AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

指原莉乃のソロ曲を完全網羅。(ときめき研究家)

2015-11-17 21:00:00 | ときめき研究家
総選挙分析ライターさんの「指原莉乃『切ないリプライ』(総選挙分析ライター)」という記事に、「『切ないリプライ』は、『それでも好きだよ』『初恋ヒルズ』に続く3曲目のソロ曲」という表現があった。2ndシングル『意気地なしマスカレード』のことを失念しているのだろうか。指原のことをあれほど好きでウォッチしている総選挙分析ライターさんが、まさかそんなことがあるだろうかと疑問に思った。

仮説その1。『意気地なしマスカレード』は「指原莉乃withアンリレ」名義で発売され、テレビでは歌っている指原よりもアンリレばかり映していたことから、総選挙分析ライターさんはそれを不満に思うという主旨の記事を書いていた。その不満が今も残っていて、敢えて指原ソロ曲として承認していないのだろうか。
「「石ころ入りの缶詰」を売るようなavex (総選挙分析ライター)」

仮説その2。「指原莉乃『切ないリプライ』(総選挙分析ライター)」という記事には、私の以前の記事を引用していただいた。総選挙分析ライターさんは、私の記事を引用することで、指原の他の曲についても聴いて論じてほしいという要求をしているのだろう。敢えて『意気地なしマスカレード』のことを失念したふりをしているのは、私を試す「誘い水」だろう。

そういう「誘い水」にはすぐ乗ってしまう。これまでに出た指原莉乃ソロ曲を、全て配信で購入して聴き込んだ。以下、レビューする。

『それでも好きだよ』。(1stシングル)
いわゆる自己紹介ソング。「胸は残念、フェロモンなんか全くない」彼女を「それでも好きだよ」と言ってくれる人だって沢山いると歌っている。それは現実となり、選抜総選挙で2回目の1位を獲得するなど、現在では圧倒的な人気を誇っている。曲調も軽快。指原の歌唱や途中のセリフもノリノリだ。彼女のためだけに書かれた、世界でたった1つのソロデビュー曲は、やはり彼女のイメージにぴったりだ。
しかし、この曲は、春風亭小朝セレクト『イブはアダムの肋骨』公演のセットリストにも入っていた。誰が歌ったのかは知らないが、指原以外の人が歌ってもおかしくない普遍性も備えている曲だと再認識した。

『初恋ヒルズ』。(1stシングルカップリング)
タイトルからは「六本木ヒルズ」のような高級住宅地のことを想像していたが、全然違った。これまでAKBグループの楽曲にもしばしば見られたような、気持ちいいくらいストレートな王道アイドルソングだ。
特有の自転車を全力で漕いで坂を登っている描写は『会いたかった』を踏襲している。「汗」「シャツ」「風」「木」など小道具まで揃えている。その坂を登りながら好きな人の名前を叫べば想いが叶うというのは『アッカンベー橋』に続く都市伝説シリーズだ。
「青春はいつだって坂道だらけ」というフレーズは、岡田奈々(70年代アイドルの方)の名曲『青春の坂道』へのリスペクトだろう。
曲調も素直で、正に普遍的なアイドルソングだ。指原の素直な歌唱もいい。力の入ったカップリング曲だ。

『恋愛総選挙』。(1stシングルカップリング)
アルバム『1830m』では指原を含む7人で歌っていたが、ここではソロ曲として収録している。同一タイトルCD複数タイプ発売のためのカップリング曲の水増しだが、出来は悪くない。女子たちのワイワイガヤガヤした楽しい雰囲気は失われているが、弱気な男子をとっちめる勝気な女子リーダーの雰囲気が出ている。こういう学園ものを、照れなく、なり切って歌えるのは、指原のアイドルとしてのプロ意識の高さだろう。

