梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

3月は新橋演舞場です

2012年03月02日 | 芝居
大変刺激的な大阪松竹座2月公演を終えまして、3月は新橋演舞場でございます。

師匠は昼の部『荒川の佐吉』で、初役となる敵役の成川郷右衛門、夜の部『佐倉義民伝』では幻の長吉、そして『小さん金五郎』という大変珍しい上方狂言では髪結い金屋橋の金五郎をやはり初役で。3役をお勤めになります。『小さん金五郎』は、研修生の頃に、澤瀉屋(右近)さんが金五郎をなさった舞台を拝見してはいるのですが、なにせ15年も前のことで、台本を読みながら記憶をたどるものの、かなりおぼろげでした。
『荒川の佐吉』は、高麗屋(染五郎)さんが初役で佐吉をお勤めになるのが話題の舞台。師匠演じる成川は、虚無的というかニヒルというか、悪い奴ではあるのですが大変魅力のあるお役、どうぞお楽しみに。

私は、『小さん金五郎』の序幕で<福屋の仲居お光>を勤めさせて頂きます。萬屋(梅枝)さん演じる芸妓お糸に少々からませて頂きますが、上方のお役は、言葉といい雰囲気といい難しいです。関西出身の先輩がいろいろ教えて下さるのが有難いです。

震災から間もなく1年となります。
被災地の復興も、原発事故の収束も、順調といえないのがやりきれませんが、今の私でもできることを、微力ながらも努めてまいりたいですし、あらためて、この震災を経験してからの、日々の生き方を考えてまいりたいと思っております。