「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

四国の大学生を相手に南海トラフ地震に向けたDIGセミナーを仕掛けたい!(その3)

2015-07-27 23:56:02 | 駿河トラフ・南海トラフ巨大地震津波対策
3回に分けて入稿時原稿を提示しようとしている表題の拙稿、これで最後。

「旅の坊主」としては、ここで述べているような考え方に基づき、
地域の大学&大学生が高校生に対して働きかけていくような、
そのようなプログラムを応援したい、と思っている。
(本人としては、本職の中でも仕掛けているつもりだが、どうも上が重くて……。)
ともあれ、ご笑覧いただければ幸いである。

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大学生は、高校生相手のDIGができるよう、ファシリテーターとして鍛えたい

 残念ながら、宮崎県下で宮本さんが行う高校生相手のDIGのお手伝いならともかく、
四国地整局とのお仕事で、あるいはその発展系として、
四国の高校生を相手にDIGを行うことは、数年先の目標ということになるでしょう。
今年はまず、大学生を相手に、「問題の本質は何か」「対策の本質は何か」を、
現在形の防災と未来形の防災の違いを意識させつつまとめていくという、
プログラムの実施を仕掛けていきたい、と思っています。

こういう時代ですから、多くの大学では地域連携室のようなものを立ち上げ、
地域に貢献する大学の演出を始めているはずです。
ですから、四国地整局と戦略会議の方々のお知恵を拝借しつつ、
まずは国立4大学の地域連携部局に働きかける、ということになるでしょう。
数年後には、その地域連携室が主体となり、
今度は高校生向けに、大学生が講師役となってのDIGを実施する、
最終的にはそのような絵柄を意識しつつ、ということになります。

若く優秀な彼ら彼女らです。南海トラフ地震対策DIGの本質が何か、ということを理解してくれたならば、
そこから先は、彼らのセンスに任せたい、とも思っています。
一から十まで、教えられたことをその通り伝えることが重要、というものでもないでしょうから。
「避難しないで済むまちを作るのが防災」「避難所に行かないことが防災」等々、
今までとは逆のことを言われる訳ですから、当初は面食らうこととは思います。
でも、そのことが腑に落ちたならば、
「これこそ私達が取り組むべき大きな課題だ!」
そう思ってくれる学生も、それなりの数、出てくれるのではないでしょうか。
そのことを願っているところです。

 少し前、こんな話を言ったことがあります。

「(東日本大震災を直接見聞きした)あの時代の大人は、何をしていたのか?」と
2035年+α年の中学生から言われないようにするために。
(高台移転を含む)長期の計画を作るのは 今の世代の責任。
2035年+α年後のその時、社会の中心を担っている世代に正しい知識とイメージを持たせるのも、今の世代の責任。

この思いは今も全く変わっていません。
今年は、四国の大学生相手に、DIGを介した地域防災の物語を聞かせたい、と思っている訳ですが、
さて、それは、具体化出来るでしょうか。
乞うご期待、ということで、今月はここまでとさせて下さい。

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1年生向け「災害と人間社会」が今日で終講。一人一人から感想を聞かせてもらったが、
当方として努力した甲斐はあったな、とは思っている。
その中身についても、いずれ近いうちに。


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