『愛しきナターシャ』。(1stシングルカップリング)
これもカップリング曲の水増しだ。チームB4th公演曲で、指原と、片山陽加、田名部未来、3人のユニットで、暑そうな毛皮の衣装を着込んで歌っていた。長い間、リクエストアワーで指原ファンが投票する曲はこの曲しかなかったため、上位にランクインしていた。曲自体として、リアリティが感じられず、そんなに魅力的とは思わない。
そして指原がソロで歌っても、3人で歌っていた元曲とイメージがほとんど変わらないのは、元々ユニットセンターである指原の色が強いパフォーマンスだったからだろう。

『Yeahめっちゃホリデイ』。(1stシングルカップリング)
言わずと知れた松浦亜弥の大ヒット曲のカバー。自身がアイドルおたくだった指原の選曲だと思われ、本当に楽しそうに歌っている。名曲をこうして歌い継いでいくことは意味がある。後にHKT48のコンサートで、過去のアイドルの名曲をセットリストに組み入れたアイデアも、ここに原点があるのだろう。
しかし、元曲の印象が強烈で、多くの人の耳に焼きついている曲ほど、カバーするのは難しいものだ。しかも、伴奏を撮り直したりもせず、カラオケを使用している。そんな中、指原は器用に歌いこなしてはいるが、酷なようだが、カラオケ大会の域を出ていない。松浦亜弥の歌唱に影響されていて、お手本をなぞったような歌唱だ。
アイドルらしい歌唱は魅力的だし、よく研究しているとは思うが、声に特徴がないこともあって、「指原莉乃のめっちゃホリデイ」にはできていないと、私は感じる。

『意気地なしマスカレード』。(2ndシングル)
ドラマティックな曲だ。少年隊の『仮面舞踏会』や、Kinki Kidsの『硝子の少年』に雰囲気が似ている。
雨が降る夜の街で、一度は別れを告げた恋人を追いかける歌。彼女を愛している気持ちを仮面の下に隠していることを「マスカレード(仮面舞踏会)」になぞらえて悲劇的に歌う。そうしなければならない理由は具体的に示されていないが、単に意気地なしだからという解釈でいいのだろうか。。
映画『ミューズの鏡』のラストシーンで突然歌われた時は驚いたが、仮面つながりだったのだと今回はじめて認識した。
今回改めて集中して聴いたが、こういう作り物めいた楽曲には指原の歌唱はよく似合う。格好つけてスカした歌い方だ。最後に「マスカレード」と叫ぶ所は、普通に歌うか、あるいは無言でもよかった。

『意気地なしマスカレード(博多弁バージョン:兒玉遥訳詞)』。(2ndシングルカップリング)
これこそカップリング曲の水増しだ。『君のことが好きやけん』が好評なこともあっての試みだと推察する。大分出身の指原だけあって、博多弁もネイティブみたいなもので自然に歌いこなしている。一聴の価値はあるが、深刻ぶった曲の雰囲気はどこかへ行ってしまった。何回も聴くものではないと思う。
因みに私も九州北部の出身なので、博多弁には馴染みがある。こういう曲を聴くと、親しみやすいというより、何だかこそばゆい感じがして落ち着かない。大阪弁の歌は昔から沢山あるが、大阪出身の人はそういう感じはしないのだろうか。

『ソフトクリーム・キス』。(2ndシングルカップリング)
ソフトクリームを食べながらキスをするという歌。『口移しのチョコレート』、『大人ジェリービーンズ』に続く、「異物混入キス」シリーズだ。良識的な大人から見たらはしたない行為だが、想像するとエロティックな気分になる。冷たいソフトクリームとキスの生温かさの温度差が新鮮だし、「クロールみたいな息継ぎ」とはどれだけディープなキスなのか、想像するとドキドキする。
曲調は70年代を思わせるような素朴なメロディーだ。Aメロの繰り返し時には定跡どおりにハモリが入る。詞の設定からも、キャンディーズの『年下の男の子』とか松本ちえこの『恋人試験』のようなレトロ感が漂う。
指原ファンは年長者が多いというのが定評だが、この歌の恋人は3歳年下という設定で「弟でいて」と上から目線だ。年下のファンを開拓しようという意図があるのかもしれない。

