富貴蘭の虎斑とは、蘭科植物に多い覆輪、縞、中斑など斑芸の一つで、
現在<唐錦><紀州伏虎><旭昇><金孔雀><金牡丹><金幽晃>
<黄雲閣><瑞雲><南海雪虎><花衣><鳳凰殿><豊明殿>
<霊峰><出雲金斑><紀州雪虎><雪山><金鏤閣><琥珀>
<高隈><鑢高隈><火影>などが虎斑品種として登録されている。
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<旭昇> きょくしょ う 産地は奄美徳之島。上芸品は虎斑もよく残り、
根先の色もルビー根に近くなるので人気が高い。
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<紀州雪虎> きしゅうせっこ 和歌山県産。斑は白の虎斑で
<雪山>に似ているが、本種は泥軸で
澄んだ青根という変わり物。
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<金星> きんぼし 虎斑の名品<金鏤閣>のセルフ実生からでた
花変わりである。
花は距のない六弁花で星車咲き。
虎斑で花変わりという2芸品。
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<花衣> はなごろも 来歴は不明で、以前は<金鏤閣>の中に混じって
流通していた。
しかし、本種は立葉であること、虎斑の抜けがよいこと、
花茎と蕾が濃いピンク色で上がることなど相違点が多く、
昭和58年に<金鏤閣>から分離独立した品種である。
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<火影> ほかげ 奄美フウランの無地葉の実生で、
突然変異で出現した虎斑。
出芽のピンクと美しいルビー根で
今後の期待品といえる。
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<唐錦> からにしき 虎斑の代表品種。泉州の産。
緩やかに弧を描く姫葉で、
白黄色の虎斑が切れよく入り、
その斑は葉裏まで抜ける。
日の採り具合で柄出しが決まる。
その日の加減が問題で、
採り過ぎれば葉全体が黄金色となり、
作落ちの原因ともなりかねない。
蔭作りだと虎斑がうまく出ず、
鑑賞価値が落ちる。
美術株に仕上げるには、経験が必要である。