雨降りの日は、庭の作業や観察はできないが、
さくらそうに<雨中の櫻>という名の品種があることを思い出し、
庭のサクラにカメラを向けた。
2日続きの雨にもめげず。思っていたほどまだ散り急いでいない
ように見受けられる。
<雨中の櫻>は我が家の庭にはないが、艶麗な花を賑やかに咲かせる
早咲き品種で、桜弁抱え咲きの大輪。性質は強いそうだ。
新刊の藤原正彦著「国家の品格」は、すべての日本人に誇りと自信を
与える画期的日本論として話題作となっているが、その書のなかに
日本人の感性の鋭さの一例として、桜の花について我が意を得た記述が
あるので、少々長いが引用する。
【桜の花が本当に綺麗なのはたったの三、四日です。しかも、その時を
狙っていたかのように、毎年雨風や嵐が吹きまくる。それで、アアアーと
思っているうちに散ってしまう。
桜の木なんて、毛虫はつきやすいし、むやみに太いうえにねじれていて、
肌はがさがさしているし、花でも咲かなければ引っこ抜きたくなるような
木です。しかし日本人は、桜の花が咲くこの三、四日に無上の価値を置く。
たったの三、四日に命をかけて潔く散っていく桜の花に、人生を投影し、
そこに他の花とは別格の美しさを見出している。だからこそ桜をことのほか
大事にし、「花は桜木、人は武士」とまで持ち上げ、ついには国花にまで
したのです。桜の花の時期になると、みながうきうきします。以下省略】
4月11日の朝、二階のベランダから撮影。
樹下に見えるのはらん舎の屋根(高さ3㍍)のヨシズ。
通行人の雨傘越しに
西側のブロック塀から撮影