昨日のエントリーで都知事戦の浅野候補の支援に「うちなんちゅの怒り」を標榜する市民団体がいるのが良く分からんと書いた。
石原慎太郎現都知事は10年前の1997年5月、当時の“日本”政府の反対を押し切って尖閣上陸を試みたが結局上陸は出来なかったという経緯があった事を想い出した。
◆石原慎太郎「尖閣上陸手記」(東京新聞)http://tokyo.cool.ne.jp/asahinakai90/isihara.
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まさか「うちなんちゅの怒り」は尖閣上陸反対の怒りではないだろう(笑)。
そんなことをしたら中国様がお怒りになる。
沖縄の「市民団体」は尖閣諸島と言う国境の島が中国の脅威に晒されていることには「怒り」をあらわすことも無く拳を突き上げる事も無い。
・・・と思っていたら、今朝の琉球新報の一面トップを見て驚いた。
<知事尖閣視察> 中国が中止申し入れ
と五段抜きの大きな見出しが躍っている。
これに先立つ5日の記事で新報は知事の尖閣視察を報じていた。
知事、尖閣を上空視察へ 琉球新報
仲井真弘多知事は5日午前、米軍の射爆撃場となっている久場島(黄尾嶼)と大正島(赤尾嶼)を含む尖閣諸島周辺や東シナ海の油田海域を自衛隊機で13日にも上空から視察する考えを明らかにした。(略)
尖閣諸島をめぐっては、日本の領有権に対し、中国、台湾が異議を唱え領有権争いが続いている。 (3/5 16:00)
尖閣諸島は沖縄県の石垣市に属し沖縄県の一部である。
新任の知事が行政管轄地域を視察するのに誰かにとやかく言われる筋合いのものでは無いはずだ。
それに中国が待ったをかけたと言うのだ。
知事の尖閣視察の情報を得た在福岡中国総領事館の武亜朋総領事が県に対し、中止を求めたのだ。
同領事館の説明によると、
「尖閣諸島は中国の領土だと従来の立場を申し上げた。 一方的な行動で事態を複雑化させることのないよう知事に計画をやめてもらうようもうしいれた」・・・同時に外務省に動揺に申し入れたとの事。
第一報を受けた仲井真知事のコメントがふるっている。
「何で? 領土でしょ」
そうです。 日本の領土です。
「一方的」も何も自分の庭を見て回るのに一々中国の了解を撮れとでも言うのか。
沖縄が日本の領土であれば、沖縄県石垣市に属します。
◆中華民国の石垣市への感謝状の写真http://homepage2.nifty.com/tanimurasakaei/
syasin.htm
仲井真知事さん、自信を持ってください。
ところがこの知事さん中国の「中止命令」に従って、13日の視察変更をするかと聞かれると急にトーン・ダウンをし始める。
「まだ聞いていない。 僕は国際感覚に疎いから県(の担当部署)で聞いてみましょう」。
知事さん、逃げてはいけません。
県に聞くまでも無く、県の最高決済者は知事であるあなたでしょう。
他の些細な事ならともかくこの問題は「担当部署」などで聞くのではなく知事自身が判断すべき問題ではないですか。
通産省のキャリア官僚出身の聡明な知事が「僕は国際感覚に疎いから」は逃げ口上でしょう。
知事の本音は、≪他の県はともかく沖縄に「潜在主権」」を持つと考える中国だから沖縄県知事の行う視察には中国も大目に見てくれる≫といった甘えがあったのではないですか。
中国の態度はともかく日本政府の態度は、
外務省沖縄事務所は、
「外務省として県にも中国にも特段のアクションを起こすつもりは無い。 知事が自分の管轄地域内を視察するのは業務の一環だ。 国として特段何か言うことはない」。
ご立派! 県知事が県内を視察するのに国がどうこう言う方がおかしい。
10年一昔と言うが、10年で時代は大きく変わった。
当時の石原慎太郎・元運輸省(当時の肩書き)が上陸計画を発表した時の国の態度とは大違いだ。(上記リンクの手記参照)
仲井真知事さん、この期に及んでもはや逃げ口上は許されません。
粛々と知事業務を遂行してください。
「うちなんちゅの怒り・・」の市民団体の皆さん今こそ「怒り」を中国に向かって声高に叫びましょう。
◇
【追記】16:00
知事尖閣視察、中国が中止申し入れ
仲井真弘多知事が13日に自衛隊機で尖閣諸島を上空から視察することについて、在福岡中国総領事館の武亜朋総領事が県に対し、計画の中止を求める申入書を送っていたことが9日までに分かった。同総領事館は、知事の尖閣諸島視察が日中関係に悪影響を及ぼすと指摘し「尖閣諸島は中国の領土だと従来の立場を申し上げた。一方的な行動で事態を複雑化させることのないよう知事に計画をやめてもらうよう申し入れた」と説明し、外務省にも同様に申し入れたことを明らかにした。
知事の尖閣諸島視察が報じられた5日、在福岡中国総領事館は県庁に電話で事実関係を照会。計画を確認した上で口頭で中止を求めた。その後「必ず知事に伝えてほしい」と6日に武総領事名で申入書を送付したという。
外務省沖縄事務所は、中国から県に申入書が届いていることを把握しているとした上で「外務省として県にも中国にも特段のアクションを起こすつもりはない。知事が自分の管轄地域内を視察するのは業務の一環だ。国として特段何か言うことはない」と話し、静観する構えだ。
在福岡中国総領事館は琉球新報社の取材に対し「(日中)両国の関係が改善、発展の重要な時期に入っていて、沖縄との関係も発展してきた。(知事の尖閣視察の)計画実行は関係を複雑化させてしまう。悪い影響は避けてほしい」と説明。尖閣諸島については「中国の領土だが、両国間に争いがあることも事実。協議と交渉によって解決しなければならない」と強調した。
尖閣諸島をめぐっては、日本の領有権に対し中国、台湾が異議を唱え、領有権争いが続いている。
仲井真知事は5日、尖閣諸島上空や東シナ海のガス田など周辺海域を航空自衛隊のU4多用途支援機で視察する意向を表明していた。
■知事「何で?領土でしょ?」
仲井真知事は9日夕「何で? それは沖縄の領土でしょ」と述べ、13日の視察計画に変更はないとの考えを示した。一方で「まだ聞いていない。僕は国際感覚に疎いから県(の担当部署)で聞いてみましょう」と述べ、中国の申し入れ内容などを詳しく確認する意向も示した。(琉球新報 3/10 10:02)
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琉球新報サイトの更新は遅いので追記になります。
沖縄タイムスはサイトで見る限り関連記事は無かった。
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