再び千円札

街は今、どこを歩いていても金木犀が香る。



また老人から千円まきあげてしまった。
神よ、罪深きたまびとを許したまえ。

一週間ばかり前、会社の中で財布を拾った。
中をそっと覗いてみると、一万円札が２～３枚、
千円札が数枚見え、食券の綴りも入っている。

ゲー　タイキン！

落とした人は困っているに違いない。
総務課に届けておいた。

今朝、シルバー人材センターから派遣されている男性と
顔をあわせた。
彼がたまびとに向かって言う。

「なくしてしまったと思ってガッカリしていた
財布が届けられていましたよ。
あなたにお礼をしなくちゃ。」
と財布を開ける。

先日と同じ光景が目の前に展開している。

口では　「いえ、いいんです。」　と言いながら、
差し出された千円札をしっかり受け取っていた　たまびと。

その時たまびとの脳裏にあることばが浮かんできた。

二度あることは三度ある！

みんな、つっこんで。
「次も期待してるのかよー」