狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

尖閣諸島「石垣市の区域」 沖縄県知事

2008-12-13 17:40:31 | 未分類

 

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麻生首相、尖閣領海侵犯に抗議=温氏反論「中国の領土」-互恵深化一致・首脳会談(12/13時事)
 麻生太郎首相は13日午後、福岡県太宰府市の九州国立博物館で中国の温家宝首相と約一時間会談した。麻生首相は、中国の海洋調査船2隻が尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の日本の領海を侵犯した問題について「非常に遺憾だ。日中関係に良い影響を与えない」と強く抗議した。
 これに対し、温首相は「釣魚島は古来中国固有の領土だ」と主張した上で、「話し合いを通じ適切に解決したい。良好な2国間関係に影響がないようにしたい」と表明。このため、麻生首相は「尖閣諸島はわが国固有の領土であり、歴史的にも国際法上も疑いがない。再びこうした事態がないよう対処してほしい」と重ねて抗議するなど、領有権をめぐり両首脳が応酬する形となった。
 麻生首相はまた、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件の真相究明を急ぐよう要求。温首相は「日本との意思疎通と協力を保持していきたい」と応じた。さらに、麻生首相は、東シナ海ガス田共同開発の今年6月の合意に基づき、開発区域などを詰める協定締結交渉の早期開始を要請したが、温首相は「実務レベルの意思疎通を続けたい」と述べるにとどめた。
 ただ、両首脳は、頻繁な首脳往来や人的交流の拡大を通じ、日中の「戦略的互恵関係」が深まっているとの現状認識を確認。両国が内需拡大への努力を通じ、世界経済への貢献を目指すことで一致した。

                                           

時事報道によると尖閣問題に関して、温家宝首相が「釣魚島は古来中国固有の領土だ」との強気の発言に対し、

麻生首相は「尖閣諸島はわが国固有の領土であり、歴史的にも国際法上も疑いがない」と明言したことは一応評価できる。

これに続く麻生発言が「再びこうした事態がないよう対処してほしい」とおとなしいが、心情的にはもう一歩踏み込んで、

「次に同じことやったら撃沈すると警告しておく」

くらい言っておけば溜飲も下がるし、麻生人気も復活するだろうが、実務的にはそうも行かないのだろう。

報道によっては、麻生首相の「日本の固有の領土」発言は削除して、「遺憾である」のみを報じ、

温首相の発言は「この地は古来より中国の固有の領土である。その立場は一貫して明確であり、確固たるものである」

と、まるで中国の前にかしこまる日本、といった印象操作をする記事もある。

尖閣諸島周辺での中国船・領海航行、非常に遺憾=日中首脳会談で麻生首相

2008年 12月 13日 17:01 [福岡 13日 ロイター] 麻生太郎首相は13日午後、福岡県太宰府市で行われた日中首脳会談で、中国の海洋調査船が今月8日に東シナ海の尖閣諸島周辺の領海で航行したことに関し「非常に遺憾である」と述べ、「東シナ海を平和協力・友好の海とし、両国が戦略的互恵関係を築こうとしている中での事件であり、日中関係に良い影響を与えない」との見解を示した。


 それに対し、中国の温家宝首相は「この地は古来より中国の固有の領土である。その立場は一貫して明確であり、確固たるものである」とあらためて主張。その上で「中国としては話し合いを通じ、適切に解決したい」と述べ、「友好な2国間関係に影響を与えないようにしたい」との意向を示した。

                    ◇

尖閣諸島は沖縄県石垣市に属する、沖縄の行政管轄地域である。(仲井真県知事談)

国の領域というより県の行政管轄地域を「古来より中国のもの」と日本国首相を相手に公言したわけだから、

他の県の地方紙ならともかく、今朝の沖縄タイムスが一面トップで大きく取り扱うかと思ったら。

うーん、一行の記載もない。

社会面も、いや、どの面を開いても、日中首脳会談の記事はあるが、尖閣に関する両国首脳の発言は1行の掲載もないのだ。

領海侵犯の被害県ともいえる沖縄県の新聞が、「沖縄県の1部」が中国領土だと中国首相が公言しニュースに一行の言及もない。

当然の発言とでも思っているのか。

いや、地方紙の報道不作為それだけではない。

先日の中国船の領海侵犯時に、仲井真県知事は定例記者会見で領海侵犯について言及しているにも関わらず、我が沖縄タイムスは1行も報じなかった。

ご主人様の逆鱗に触れるような知事発言があったのか。

地元紙が報じない知事発言を産経新聞那覇支局長小山さんの「ブログ」から引用するとこうなる。

本日の知事会見  2008/12/12 10:47

尖閣に中国の調査船が接近した件について。

「領有の問題はないというのが日本の見解で、私も同じ」

番地、歴史的にも石垣市であり、沖縄県である」

「資源については、もう少し時間をほしい」

 