『遠い街へ』。(2ndシングルカップリング)
指原自身が作詞した曲である。地方から上京した指原本人を想起させる少女が、まだ慣れない都会生活と地元の友達への思いなどを歌っている。松浦亜弥の『ドッキドキLOVEメール』を思い出す。その歌では、少しずつ都会の生活に慣れて来て浮き立つような気持ちを歌っていた。松浦は「地下鉄もコツをつかんだ」と歌っていたが、『遠い街へ』では「地下鉄に慣れない」と歌っている。上京当時の指原自身の体験が原型になっていると思われ、生身派の指原ファンは聴き逃せない曲だろう。
そして最近宮脇咲良が歌った『彼女』もまた地元の親友への思いを歌った曲だ。秋元康が、指原の詞を踏まえて作った詞とも考えられる。どの歌も、地方出身者には思い当ることのあるエピソードが綴られていて親近感が湧く。指原の歌唱も、この歌は珍しく少し寂しそうに、しっとりしている。

『ifの妄想』。(2ndシングルカップリング)
この曲の作詞も指原自身。タイトルどおり、好きな男子と両思いになることを妄想している歌だ。女子高生の脈絡のない思いを散文的に書き留めたような歌詞で、いかにも素人っぽい。それが狙いなのか、本当に未熟なのかは判断に迷う。「一挙一動」という言葉が歌詞としては珍しくて耳に残る。
曲調も散漫で、歌詞同様だらだらと続いていて、あまり印象に残らなかった。
歌唱は完全にぶりっ子で、これはこれで楽しそうでいい。「気づいてる?」と語尾を上げるところなど、古典的な技術を披露している。

『MajiにKoiする5秒前』。(2ndシングルカップリング)
これまたアイドル史に残る広末涼子の名曲を、果敢にカバーしている。「タンタンタン、タンタタタン」という弾むリズム、スキップしているように浮き浮きするメロディー、1日のデートを「・・・の5秒前」というフレーズを随所に入れながらテンポよく描いていく歌詞、ピアノや弦楽器も使ったカラフルなサウンド、そして十代の広末の輝きが画面中に溢れているミュージックビデオ、全てが完璧な楽曲だ。
川島海荷もカバーしていたが、元曲が素晴らしいだけに『Yeahめっちゃホリデイ』同様にカバーは難しいと思う。広末の歌い方に影響を受けていて、「指原莉乃のMK5」にはなっていないと言わざるをえない。
しかし、名曲を歌い継ぐことにはそれだけで意味があり、指原のチャレンジは評価したい。

『切ないリプライ』。(AKB48アルバム『ここがロドスだ、ここで跳べ』収録)
「スキャンダルに怯える」「サングラスのデート」という歌詞は、人目を避ける芸能人の恋愛のことだろう。つまり、トップアイドルになった指原のツイッターを読みながら、リプライしたくてもできない過去の交際相手の男の心情を歌ったものだと解釈した。スキャンダルすらネタにしてしまう指原のしたたかさ、それを面白がる秋元康の遊び心。
電子的なアレンジと一本調子な歌唱は、ネタらしく、変に湿っぽくならないようにしているのだろう。

CD化されているソロ曲は以上だと思う。
その他にも指原のソロ歌唱がたっぷり味わえる曲としては、以下の曲もある。

『波音のオルゴール』。(HKT48『メロンジュース』カップリング)。
元々は指原のソロ曲として収録された上に、兒玉、宮脇、田島、朝長の歌唱を重ねたもののようだ。ソロパートは指原のみ。海辺で過ぎた夏の恋を思い出すという定番テーマの曲。この曲での指原の歌唱が一番アイドルらしいのではないかと思う。私のお気に入りの1曲だ。

