荒れそうなので、いつも以上に何パターンも用意しておかないと間に合わない。ゴルフと銀座をお休みして、曲を書いてください。」と連絡しているくらいだ。
今までは速報の1位、ないし2位のメンバーがトップをとっていたから総選挙曲は2パターンあれば十分だったが、今年は大量の”中華票”を持つ3位の渡辺が大本命となっているので3パターンが必要となり秋元氏はこのようなメールを井上氏に送ることになったのではないか。
昨年渡辺は前述した運営からの強力なバックアップと中国大陸からの大量の”中華票”によって速報2位から指原をまくり上げてトップの座を射止めたがこの時速報後に獲得した134,571票は速報後の票数で過去最大である。それまでは第3回総選挙のときに前田と大島が熾烈なトップ争いを演じて前田が速報後に獲得した123,440票が最大だったが、これを11,131票上回った。この膨大な票の原動力が中国大陸からの”中華票”である。
昨年、渡辺は約35,000票の中華票があったと報道されている。今年は円安もあって、選挙前から渡辺には昨年をはるかに上回る”中華票”が入ると言われている。速報では時間的な制約で”中華票”が入る余地が少なかったが速報後に大量の”中華票”が入っているだろうから渡辺が圧倒的に有利な状況だ。
それが選挙の予想を難しくしている最大の要因である。
さて、筆者は今年の総選挙は以下の論点をめぐって戦われていると考えている。
昨年の総選挙で2位となった指原は月刊AKB48G新聞から14年度MVPを受賞した事に象徴されるように年間を通したHKT48国内外コンサートで中心的な活動を果たしたことが高く評価されたことに加えて、大島優子卒業後のAKB48G全体のかじ取り役を担い、自身が出演するTV・CM、著書「逆転力」によりAKB48Gの絶え間ない情報発信を行った。今年に入ってからは明治座での「HKT48指原莉乃座長公演」の大成功により自身とHKT48のプレゼンスアップを果たしていてその活動も高く評価された。HKT48メンバーからも頼りになる先輩・リーダーとして絶大な信頼を得ている。AKB48Gの多数のメンバーからも「20年後の芸能界で生き残ってそうなメンバーランキング」で断トツのトップの評価を受けている。日経エンタメのタレントパワーランキングでは女性アイドル部門で前年5位からランクを上げて2位の順位となっている。AKB48G総監督の高橋みなみが卒業した後、実質的にAKB48Gを仕切る能力があるのは指原だろう。したがって今回の総選挙は指原にとってAKB48Gで一番実力あるメンバーに対する信任投票という意味を持っている。
指原莉乃 AKB新聞2014MVP受賞 感想 141226
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”20年後の芸能界で生き残ってそうなAKB”48Gメンバーについて 150319
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一方、速報2位の柏木は一昨年の文春スキャンダル報道によるダメージも消えて、持ち前の歌唱力、穏やかな性格と魅力的なボディー、達人的なオーバーアクションを武器にファンの支持を広げてきた。今年の春曲「Green Flash」では小嶋陽菜とともに初のセンターを経験した。NMB48の兼任解除に代わってNGT48との兼任が発表されるなど人気メンバーとして新設のNGT48のPRを期待されているのだろう。今回初めて1位を狙うと公言したのは年齢的にも今年が最後のチャンスという自覚があり昨年の渡辺と同様に「総選挙1位」が目標のようだ。つまりAKB48にいた証(あかし)、思い出作りとして総選挙に臨んでいる。そうすると柏木への投票はこれまでのAKB48での功労賞という色彩がある。(高橋みなみは柏木よりさらにこの「功労賞」的色彩が強い)
(注)なお、柏木に対するAKBGメンバーの評価はまあまあ高く「20年後の芸能界で生き残ってそうなメンバーランキング」は8位だった。また、日経エンタメのタレントパワーランキング女性アイドル部門では前年6位から4位にランクアップしている。
他方、渡辺は昨年トップ獲得後、総選挙曲「心のプラカード」が不発、秋には渡辺が写っている自身のものとされるインスタグラムが流出して他メンバーを誹謗中傷していたことが発覚してアイドルイメージを下げた。さらに指原や以前の前田、大島と比較してAKB48の情報発信が少ない、後輩の面倒見が悪いとの批判を受けた。最近になって将来は”女優”を目指すと宣言して「戦う!書店ガール」で満を持して主役を演じたがゴールデンタイムのドラマとしては記録的な低視聴率となって途中で打ち切りが決まるなど一般視聴者の関心は低く渡辺は歴代トップの中で最も存在感が薄くなってしまった。AKB48Gメンバーによる「20年後の芸能界で生き残ってそうなメンバーランキング」でもトップ10に入らずメンバーの評価は高くない。日経エンタメのタレントパワーランキング女性アイドル部門でも前年3位から5位にランクダウンしている。また、今年の総選挙予想で渡辺トップを予想する業界紙を見たことはなく、昨年にトップを獲得してからの渡辺の活動を評価する人は稀だ。卒業した篠田麻里子が「席を譲らないと上に上がれないメンバーはAKB48では勝てない」と言ったとおり、席を譲ってもらってトップとなった渡辺は「勝てない」実績を残してしまった。日本国内におけるこの一年の渡辺の評価は逆風(ひどいもの)しかないが、そのような日本国内の事情を知らない中国大陸のファンから今年も盲目的で熱い応援がある。おそらく日本国内ではこの渡辺の活動に嫌気(いやけ)をさして昨年に比べて相当多くの票が渡辺から流出すると思うが、それを補う中国票によって全体として渡辺の票は昨年より増えているかもしれない。渡辺は日本では不信任、中国では絶大な応援という日中での評価が非常に大きく異なるギャップの中にいる。
