狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

靖国参拝は「踏み絵」か

2006-04-02 11:29:30 | 県知事選
今朝のテレビ「報道2001年」に次期首相候補と言われる安倍晋三、麻生太郎と評論家の桜井よし子が出演した。

冒頭桜井よし子上海総領事館員の自殺に触れて、橋本訪中団の胡錦濤国家主席との会談を批判した。

自殺した領事館員も橋本元総理も中国による「女性問題」で国益を問われた。

追い詰められた領事館員は「国を売ることは出来ない」との遺書を残して自殺した。

一方当時の橋本総理は「女性問題」を国会で問われて「個人的問題なので答えられない」と問題をうやむやにした。

その橋本元総理が中国賛美派の要人を引き連れて北京詣でをする。

そして相手の言い分だけを一方的に拝聴している事を批判したのだ。


「日本の次期総理大臣の条件は靖国を参拝しない事」。

これには流石の朝日新聞も驚きを隠せない。

今朝の社説で「・・・ 日本政府は、対中円借款の05年度分の決定を見送った。上海総領事館員の自殺をめぐっては、中国の公安関係者によると見られる脅迫をつづった館員の衝撃的な遺書が読売新聞に報じられた。東シナ海のガス田開発でも対立は解けない。
(略)
 胡主席が語ったのは「日本の指導者が靖国神社をこれ以上参拝しなければ、いつでも(首脳会談を)開く用意がある」という言葉だった。(略)
 しかし、これほど強く、靖国参拝の断念を首脳会談再開の条件に掲げてしまうと、日本では事態をかえって難しくする面がある。・・・・」と胡主席のあまりにも高圧的発言に何時に無く引き気味の論説を述べれいる。


各マスコミが次期総理候補に靖国だけを取り上げ中国の代理人のように「口頭試問」をする。

今朝の「報道2001」でもお決まりのように黒岩キャスターが安倍官房長官に尋ねた。

「貴方は総理になったら靖国を参拝しますか」。

日頃の言動から推察して、安倍は総理になっても参拝を止めないだろう。

・・が、安倍は中国側の「踏み絵」のような質問に対して、

「(沢山ある懸案を抱えて)いたずらに靖国だけを外交問題にするのは私の意とするところではない」といったような趣旨で「イエスかノー」の口頭試問への答えを拒否した。

それで立派な回答だ。 中国の代理人のような「試問」に答える必要は無い。

小泉首相はそんな時ワンフレーズで「適切に判断する」と答えていた。

社会主義国家の中国にとって実は靖国を参拝しようがしまいが痛くも痒くもない問題なのだ。

その証拠に、昭和20年から昭和59年まで戦後12人の首相が59回参拝したが何も問題にならなかった。

ところが昭和60年中曽根首相の10回目の参拝に対し朝日新聞が火をたきつけた。

朝日の「中国が目を光らせている」との報道が原因で、外交問題になり中曽根が参拝を中止をした。

翌年から小泉首相が再開するまで誰も参拝しなかったことは常識だ。

つまり靖国参拝は中国にとって、有効な外交カードと認識したから使っているだけなのだ。

これを外交問題とさせたのはマスコミとそれに怯えた元中曽根首相だ。

中国は「靖国は外交カードになり得る」と判断して、それに便乗したに過ぎない。

靖国問題が解決すれば次のカードを見つけ出すに決まっている。

もしかしたら沖縄の潜在主権は中国にある・・・とか。


1日付けの「人民日報」は橋本朝貢使節団の胡主席に対する感謝を対のように伝えている。

「・・・橋本氏は胡主席の多忙にかかわらず会見してくださったことに感謝し、この場で胡主席の中日関係の発展に関する見解に耳を傾けることができて嬉しく思う。(略)
日中友好7団体の会長たちによると、会見は一時間半にわたり、双方はそのうちの三分の一の時間で靖国神社参拝をめぐって意見交換した。彼らも日本のトップは戦争被害国の感情を考慮すべきだということを認めている。・・・」


         ◇         ◇         ◇


◆産経新聞  平成18(2006)年4月2日[日]

産経抄

 昭和五十七年の教科書検定事件は報道各社の誤報から始まった。高校の教科書に初め「日本軍が華北(中国北部)に侵略」とあったのに検定で「侵略」が「進出」と書き改めさせられた、と誤って伝えたのだ。産経新聞以外きちんとした訂正もしなかった。

 ▼その罪は大きい。だが、コトを大きくしたのは政府や政治家たちの定見のなさだった。中国、韓国から抗議を受けると右往左往、真偽も確かめないまま、検定を間違いとする官房長官談話を発表する。以後、中韓が教科書問題に介入するきっかけを作ったのだ。

 ▼今年発表の高校教科書検定では、島根県の竹島を「日本の固有の領土」と、記述を改めさせられたケースがあった。誤報ではないし、当然の検定である。これに対し、韓国は日本政府に「遺憾と抗議」を伝えてきた。ここまでは二十四年前と同じような推移である。

 ▼違っていたのはマスコミや政治家の反応だった。ほとんどの新聞は韓国の抗議を伝える記事を、ベタ扱いにしていた。政治家もピクリとも動かなかった。歴史認識と領土問題との相違はあるにしても、四半世紀近い間に日本も外交的に一応の「進化」をしたのだろう。

 ▼しかし、少しもそれを感じさせない人たちもいる。「日中関係を改善するため」と中国へ出かけた日中友好議連などの人たちだ。会談した胡錦濤主席から「(首相が)靖国参拝をやめれば首脳会談に応じる」と「内政干渉」発言を引き出してしまったからである。

 ▼今こちらから動けば外交的に利用されるだけなのに、まんまとハマる。しかも団長の橋本元首相らは、ほとんど反論もしなかったという。会談は三十一日だった。「一日早いエープリルフールじゃないの」と言いたくなる稚拙さだった。

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