15歳で農兵隊に動員された大城芳男さん=11月14日、宜野湾市宜野湾
[語れども語れども・うまんちゅの戦争体験](440) 大城芳男さん(93) 宜野湾市宜野湾 泣く子の「首締めなさい」 避難民の教えで命拾い
生まれ育った宜野湾村(現宜野湾市)字宜野湾の家は、米軍普天間飛行場の中にある。今は倉庫が建っている。集落の井戸の跡が残っているから、だいたいの場所は分かるよ。朝夕、てんびん棒を担いで水をくみに行った。
1944年の10・10空襲の前のこと。B29が1機だけ飛んでいて不思議だった。なんでこんなに堂々と飛んでいるのを日本軍は攻撃しないのか。後になって、米軍は上空から全部写真を撮って作戦を立てたと知った。米軍に比べたら、日本軍は既に武器が十分なかったんじゃないかな。
夜はガマへ戻る
空襲警報のサイレンが朝鳴ると、宜野湾国民学校は終日休みになった。その日はガマで過ごす。50人くらい入れる自然壕でね。兄さん2人は兵隊に行っていたから、自分と親を合わせて7人で隠れた。空襲が来ないうちに家でご飯を作ったり、畑を耕したりして、夜はまたガマに戻った。
大雨がなかったから助かったよ。ガマには集落中の水が集まってくるからね。
ガマの中で2歳くらいの男の子が泣きっぱなしだったのを覚えている。同じ集落のおばあさんが嫌がって、汚い言葉で「首を絞めなさい」と。今思ったらかわいそうでね…。
サイレンが授業中に鳴ることはほとんどなかったよ。校舎は兵舎になっていたから、先生と一緒に山の中で授業だった。黒板も机もない。椅子は山に置きっ放し。僕はそろばんが得意でね、「山学校」の優等生だった。お昼のお弁当は、朝炊いた芋をタオルにくるんで持って行った。
農兵隊で名護へ
45年になると農兵隊として名護に行くことになった。農兵隊は畑仕事のボランティアで、働き手が兵隊に取られている農家を手伝う。ガマに入っている時に先生たちが呼びに来て、着替えだけ持って夜のうちに出発した。今と違って先生には絶対服従だ。
移動中に艦砲射撃がひどくなった。照明弾が上がったら艦砲が来るから、木の下なんかに隠れる。また歩いて隠れる。寝る暇なんかなかった。美里村(現沖縄市)を通って石川まで来ると、集落が全部燃えていた。火の粉が飛ぶ中、地下足袋で通った。住民は避難していたけど、馬は、くびられているさ。そのまま焼けたんじゃないかな。
毛布を持ち山に
名護に着くと、いよいよ米軍が上陸するということで毛布を持って山に入った。同年代が100人くらいいたと思う。初めは1日に2個ずつおにぎりがあった。それがなくなると大豆をお茶わん2杯ずつ。それもなくなるともう、食べることと逃げることしか考えなかった。ずっと山の中で、自分がどこにいるのか、この先どうなるのかも分からない。今も夢に出てきてハッと目が覚める。
久志村(現在の名護市)三原の集落が見えた時、同じ宜野湾出身の友人2人と山を下りた。集落の畑に残っていた芋を井戸のそばで炊いた。
宜野湾を目指している途中、那覇から山原に向かう避難民に出会った。辺野古辺りだった。「今戻ったらアメリカーにすぐにやられるよ」と教えてもらって、一緒に久志村まで引き返した。そのまま歩いていたら死んでいたよ。後になって今の宜野座高校近くの検問所みたいな所で米兵に止められて、捕虜になった。今考えても、あの那覇の避難民に助けられたわけさ。
編集後記
大城さんが育った家の仏壇とたんすは、那覇から買った。10・10空襲で生計を立てられなくなった人が手放したものだったという。「それだって、5年も使わないうちに戦争でパァになったさ」。手放した側にとっても買い取った側にとっても、あまりに救いがなさ過ぎる。今の家では立派な松が育っている。手入れを続けて35年になるという。燃えた仏壇とたんすの分まで、松には生きてほしい。(中部報道部・平島夏実)
(写図説明)15歳で農兵隊に動員された大城芳男さん=11月14日、宜野湾市宜野湾
■毒おにぎりの大ウソ⇒仲里県議会議長
壕に避難していた幼子に、途中から入ってきた日本兵が毒おにぎりを食わそうとしたので、家族共々壕を逃げ出し命拾いしたと言う証言が派手に掲載された。
実際に琉球新報に掲載された記事だが、食糧不足に悩む当時はおにぎりは滅多に口にすることのないご馳走。
その大事なおにぎりに毒を塗って少年の殺害を謀るより、銃剣で脅して壕から追い出したほうが容易であることは誰にでもわかること。
その幼子の兄が当時の仲里利信沖縄県議会議長であることが自身の証言で話題になった。
仲里氏が嘘をついたか、さもなければ当時の厳しい食料事情を知らない若い記者が、聞き取りの際歪曲・捏造したか。
いずれにせよこの記事が嘘であることくらい読者は容易に想像がつく。
これに関して証言者の仲里氏は以後沈黙を押し通し何も語っていない。
(【おまけ】参照)仲里氏の「毒おにぎり」は「残酷な日本兵」の象徴として朝日新聞を通じてニューヨークタイムズにも掲載された。
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