第7回AKB48選抜総選挙速報結果と各誌の事前予想 150527
以上のようにトップを狙う3人の1年の活動や評価を見てみると総選挙の結果は速報の順番どおり指原>柏木>渡辺となりそうだ が、第2回選抜総選挙でトップをとった大島優子が「私たちにとって票数というのはみなさんの愛です」と象徴的に言ったことが現実となっている。
今まさに起こっていることは指原莉乃の活動を評価するファンの愛が勝つか、渡辺麻友の活動の評価は別として渡辺麻友を愛するファンの愛が勝つかどうかの戦いとなっている。ただし、票の動向が見えないので結果は全くわからない。
もし仮に指原が敗けて渡辺が勝つようなことになったらAKB48Gの選抜トップにリーダーシップとかPR、後輩の面倒見等々の社会的活動を求めて評価することは無意味となるだろう。盲目的な愛の前には何を言っても無駄だからだ。
以上
<指原センターの「恋チュン」は今もカラオケで幅広く歌われている>
指原莉乃「恋チュン」2014年カラオケランキング2位 141203
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第7回AKB48選抜総選挙速報結果分析 150520
いよいよ一週間後に投票が迫ってきたので現時点のトップ争いについて展望してみた。
今までの選挙序盤戦の動きは憂慮していた運営による特定候補に対する嫌がらせや過度な応援は見られないようだ。昨年運営は中森明夫を中心とした評論家による”指原退治”の大キャンペーンに加えて、現役・卒業メンバーによる渡辺麻友応援という手段を選ばぬ政治的な介入を行ったが、今年はそのような露骨な動きはない。せいぜい総選挙を辞退した小嶋陽菜が同期の高橋みなみを応援しているくらいだろう。
この静かな動きを見て「女王争い混沌」という報道をしているマスコミもあった。
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以前、このブログ記事で明らかにしたように第6回までの選抜総選挙においてはトップ争いが熾烈な場合は推し無ファンの票が大きく動いて速報2位からの逆転があった(第2、3、6回の大島、前田、渡辺)が、そうでないときは速報1位がそのまま逃げ切りトップとなっている(第1、4、5回の前田、大島、指原)。
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そうなると従来のパターンから言えば今年はトップの指原がそのまま逃げ切れそうなのだが果たしてそうなるだろうか。事はそう単純ではない。
それは前にも指摘したが大量の”中華票”が現在速報で3位につけている渡辺に入ると言われているからだ。
そのことが選挙予想を難しくしており、その状況を裏付けるように、AKB48G総合プロデューサーの秋元康氏も井上ヨシマサ氏に755で「総選挙曲、早く!今年は荒れそうなので、いつも以上に何パターンも用意しておかないと間に合わない。ゴルフと銀座をお休みして、曲を書いてください。」と連絡しているくらいだ。
今までは速報の1位、ないし2位のメンバーがトップをとっていたから総選挙曲は2パターンあれば十分だったが、今年は大量の”中華票”を持つ3位の渡辺が大本命となっているので3パターンが必要となり秋元氏はこのようなメールを井上氏に送ることになったのではないか。
昨年渡辺は前述した運営からの強力なバックアップと中国大陸からの大量の”中華票”によって速報2位から指原をまくり上げてトップの座を射止めたがこの時速報後に獲得した134,571票は速報後の票数で過去最大である。それまでは第3回総選挙のときに前田と大島が熾烈なトップ争いを演じて前田が速報後に獲得した123,440票が最大だったが、これを11,131票上回った。この膨大な票の原動力が中国大陸からの”中華票”である。
昨年、渡辺は約35,000票の中華票があったと報道されている。今年は円安もあって、選挙前から渡辺には昨年をはるかに上回る”中華票”が入ると言われている。速報では時間的な制約で”中華票”が入る余地が少なかったが速報後に大量の”中華票”が入っているだろうから渡辺が圧倒的に有利な状況だ。
それが選挙の予想を難しくしている最大の要因である。
さて、筆者は今年の総選挙は以下の論点をめぐって戦われていると考えている。
