総選挙分析ライターさんの記事(その1、その2、その3、その4、その5)にあるとおり、4月11日昼の部を鑑賞した。
総選挙分析ライターさんは「書斎派」を自称されているが、私もほとんど「現場」には行かない。また、総選挙分析ライターさんのように労力をかけたブログ記事を書くこともなく、毎日の通勤時間に携帯音楽プレーヤーで鑑賞するだけの無精な自称「研究家」だ。
そんな私だが、今回の明治座公演は、どうしても観ておきたいという気持ちが抑えられず、足を運んだ。
HKT48は、2年前の4月には武道館での初コンサート、去年の4月には埼玉スーパーアリーナでのコンサートを観た。ちょうど1年ごとに違う趣向のライブを観て、彼女達の成長を実感した。
第1部の演劇は、いわゆる大衆演劇の様式に則ったものだった。
実は大衆演劇の定義が分からないのだが、一般の演劇と比べて、リアリティあるストーリーやテーマよりも、場面場面での役者の演技や演出の趣向を楽しむものと思われる。それは「アイドル映画」の楽しみ方(ストーリーよりもアイドルの輝きを重視)と似ている。だとすれば、アイドルの興行としては親和性がありそうだ。
他愛のないストーリーに、笑いと歌を交え、歌舞伎の「見え」も組み入れ、殺陣もあり、馬も登場し、最後はフライングも。非常に盛りだくさんで、飽きさせないような工夫が凝らされていた。各メンバーは忙しい中、相当稽古を積んだことも見て取れた。
しかし、「アイドル映画」にもストーリーやテーマを求めてしまう私としては、ちょっと辛い部分もあった。最後の大立回りの結果、誰も命を落とさなかったのが不自然。太閤がどうして急に心変わりしたのか、狸たちの義理人情に感銘し、少女歌舞伎団の故郷の困窮ぶりを察したことになっているが、そのきっかけが分からない。そんなことは気にしなければいいのだが、気になるものは仕方がない。これは私の個人的な問題で、演劇の出来とは関係がない。
第2部の歌謡ショウは、これは理屈抜きに楽しめた。
まず1曲目、司会者の「歌謡史に残る昭和の名曲」という紹介を受けて幕が開き、指原の堂々とした『川の流れのように』。これには参った。確かに座長公演の座長が歌うのに相応しく、明治座という歴史ある場所にもぴったり合った曲だ。美空ひばりが自らの人生と重ね合わせて歌った絶唱。しかも秋元康の代表曲。彼の承諾を得ていることは間違いない。むしろ彼が選曲したのかもしれない。そういう曲を、得意顔でぬけぬけと歌ってしまう所が指原の真骨頂だ。天晴れだ。
指原を嫌いな人はこういう所が嫌いなのだろう。謙虚でないし、調子に乗っている感じがする。逆に指原ファンにとっては、それがたまらない魅力なのだ。両者は絶対に相容れない。
和風アレンジの『フライングゲット』は新鮮。
『Baby Baby Baby』は多田がセンター。この曲を当時リアルタイムで歌っていたのは多田だけだ。
『制服が邪魔をする』では、着物風のガウンを脱ぐと、紺色の制服姿でドキドキする。靴下も紺色だった。
ミニスカートに赤いハイヒールを履いた脚にだけスポットライトを当てた演出がなまめかしい『今夜こそエクスタシー』。
座長指原とエース宮脇のデュエットで『君の名は希望』。
AKBグループの既知の曲も、新しい演出を加えることによって新鮮な驚きをもたらした。
ここから後は明治座の「特別な許可」を得て、スタンディング鑑賞が許され、全員立ち上がる。ずっと座っていたかったが、まあ最後くらいは仕方がない。
『風は吹いている』『スキ、スキ、スキップ』『会いたかった』『桜、みんなで食べた』。朝長美桜のステップを中心に見ていたが、以前よりもリズム感が良くなったような気がした。棒立ちのまま手足をバタバタ動かしているのではなく、体全体がスゥイングしていた。それはそれで少し寂しい。それでも、何の打算もないような素人っぽい笑顔は変わっていなかった。
『あなたがいてくれたから』で本編終了。
アンコールは定番の『ロックだよ、人生は』。そして共演者全員(馬を含む)が登場して『恋するフォーチュンクッキー』。最後に『メロンジュース』。
全14曲で、十分聴きごたえ、見ごたえがあった。もちろん全て生歌。音を外すところも多々あったが、それがまた臨場感があってよかった。あれだけ狭い劇場で口パクなどしたら不自然さが際立つし、何より明治座に失礼だろう。
最後に明治座という会場について。
歴史のある大衆演劇専用劇場ということで、観劇の楽しさを感じさせてくれる様々な工夫があった。
傾斜のついた客席で、3階席でも舞台を間近に見ることができる。席も上質でゆったりしている。各階のロビーに食堂や売店が沢山あって、開演前や幕間に楽しむことができる。
こうした劇場で半月も公演をできることは、芸能人として嬉しいことだろう。座長である指原はもちろんだが、選ばれた16人のメンバー全員にとって、芸能活動の中でも最も輝かしい業績となるのではないか。