いつもは広報担当者が終了を告げても、話し続ける知事が、

今日は初めて、自ら「それでは」と打ち切りを口にして、会見場を後に。

なぜかわかりません。

スケジュールを調べると、

会見の10分後に上海テレビの取材(副知事対応)というのが入ってましたが、

着替えかメイクでもするのか?

 

なるほど、沖縄タイムスは、ご主人様・中国と真っ向から対立する県知事の談話を報じるのは恐れ多いとでも思ったのだろうか。

お陰で沖縄紙が報じない沖縄県知事談話を、

全国紙の産経新聞が記事にするという奇妙な事態となった。

産経新聞 2008.12.12 

尖閣諸島「石垣市の区域」 沖縄県知事 
 
 沖縄県の仲井真弘多知事は12日の定例記者会見で、周辺海域に調査船を派遣するなど中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名・釣魚島)について「番地からいっても歴史からいっても沖縄県石垣市の区域だ」と述べた。


これって産経新聞のスクープ?

記者会見の内容がスクープ記事になるのは、沖縄ぐらいだろう。

 

                                                ◇

仲井真県知事は、知事新任当時「尖閣は沖縄県の行政管轄地域」だとして同地域の視察を発表した。

ところがお決まりの中国からの横やりが入ると、たちまち腰砕けになり、「そのうち行きたい」といったまま未だに視察を実行していない経緯もある。

「知事の尖閣諸島上空視察」に中国が待った!

あの時視察を強行しておれば、温首相も今回のような強気の発言もしなかっただろうし、そのとき「中国が尖閣領有を主張!」したのを日本側が黙認した結果になってしまた。

 

麻生首相は櫻井よしこ女史の次の文言を心に刻んで、今後の尖閣問題に対処して欲しい。

 

中国の狙いは、尖閣諸島を中国領土として既成事実化することである。南シナ海の西沙、南沙諸島を力で奪い、実効支配している事実を振り返るまでもなく、今回の中国政府の主張は、尖閣諸島の実効支配のために、突然、中国軍が同島に上陸することも十分にあり得ることを示している。

 麻生首相以下、まさに日本にとっての正念場なのである。真に日中互恵を願うなら、中国は金輪際日本固有の領土領海を侵してはならない。日本は主権国家として、そのような可能性がわずかでもあれば、全力で、未然に防がなければならない。

 そのためには、まともな軍隊が必要だ。だが、自衛隊は、国連加盟国のすべてに認められている集団的自衛権の行使さえも、内閣法制局の考えで禁止されてきた。麻生首相に求められているのは、自衛隊をまともな軍隊にするために、まず、集団的自衛権の行使を認める新たな解釈を行うことなのだ。それは中国への健全な牽制(けんせい)となり、米国に対しては戦略パートナーとしての信頼につながる。

 歴代政権が集団的自衛権に躊躇(ちゅうちょ)してきたのは国家のあるべき姿を考えず、わが身に振りかかる批判を恐れたからだ。批判を恐れ、易(やす)きにつく国家観なき政治の積み重ねが、まともな主張ができないいまの日本の姿となった。

 国益はなにか。麻生首相はその一点だけを考え、13日の日中韓の首脳会議で、中国側に心してクギを刺すのがよい。そうすれば、必ず、突破口が開けてくる。>
【櫻井よしこ 麻生首相に申す】中国にクギを刺せ

 

【追記】 11:30

尖閣諸島領有を巡る、麻生首相と温首相のやり取りを、沖縄タイムスは一切伝なかったが、

中国メディアも麻生首相の主張は伝えなかったようだ。

やはり、沖縄タイムスは中国メディアか。

日中首脳会談で中国メディア、尖閣の日本側主張伝えず :

一方、珍しくも朝日新聞がこんな見出しの記事を。

朝日は削除が早いので保存用に以下全文引用。

【保存用資料】

尖閣諸島、攻勢強める中国 首脳会談で激しいやりとり

朝日新聞 2000年12月14日8時21分
 13日の日中首脳会談では、両国が領有権で対立している尖閣諸島をめぐり激しいやりとりがあった。「実効支配」を強めるために、今後、海洋調査船による活動を活発化することを政府高官が表明するなど、中国側が強硬姿勢に転じたことが最大の要因だ。月内にも開催する東シナ海ガス田の日中共同開発に関する条約作りのための日中初協議にも影響が出かねない。