『アボガドじゃねーし』。(AKB48アルバム『1830m』収録)
渡辺麻友とのデュエット曲。可愛らしいフルーツに紛れている不格好なアボカドは指原を象徴している。小林よしのり氏は「まゆゆの可愛さのオーラを浴びて指原まで可愛く見えて来る曲」と評した。まさにそのような感じ。楽しくて仕方がないといった2人の歌唱が眩しい。この曲もお気に入り。

『シェキナベイビー』。(シングル)
内田裕也とのデュエット曲。テレビの歌番組でも、祖父と孫娘ほどの歳の差を感じさせない親しげなパフォーマンスだった。ロックンロール調の曲の歌唱も、無難にこなしている。
このCDのカップリング曲に指原のソロ曲があるかと思ったが、内田のソロ曲だった。

指原の声自体は、あまり特徴的ではなく、それだけで魅力的とは言えないと思う。渡辺麻友や柏木由紀や山本彩や高橋みなみとはそこが違う。普通に歌うだけでは、指原が歌っていると気付かない人も多いだろう。
しかし、アイドル唱法と言うべき可愛らしい歌い方に習熟しており、それを駆使している。それは彼女の長年の研究の成果だろう。例えるなら「自撮り」のテクニックのようなものだ。わざとらしく媚びるのではなく、自然な可愛らしさが滲み出る歌い方。語尾のちょっとした切り方、息の継ぎ方など、隅々まで気を配って歌っている。

今回、総選挙分析ライターさんの「誘い水」に乗せられて、指原の歌声ばかり何日も聴いていた。いい曲も多く、結構楽しめた。今まで聴き逃していた曲をこうして楽しめたのは、人生の収穫だった。総選挙分析ライターさんと、音楽配信サービスに感謝。
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4 コメント

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Unknown (春風まぁさ)
2015-11-18 14:10:52


なるほどです!
返信する
確認が必要だが、 (chaka)
2015-11-18 21:15:42
遠い街へは、自分のことではなく、大家さんのことを思い作詞されたと思います。
返信する
申し訳ありませんが (H)
2015-11-26 23:27:54
総選挙分析ライターさんのところにはコメントできないので、こちらにコメントさせていただきますので、総選挙分析ライターさんにお伝えください。
*************
「意気地なしマスカレード」の前段階での記述で前田敦子卒業で渡辺と指原が急にプッシュされ始めまたけれど、大島も時をおかずに卒業が見えていたので、渡辺=前田、指原=大島という図式を秋元は考えていた。
しかし、ライバルは蹴落とすというのが世の常であるように指原は文春に刺され、博多移籍でどうにか踏みとどまった。
あるいは指原≠前田と引導を渡すための文春だったのかもしれない。
当時3年も前の話であれだけ大事になるのもおかしな話で、作為的な匂いもする。
結局、大島が最後まで前田を支えたように指原も最後まで渡辺を支えろと銘記させるための「意気地なしマスカレード」だったと思う。
ただ、渡辺にはやや胆力が足りないのか、去年から精彩を欠いているように見えるが、それでも健気に支えてる指原は総合的に頭抜けているのだろう。
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遠い街へ (K)
2017-12-12 01:01:07
もうだいぶ前の記事のようですが、たまたま検索してたら引っかかったのでコメントを残します。「遠い街へ」は上のコメントにもあるように大家さんがモチーフの曲です。発売当時のイベント(指原ボンバエ:福岡会場)にてそのような発言をされています。
行った方のブログ記事https://ameblo.jp/46492981/entry-11397107049.html
そのイベのときの2chスレまとめhttp://www.akb48mt.com/archives/19819149.html

もちろん自分の経験も多少なりとも入っていると思いますけどね。

そのイベのときの2chスレhttp://www.akb48mt.com/archives/19819149.html
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