大和愛蘭会の交換会は気の張らない楽しい会で、蘭以外に
山野草や園芸資材なども持ち込まれて、セリに掛けられる。
マツバランは古典園芸植物として知ってはいたものの、
思いもかけない出物で、セリ台に乗った時は驚きであった。
今まで写真を見たり、本などで説明を読んだことはあるが、
実際にこんな大株を手にとって見たのは、はじめてである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/70/4be2b60a28d16b012153c3ec2eba3f58.jpg)
7<マツバラン>
1)松葉蘭と<蘭>の字を当てているが、蘭とは無縁の植物である。
植物分類学上は隠花植物のシダの一種で、マツバラン科に属す。
シダの中でも最も原始的なもので、生きている化石と言われる。
わが国に原産するものは、1科1属1種の特異な存在の植物だ。
2)その形態が非常に珍奇な植物で、根や葉に相当するものがなく、
地上茎は二股に分岐して長さ20cm前後となり、葉が退化し
た鱗片状の多数の突起がある。地下茎も二股に分岐して褐色の
軟毛が密生している。花は咲かず、地上茎の突起に直径2mm
位の胞子嚢をつける。
3)栽培は江戸中期に始まり、天保7年(1836年)に出版された
「松葉蘭譜」には122品種についての解説がある。
4)現在趣味園芸植物として愛培家に栽培されているマツバランは、
獅子、折鶴、柳、縮緬、九十九など多くの芸があり、その芸の
数は50種類を数え、それぞれの千変万化の芸を楽しむそうだ。
5) 入手した<錦玉>という品種は、やや白味をおびた黄色の斑物。
紺性が強く、斑切れがよくて、丈夫で繁殖もよい品種とされる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/0c/c9590761886eb87fb59c2af9c3423935.jpg)
<マツバラン1-1> 鉢の上から撮影。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/21/ec8be3b09673d9171cb8e892b65e84aa.jpg)
<マツバラン1-2> 拡大した写真。胞子嚢がよく見える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/e9/41ce4baa0824bc730140ef68deb374b4.jpg)
8<ミヤマオダマキ> 同じ品種3鉢
深山苧環。北海道、本州の中部地方以北の高山に分布する。
自生地では6~8月、里で栽培すると4~5月ごろに開花する。
この鉢はたぶん温室で育苗して、開花させたものと思われる。
山野草とは思えないほどに洗練された美しい花。蕾がおおい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/93/e78b5f6b86275d7065da3d916a389566.jpg)
<ミヤマオダマキ1-1>
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/8f/4067f9c4e596edfec48a7b65cdd16674.jpg)
9<オキナグサ> 紫、白、赤3鉢
翁草。その名は花後にできる白く長い毛の実の姿を翁の頭に見立てたもの。
本州から四国、九州の日なたの草原や丘陵に自生していたが、都市化による
開発や、美しい花のための採取などから、その姿を消したものと思われる。
入手した3点の鉢は、ヨーロッパのアルプス地方の原産で、花付きがよい品種。
(Pulsatilla Vulgaris).
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/de/3cae9a5a18f30df7b260af06f2dc7be7.jpg)
<オキナグサ1-1>
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/8e/adbe02366e7a7cc682df5e1b013b23db.jpg)
<オキナグサ1-2>
<オキナグサ1-3>