 「国際法上領有権の争いがある海域では、管轄海域内での存在感を示し、実効支配の実績を重ねることが重要だ」。海軍と関係が近い国家海洋局海監総隊の孫書賢副隊長は地元メディアの取材に対し、今後、海洋調査活動を強めていく考えを明らかにした。

 歩調を合わせるように、中国外務省の劉建超報道局長も8日の会見で「尖閣諸島は中国固有の領土で、他国に干渉される理由はない」と強調。その上で「領海内で調査をするかどうか、それがいつかというのは中国の内政問題」と述べた。06年に調査船が侵入した際、同外務省は「事前に把握していなかった」と日本側に釈明して両国関係への配慮を示したが、今回はより踏み込んだ発言だ。

 こうした背景には、対日重視を掲げる胡錦濤(フー・チンタオ)指導部を牽制(けんせい)する軍当局の意図が透けて見える。12日付の新華社通信系の中国紙、国際先駆導報は、「我が国の調査船が釣魚島における日本の厳重な防衛ラインを(調査船で)突破できた」と称賛。その上で、中国側が日本側と比べて、武器や人員で劣っており、「もし海上で武力衝突が起きれば、我が国が劣勢になりかねない」と危機感を募らせており、装備拡充の必要性を訴える。

 中国政府関係者によると、この記事の掲載には、軍当局の意向が働いたという。海空軍力を中心に増強して海洋進出を狙う軍当局にとって、尖閣諸島やガス田共同開発の東シナ海の海域は、軍事拠点としてきわめて重要だからだ。これまでにもガス田共同開発の協議直前に、調査船を出すなどしているのもこのためだ。

 中国共産党関係者は「対日強硬派の軍や保守派の意向が強く働いているのは明らか。ガス田や尖閣諸島問題での一切の妥協は認めないというメッセージで、指導部は今後、(ガス田の)交渉を進めにくくなる可能性がある」と指摘する。(峯村健司)

 

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続・改正戸籍法の空騒ぎ

2008-12-13 08:01:40 | 県知事選

 

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国籍法改正に関しては、反対運動真っ盛りのときはスルーしておきながら、立法されてから唐突にエントリーした理由を、

有名ブロガーグループが最高裁判決に異議を唱える運動を扇動し始めたからだと書いた。⇒改正国籍法の空騒ぎ

繰り返すが、どんな法律でもその隙間を突いて悪事を働くものは出てもの。

それは別の知恵で防止すればよい。

法の隙間を突かれるのを恐れて、法律そのものを反対するのは本末転倒もはなはだしい。

今回の最高裁判決は国籍に関する一つの判例を最高裁が示したわけだから、

それと整合するように関連法を改正することは法治国家なら自然の流れだ。

だが、それに伴なってネット上で起きた「改正国籍法反対運動」は、最高裁判決のキモである「日本人が父親で、外国人を母にもつ子の国籍を父母の婚姻の有無による」という部分の当否に関しての議論は一切なく、

法律の派生要因である「偽装認知」にのみ議論は過熱し、「国籍大バーゲン」「日本乗っ取り」にまで発展した。

そしてあげくの果てには最高裁への抗議運動にまで至っている。

勿論、「偽装認知」や、それによって起きる「国籍大バーゲン」を軽視するわけではないが、それはあくまで改正国籍法の枝葉の部分。

改正国籍法の要諦は差別の問題であり、それに伴う人権の問題でもある。

繰り返すが、「改正国籍法反対運動」は、本末転倒の極地である。

血統主義を取る日本の国籍法が、日本人と外国人の間に生まれた子の場合、次の二つのケースが考えられる。

①母親が日本人の場合は、無条件に日本国籍が得られる。

②父親が日本人の場合は婚姻が必要とする。

 