昨年の総選挙で2位となった指原は月刊AKB48G新聞から14年度MVPを受賞した事に象徴されるように年間を通したHKT48国内外コンサートで中心的な活動を果たしたことが高く評価されたことに加えて、大島優子卒業後のAKB48G全体のかじ取り役を担い、自身が出演するTV・CM、著書「逆転力」によりAKB48Gの絶え間ない情報発信を行った。今年に入ってからは明治座での「HKT48指原莉乃座長公演」の大成功により自身とHKT48のプレゼンスアップを果たしていてその活動も高く評価された。HKT48メンバーからも頼りになる先輩・リーダーとして絶大な信頼を得ている。AKB48Gの多数のメンバーからも「20年後の芸能界で生き残ってそうなメンバーランキング」で断トツのトップの評価を受けている。日経エンタメのタレントパワーランキングでは女性アイドル部門で前年5位からランクを上げて2位の順位となっている。AKB48G総監督の高橋みなみが卒業した後、実質的にAKB48Gを仕切る能力があるのは指原だろう。したがって今回の総選挙は指原にとってAKB48Gで一番実力あるメンバーに対する信任投票という意味を持っている。
指原莉乃 AKB新聞2014MVP受賞 感想 141226
HKT48指原がみせた「明治座公演」での革命
指原莉乃は『恐い先輩』か? 150207
”20年後の芸能界で生き残ってそうなAKB”48Gメンバーについて 150319
指原莉乃を含むAKB48Gメンバー タレント力の評価1 150503
一方、速報2位の柏木は一昨年の文春スキャンダル報道によるダメージも消えて、持ち前の歌唱力、穏やかな性格と魅力的なボディー、達人的なオーバーアクションを武器にファンの支持を広げてきた。今年の春曲「Green Flash」では小嶋陽菜とともに初のセンターを経験した。NMB48の兼任解除に代わってNGT48との兼任が発表されるなど人気メンバーとして新設のNGT48のPRを期待されているのだろう。今回初めて1位を狙うと公言したのは年齢的にも今年が最後のチャンスという自覚があり昨年の渡辺と同様に「総選挙1位」が目標のようだ。つまりAKB48にいた証(あかし)、思い出作りとして総選挙に臨んでいる。そうすると柏木への投票はこれまでのAKB48での功労賞という色彩がある。(高橋みなみは柏木よりさらにこの「功労賞」的色彩が強い)
(注)なお、柏木に対するAKBGメンバーの評価はまあまあ高く「20年後の芸能界で生き残ってそうなメンバーランキング」は8位だった。また、日経エンタメのタレントパワーランキング女性アイドル部門では前年6位から4位にランクアップしている。
他方、渡辺は昨年トップ獲得後、総選挙曲「心のプラカード」が不発、秋には渡辺が写っている自身のものとされるインスタグラムが流出して他メンバーを誹謗中傷していたことが発覚してアイドルイメージを下げた。さらに指原や以前の前田、大島と比較してAKB48の情報発信が少ない、後輩の面倒見が悪いとの批判を受けた。最近になって将来は”女優”を目指すと宣言して「戦う!書店ガール」で満を持して主役を演じたがゴールデンタイムのドラマとしては記録的な低視聴率となって途中で打ち切りが決まるなど一般視聴者の関心は低く渡辺は歴代トップの中で最も存在感が薄くなってしまった。AKB48Gメンバーによる「20年後の芸能界で生き残ってそうなメンバーランキング」でもトップ10に入らずメンバーの評価は高くない。日経エンタメのタレントパワーランキング女性アイドル部門でも前年3位から5位にランクダウンしている。また、今年の総選挙予想で渡辺トップを予想する業界紙を見たことはなく、昨年にトップを獲得してからの渡辺の活動を評価する人は稀だ。卒業した篠田麻里子が「席を譲らないと上に上がれないメンバーはAKB48では勝てない」と言ったとおり、席を譲ってもらってトップとなった渡辺は「勝てない」実績を残してしまった。日本国内におけるこの一年の渡辺の評価は逆風(ひどいもの)しかないが、そのような日本国内の事情を知らない中国大陸のファンから今年も盲目的で熱い応援がある。おそらく日本国内ではこの渡辺の活動に嫌気(いやけ)をさして昨年に比べて相当多くの票が渡辺から流出すると思うが、それを補う中国票によって全体として渡辺の票は昨年より増えているかもしれない。渡辺は日本では不信任、中国では絶大な応援という日中での評価が非常に大きく異なるギャップの中にいる。
第7回AKB48選抜総選挙速報結果と各誌の事前予想 150527
以上のようにトップを狙う3人の1年の活動や評価を見てみると総選挙の結果は速報の順番どおり指原>柏木>渡辺となりそうだ が、第2回選抜総選挙でトップをとった大島優子が「私たちにとって票数というのはみなさんの愛です」と象徴的に言ったことが現実となっている。
今まさに起こっていることは指原莉乃の活動を評価するファンの愛が勝つか、渡辺麻友の活動の評価は別として渡辺麻友を愛するファンの愛が勝つかどうかの戦いとなっている。ただし、票の動向が見えないので結果は全くわからない。
もし仮に指原が敗けて渡辺が勝つようなことになったらAKB48Gの選抜トップにリーダーシップとかPR、後輩の面倒見等々の社会的活動を求めて評価することは無意味となるだろう。盲目的な愛の前には何を言っても無駄だからだ。
以上
<指原センターの「恋チュン」は今もカラオケで幅広く歌われている>
指原莉乃「恋チュン」2014年カラオケランキング2位 141203
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