「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

プロジェクト・マネジメントとしての「災害に強いまちづくり」という発想

2017-09-14 23:34:34 | 駿河トラフ・南海トラフ巨大地震津波対策
平成と共に社会人としての生活を始めた「旅の坊主」ゆえ、社会人29年生になる。
前職も今も、属している組織こそあれ実態は個人事業者。
そしてその間、(不幸にして)プロジェクト・マネジメントの方法を身に付けることが出来ずに、
今に至ってしまっている。
いわゆる「締切効果」で何とかやってきた訳だが、その「旅の坊主」がこのところ、
プロジェクト・マネジメントなる言葉(考え方)に関心を持ち始めている。

50代も半ばにさしかかり、残り時間で何が出来るか、何をしなくてはならないか、
そのためには、限られた己の時間と資源をどのように使うのが効率的か、
そんなことを(遅まきながら)考え始めた、ということ、なのだろうが……。

プロジェクト・マネジメントという概念を理解出来ていない者が言うべきことではない、
ということは十分理解(認識)しつつも、
プロジェクト・マネジメントとしての「災害に強いまちづくり」という発想で
何とか、ものごとを整理出来ないか、と、考え始めている。

プロジェクトの外的環境は、絶望的というほど悪くはない。しかし、良くもない。
国の借金は1000兆円を超えている。(景気が良くなれば借金は返せる?ンな額ではないだろうに……。)
「不幸な未来から逃げているのではないか?」との一節にハッとさせられたこともあるが、
少子化と高齢化は行くところまで行ってしまうだろう。そのピークは2042年。
かつて、庶民ベースでの教育水準の高さでは世界平均を大きく上回っていた我が国も、
「学びからの逃走」が話題となり、「高等教育の崩壊」が言われて久しい。

○○という外的環境の中で、○○というプロジェクトに取り組むには、という問題設定は、
いろいろな教科書が、基本的なところは示していることと思う。

で、取り組むべきプロジェクトであるが……。

◎プロジェクト完成の目標年限は2038年、つまりプロジェクト期間は約20年。
他のどのプロジェクトとも同じだろうが、前倒しで完成できればそれに越したことはない。

◎プロジェクトの対象範囲は、神奈川県以西、九州東岸までの太平洋沿岸地域。
都道府県名で言えば、神奈川、静岡、山梨、愛知、三重、和歌山、
徳島(南部)、高知、愛媛(南部)、大分、宮崎、状況により大阪。
(その周辺都道府県には、同じ期間内にこれらの被災地への支援体制を作る、という
プロジェクトも求められているが(同時に走らせる必要があるが)、
それは二義的な重要性なので、ひとまず置いておく。

◎プロジェクトが達成すべき目標は2つ。
1 その時点までに、すべての住家と建物(普段は使われていないものは除く)を
震度6強の揺れに耐え得るレベルの家へと建て替えること。あるいは補強すること。
2 その時点までに、津波被害が想定されるすべての地域で、
レベル1の想定浸水範囲から住居と重要施設を内陸側へと移転させること。
商業施設はその限りではないが、想定されている津波襲来時間までに垂直避難が可能な状況を作ること。

うーん……。達成すべき目標は2つで十分なのか、ちょっと考えてしまっている。
やはり、社会インフラの耐震性や対津波の安全性確保についても、プロジェクト達成目標に入れるべきか?

ともあれ、話が長くなった。今日のところはここまで。


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