TVCMでもやってますが、 蚊に「刺される」「食われる」「噛まれる」の使い分けは?
そこで、こんな記事(2015年7月19日 gooニュース)をご紹介します。
『■方言学の専門家が「蚊に〇〇れる」を解説
方言学が専門である東京女子大学の篠崎晃一教授に、この問題を解説していただこう。
「過去に各都道府県における使用度を調査したところ、大きく分けると東日本の人は共通語である『刺される』を『食われる』と併用し、西日本の人は『噛まれる』を使用する傾向にあることが分かっています。他に、変わったものとしては山梨県で『くっつかれる』、中国地方で『かぶられる』などが使われています」(篠崎教授)
全国で様々な言い回しがあり、やはり「蚊に〇〇れる」の表現には、地域差が見られるようだ。ごく少数だが、「蚊に吸われる」という言い方もあるとのこと。ドラキュラみたいに血を吸うからだろうか?
■全国的に使われている共通語「刺される」
篠崎教授によると、使用者の意識としては、改まった場や書き言葉などでは共通語である「刺される」を使用し、「食われる」や「噛まれる」は少しくだけたニュアンスがあるという。それでは、「刺される」が共通語として広まっているのには、何か理由があるのだろうか。その点についても聞いてみた。
「根拠と言えるほどのものかどうか分かりませんが、一般的に『刺す』という動詞は先が鋭く尖ったものを中に突き入れる、といった意味がありますよね。蚊の口は針状になっていますから、やはり『刺される』がしっくりくるのだと思います。『食われる』や『噛まれる』には本来そういった意味はありませんから、方言として広い意味で使用されるようになったということでしょう」(篠崎教授)
ちなみに、「食う」という動詞には元々「虫などが刺す」という意味があり、奈良時代の文献ではそういった用法が使われているのだとか。』