②の場合と①の場合の夫々の子どもは、血統主義の立場から言えばどちらも日本人の血が流れているわけだから、

父母の婚姻の有無が理由で日本国籍取得の可・不可が決まると言うことは、

生まれた子どもにとって重大な差別にあたる。

従って、最高裁判決に不服があれば抗議するのも自由だが、

その前に、枝葉の部分の「偽装認知」ではなく、「婚姻の有無による国籍判定の差別性」についての是非を論じて欲しい。

「偽装認知」の防止には、DNA鑑定がなどの導入が論議されているが、そうでなくとも法令で偽装認知に対する審査を厳しく設定すればよい。

審査で見破るのは困難だというが、認知届けと婚姻届けの件数の差から言えば、大量の婚姻届の中から偽装を見破るより、偽装認知を見破る方がまだ容易なのではないか。

いずれにせよ、「偽装結婚と偽装認知はどっちが容易か」は枝葉の議論。

偽装認知によって大量の中国人や朝鮮人が日本に流入するという危惧するより、

当面の問題は国・地方に関わらず、

外国人参政権にこそ大反対すべきではないのか。

 

この問題に関してTBしていただいた「松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOG」さんが、明快に解説して下さっているので、

当日記の舌足らずの部分を以下の引用で補ってください。

                 ◇

国籍法改正を巡る海外報道紹介と反対論の論点整理

日本時間の12月5日午前10時過ぎ、「外国人たる母から産まれ日本人たる父がその子の出生後に認知した婚外子」にも日本国籍を認める改正国籍法が成立しました。そして、比較的地味な法律マターのニュースであるに関わらず改正国籍法の成立を比較的詳細に報じた外電もあった。本稿ではその外電を紹介し、もって、この間見聞きした国籍法改正反対論の主張を整理したいと思います。

出典はAssociated Pressの
”Japan extends citizenship to out-of-wedlock babies,” Dec 5, 8:46 AM EST, 2008「日本、婚外子をも市民権付与の対象に」です。

Japan approved a law Friday that will grant citizenship to all children born out of wedlock to Japanese fathers who acknowledge them, regardless of the nationality of their mothers.

All children of Japanese women are automatically granted citizenship. Before Friday's revision, however, those born out of wedlock to foreign women could claim citizenship only if their Japanese fathers acknowledged paternity before the birth or later married their mothers.

The new law expands the ability of those children to claim citizenship, stating that they need only to be acknowledged by their fathers before a claim is filed.

To prevent fraudulent claims, the law stipulates that violators will be fined of up to 200,000 yen ($2,170) or sentenced to one year in prison. The law also requires the government to study the feasibility of introducing DNA testing.


金曜日【12月5日】、その母親の国籍にかかわらず、その父が認知した非嫡出子に対して市民権【KABU註:このcitizenshipはnationalityのparaphrase, variationであるが厳密には間違い。】を与える法が日本で成立した。

日本人たる母の子には例外なく自動的に市民権が与えられているが、金曜日の法改正までは、【その日本人たる父と】婚姻関係にない外国人の母から産まれた子が市民権を得るのは、日本人たる父がその子の出生前に認知するか、あるいは、その子の母親と結婚するかのいずれかの場合に限られていた。

改正された新しい法律は、そのような【日本人たる父と婚姻関係にない外国人の母が産んだ】子が市民権を得る道を拡大した。すなわち、改正された法律はそのような子は市民権の申請手続き前にその父から認知を受けるだけでよいと規定したのだ。

詐欺的な犯罪を防止するため、改正国籍法は違反者には20万円($2,170)以下の罰金、もしくは、1年以下の懲役を課すと定めている。また、改正された法律は政府に対して、DNA鑑定の導入の実現可能性についても調査研究するように要求している。


The revision came after 10 children born to unmarried Japanese men and Filipino women demanded citizenship. In June, Japan's top court ruled in their favor, saying that the previous restrictions on citizenship violated constitutional guarantees of equality.

The plaintiffs are among the offspring of thousands of Filipino women who came to Japan as entertainers beginning the 1970s. Many had children with Japanese men who already had wives.・・・

Nationality in Japan is determined solely by bloodline - not place of birth - though foreigners may apply to become citizens.

Japan has long been reluctant to host outsiders or grant them nationality for fear of disrupting its tightly knit society. Despite increasing immigration, foreigners still make up less than 2 percent of Japan's population of 128 million, compared to 12 percent in the United States.


