北海道でノンビリと

タブタブの何処かへ行こう を改題しました。
何処かへ行く機会も減ってきたので 北海道を楽しもうと思ったからです

別れの刻

2019-10-26 21:24:39 | 日記
北見の親戚の通夜で手を合わせ、喪主の従兄に事情を話して釧路へとんぼ返り。

義兄は浴室で亡くなっていたので一応不審死扱いとなったが葬儀社の安置室に無事戻ってきていると云うので、駆け付けた。

義兄は空手の有段者で道場の師範代も務めていたのだが、ここ数年は時々顔を出す程度で身体を動かすことは無くなり、それに比例してブクブクになった。



最初は私と同じアザラシ体型だったが、家を訪れる度にブクブク度は増し、ついには私とは比較にならない体型に。
だから私は陰でトドと読んでいた。



そのトドは軽い糖尿病だと云うのだが私は重症に違いないと確信していた。
そして脳卒中を発症し入院。

幸いにも重篤ではなく、外泊許可も出るまで回復し病院食に飽き飽きしていたトドは寿司屋へ行き、カラオケも楽しんだとのこと。
そして自宅で入浴中に亡くなったらしい。

三重顎のトドは棺の中で僅かに左を向き、「死んではいないよ」とでも云うように横になっていた。

西郷どんを彷彿させるような豪放磊落な人で、いつものように「おぅ、よく来たな。ガハハハ・・・・・」と笑う声が聞こえてきそうだ。

「何を言っているのかサッパリワカラン」と義兄がこぼしていたお経を唱えられ最後のお別れはプックリ腹をチョンチョン。



火葬場に向かうバスに乗るのは父が亡くなった時以来だ。

それを思い出しながら通り過ぎる遠矢の町を見ていたら、急に周りの景色が滲んだ。
そっと目を拭う私に、接して並んで座っている家内の温もりが優しかった。