それを目撃できたことは良かった。
総選挙分析ライターさんは「書斎派」を自称されているが、私もほとんど「現場」には行かない。また、総選挙分析ライターさんのように労力をかけたブログ記事を書くこともなく、毎日の通勤時間に携帯音楽プレーヤーで鑑賞するだけの無精な自称「研究家」だ。
そんな私だが、今回の明治座公演は、どうしても観ておきたいという気持ちが抑えられず、足を運んだ。
HKT48は、2年前の4月には武道館での初コンサート、去年の4月には埼玉スーパーアリーナでのコンサートを観た。ちょうど1年ごとに違う趣向のライブを観て、彼女達の成長を実感した。
第1部の演劇は、いわゆる大衆演劇の様式に則ったものだった。
実は大衆演劇の定義が分からないのだが、一般の演劇と比べて、リアリティあるストーリーやテーマよりも、場面場面での役者の演技や演出の趣向を楽しむものと思われる。それは「アイドル映画」の楽しみ方(ストーリーよりもアイドルの輝きを重視)と似ている。だとすれば、アイドルの興行としては親和性がありそうだ。
他愛のないストーリーに、笑いと歌を交え、歌舞伎の「見え」も組み入れ、殺陣もあり、馬も登場し、最後はフライングも。非常に盛りだくさんで、飽きさせないような工夫が凝らされていた。各メンバーは忙しい中、相当稽古を積んだことも見て取れた。
しかし、「アイドル映画」にもストーリーやテーマを求めてしまう私としては、ちょっと辛い部分もあった。最後の大立回りの結果、誰も命を落とさなかったのが不自然。太閤がどうして急に心変わりしたのか、狸たちの義理人情に感銘し、少女歌舞伎団の故郷の困窮ぶりを察したことになっているが、そのきっかけが分からない。そんなことは気にしなければいいのだが、気になるものは仕方がない。これは私の個人的な問題で、演劇の出来とは関係がない。
第2部の歌謡ショウは、これは理屈抜きに楽しめた。
まず1曲目、司会者の「歌謡史に残る昭和の名曲」という紹介を受けて幕が開き、指原の堂々とした『川の流れのように』。これには参った。確かに座長公演の座長が歌うのに相応しく、明治座という歴史ある場所にもぴったり合った曲だ。美空ひばりが自らの人生と重ね合わせて歌った絶唱。しかも秋元康の代表曲。彼の承諾を得ていることは間違いない。むしろ彼が選曲したのかもしれない。そういう曲を、得意顔でぬけぬけと歌ってしまう所が指原の真骨頂だ。天晴れだ。
指原を嫌いな人はこういう所が嫌いなのだろう。謙虚でないし、調子に乗っている感じがする。逆に指原ファンにとっては、それがたまらない魅力なのだ。両者は絶対に相容れない。
和風アレンジの『フライングゲット』は新鮮。
『Baby Baby Baby』は多田がセンター。この曲を当時リアルタイムで歌っていたのは多田だけだ。
『制服が邪魔をする』では、着物風のガウンを脱ぐと、紺色の制服姿でドキドキする。靴下も紺色だった。
ミニスカートに赤いハイヒールを履いた脚にだけスポットライトを当てた演出がなまめかしい『今夜こそエクスタシー』。
座長指原とエース宮脇のデュエットで『君の名は希望』。
AKBグループの既知の曲も、新しい演出を加えることによって新鮮な驚きをもたらした。
ここから後は明治座の「特別な許可」を得て、スタンディング鑑賞が許され、全員立ち上がる。ずっと座っていたかったが、まあ最後くらいは仕方がない。
『風は吹いている』『スキ、スキ、スキップ』『会いたかった』『桜、みんなで食べた』。朝長美桜のステップを中心に見ていたが、以前よりもリズム感が良くなったような気がした。棒立ちのまま手足をバタバタ動かしているのではなく、体全体がスゥイングしていた。それはそれで少し寂しい。それでも、何の打算もないような素人っぽい笑顔は変わっていなかった。
『あなたがいてくれたから』で本編終了。
アンコールは定番の『ロックだよ、人生は』。そして共演者全員(馬を含む)が登場して『恋するフォーチュンクッキー』。最後に『メロンジュース』。
全14曲で、十分聴きごたえ、見ごたえがあった。もちろん全て生歌。音を外すところも多々あったが、それがまた臨場感があってよかった。あれだけ狭い劇場で口パクなどしたら不自然さが際立つし、何より明治座に失礼だろう。
最後に明治座という会場について。
歴史のある大衆演劇専用劇場ということで、観劇の楽しさを感じさせてくれる様々な工夫があった。
傾斜のついた客席で、3階席でも舞台を間近に見ることができる。席も上質でゆったりしている。各階のロビーに食堂や売店が沢山あって、開演前や幕間に楽しむことができる。
こうした劇場で半月も公演をできることは、芸能人として嬉しいことだろう。座長である指原はもちろんだが、選ばれた16人のメンバー全員にとって、芸能活動の中でも最も輝かしい業績となるのではないか。
それを目撃できたことは良かった。