今回の法改正は、婚姻関係になかった日本人男性とフイリッピン人女性との間にできた10人の子供達が市民権を要求したことの結果である。而して、この6月、日本の最高裁は今回改正される前の市民権の制限は平等を保障している憲法に違反すると述べ、子供達の訴えを認める判決を下した。

原告達は1970年代以降エンターテーナー【芸能関係者】として来日した何千人ものフイリッピン女性の子孫である。彼女達の中には妻帯の日本人男性との間で子をなした者も多い。(中略)

外国人も日本公民になるべく申請をすることも可能ではあるけれども、日本において国籍は出生地ではなく血筋に基づいて決定される。

日本は長らく、際立って同族的に結合しているその社会が混乱することを恐れるあまり外国人を【その社会に】迎え入れることや彼等に日本国籍を与えることには消極的だった。日本に入国する外国人の数は増加しているにもかかわらず、1億2千8百万の日本の人口の中で外国人はいまだに2%にも達していなのである。而して、アメリカ合衆国の人口に占める外国人の比率は12%だというのに。


◆国籍法改正反対論の論点整理
今次の国籍法改正に反対していた論者の中には「国籍法改正などせずとも当該の母親が日本人たる父と結婚すればよかった/帰化すれば何の問題もなかった(それなのに、わざわざ最高裁まで争ったについては国籍法を骨抜きにしようという反日勢力の弁護士やプロ市民団体等々の支援者の邪な意図を感じる)」という主張も見聞きします。論外です。

確かに、反日の弁護士やプロ市民団体の支援なりも6月4日の最高裁判決が出されたについては与して力あったのでしょう。けれども、彼等の意図がどうあれ法律論として当該の最高裁判決は出るべくして出されたものと言えるから(当該判決に関する私の評価については最後にURLを記した拙稿をご一読ください)。

而して、「結婚できない状況だから訴訟を起こしたフイリッピン人母親の立場」「帰化申請に関しては帰化が認められる保証がないこと」「日本人としての国籍の確認をその子が求めているからといって、その母が日本人になりたがっているとは限らないこと(正に、国籍選択は個人の自由であること)」を鑑みるならば、「母親が日本人たる父と結婚すればよかった/帰化すれば何の問題もなかった」などの主張には何の根拠もなく、それらは単に国籍法改正反対という自己の願望を叶えるために他者に不利益を押し付ける日本人の風上にも置けないさもしい言辞にすぎない。私はそう考えています。

畢竟、「日本人たる父が生後認知した、外国人たる母の子」を巡る今次の国籍法改正の論点は次のようなものではなかったか。すなわち、

(1)両親の婚姻を国籍取得の条件から外すことの是非
(2a)そのような子の認知に原則DNA鑑定を導入することと民法等との整合性
(2b)誰が見ても疑わしいカテゴリーの申請者に対してはDNA鑑定等も導入可能ではないか

今次の国籍法改正に関して、煎じ詰めれば、私は(1)「婚姻要件の削除はやむをえない」、(2a)「DNA鑑定を全申請者に適用することは民法等との整合性がとれないが」、(2b)「誰が見ても疑わしいカテゴリーの申請者に対してはDNA鑑定の導入可能」と考えています【これはサムネイルに掲げた「保守改革派市民B」の立場に分類できるでしょう】。

民法に疎い憲法研究者等を含む【同じくサムネイルに掲げた「保守改革派市民A」に分類される論者】は、(2a)の是非は民法等、法体系全体の整合性から導かれるものであること(その否定は「性善説」に立つものというより「自己責任の原則」の帰結であること)に対する理解が足りなかったのかもしれません。

而して、【サムネイルに掲げた国粋馬鹿右翼的主張】の中には、本音では(1)が主な反対点であるがゆえに、(1)を容認する【保守改革派市民A/B】からの慎重審議要求を批判する動きもまま見られた。蓋し、彼等は(1)国籍要件から婚姻を削除しないことが目的であり、「改正国籍法のルーズな規定」による「治安悪化」「偽装認知の横行」等の不安はその方便にすぎなかったのかもしれません。

もちろん、「治安維持」や「偽装認知の予防」が国籍法と無関係なはずはない。けれども、それらは「国民の定義規定」としての国籍法というよりは国籍法・戸籍法を運用する下位の手続き規定で対処すべき事柄でしょう。畢竟、「国籍法改正に賛成→改正国籍法の単独の施行に反対」。可及的速やかに(2b)の運用下位法規の成立と施行を期すべきのみ。頑張りましょう。

尚、このイシューに関する私の基本的な考えについては下記拙稿をご参照ください。

・差別排外主義に抗して「国籍法改正に賛成→改正国籍法の単独の施行に反対」する
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55808816.html

・国籍法違憲判決が問う<国民概念>の実相と再生
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54869476.html

・国籍法違憲判決違法論の荒唐無稽
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55983095.html

・Japan Times の「国籍法改正」報道
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56032365.html

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