「旅の坊主」、今週末は毎年恒例の親戚一同との夏の旅行。
今年の旅行は、映画「フラガール」でも話題となった、福島県いわき市の「スパ・リゾート・ハワイアンズ」へ。
のんびりするつもりだったのだが「瓢箪から駒」で、福島第一原発周辺の帰宅困難区域を、
車4台に分乗して参加メンバー全員(16名)で見て回ることになった。
時間の関係で、下車できたのは南相馬市小高区の一部のみで、常磐道での北上、国道6号での南下、
富岡町の通過も、すべて車窓からのみであったが、それでも、
国道6号に面している家々にはすべてバリケードができている様子や、
避難指示解除に向けて準備が始まっているにも関わらず車の通行もほとんどなかった富岡町の様子など、
どれほどの違和感があるか、については、強烈な印象をもってくれたことと思う。
親戚の集まりではあるが、こういう話にピンと反応してくれる社会センスのある方々に囲まれていること、
嬉しく、またありがたく思う。
昨日に引き続き、消防系の月刊誌『近代消防』に掲載されるかもしれない原稿、その第二弾を、
一足お先に読者各位にお示しさせていただく。(禁転載でお願いします。)
*****
語りかけたい相手、本当は高校生!
実はこのアイディアには、もう少し先の長いものです。
もう少し無謀というか大風呂敷というか、そんな表現が相応しいかもしれません……。
というのも、この「南海トラフ地震の揺れと津波にも耐えられるようなまちづくりをDIGのノウハウで考えよう」というテーマ、
本当に語りかけたい相手は、大学生ではなく、実は高校生なのです。
ただ、国交省のプロジェクトで高校生に語りかけるのにはちょっと無理があります。
とすれば、まずはその指導者になり得る大学生に語りかけるところから始めよう、という話なのです。幸いにも大学・大学生には伝手もあります。
このDIGファシリテーター養成講座の実施主体である「四国南海トラフ地震対策戦略会議」(事務局:国土交通省四国地方整備局)には、
四国にある4つの国立大学の関係者も加わっています。
そこで、この方々のお知恵も拝借し、いずれは高校生向けセミナーの講師を務めてもらうことを意識しつつ、
まずは大学生向けセミナーの実施を目指そうではないか、という話なのでした。
ではなぜ高校生を相手にしたいと言うのか?
それは、彼ら彼女らにとって人生の大きな転機である大学受験の前に、
「時代の宿命」としての巨大災害について正しい情報を提供し、
そしてそのことを理解した上で、大学・専門学校受験なり就職なり、人生設計を考えてもらいたいから、
という思いがあればこそ、なのです。
先に、黒潮町での防災への取り組みについて、
担当者の努力に敬意を払うものではあるが、本質的なものとは思っていない旨、お話ししました。
では、筆者が考える本質的な防災は何なのか。
それは、この連載を通じての基本的な認識にも通じるものであり、
間違った「塗り絵」DIGや避難に重きを置く間違った防災論議から脱却したい、
という思いにもつながる訳ですが……。
四国で南海トラフ地震の被害を受ける地域は、この巨大地震と津波より前に、
高齢化・過疎化によって存亡の危機に立たされている地域でもあります。
「働き口がない」という現実的な問題から、若い世代が故郷を離れていく、否、離れざるを得ない訳です。
この故郷を離れる・故郷を捨てて盆暮れを除けばもう帰ってこない、という人生の選択は、
早ければ高校受験の際に、多くは高校卒業時点で訪れます。
その時点で、どこまで深く人生設計を考えられるかは、人それぞれとは思います。
しかし、徳島県南部・高知県・愛媛県南部で生まれ育ったからには、
今日明日の可能性はないが、15年後以降は文字通りいつ起こってもおかしくない、
外的要因としての巨大災害を、人生設計に織り込まない訳にはいかないのです。
この避けては通れない現実を現役高校生にしっかり伝え、
巨大災害を織り込んだ上で人生設計を考えられるよう、手伝いたい。
このように説明すれば、大学生ではなく高校生を相手にDIGをやりたい、
というのも、ご理解してもらえることと思います。
高校生相手のDIGという点では、後発組ながら先進的な取り組みをしているのが宮崎県です。
私に常に良き刺激を下さっている、災害対策研究会代表の宮本英治さんから伺った話ですが、
宮崎県では今年、全県下の高校の生徒会長を相手に、1日をかけ、DIGも用いつつ、
防災のセミナーを開催するとのことです。
センスが良く、かつリーダーシップもある生徒会長の集まりを相手に、
「今まで私が学んできた防災はすべて間違いでした」と言わせるような中身を持つセミナーを、
優秀な彼ら彼女らの腑に落ちるように実施すること。
私としては、そのようなDIG、四国でもやりたい、と思っているのです。
(つづく)
*****
明日から始まる週の後半には期末試験も始まる。学生諸君の本年度前期の学びも、ぼつぼつ大詰めというところ。
水曜日には、本気モードにならなくてはならない講演が一つ。
インパクトある話として、うまくまとめることが出来ればよいのだが。
今年の旅行は、映画「フラガール」でも話題となった、福島県いわき市の「スパ・リゾート・ハワイアンズ」へ。
のんびりするつもりだったのだが「瓢箪から駒」で、福島第一原発周辺の帰宅困難区域を、
車4台に分乗して参加メンバー全員(16名)で見て回ることになった。
時間の関係で、下車できたのは南相馬市小高区の一部のみで、常磐道での北上、国道6号での南下、
富岡町の通過も、すべて車窓からのみであったが、それでも、
国道6号に面している家々にはすべてバリケードができている様子や、
避難指示解除に向けて準備が始まっているにも関わらず車の通行もほとんどなかった富岡町の様子など、
どれほどの違和感があるか、については、強烈な印象をもってくれたことと思う。
親戚の集まりではあるが、こういう話にピンと反応してくれる社会センスのある方々に囲まれていること、
嬉しく、またありがたく思う。
昨日に引き続き、消防系の月刊誌『近代消防』に掲載されるかもしれない原稿、その第二弾を、
一足お先に読者各位にお示しさせていただく。(禁転載でお願いします。)
*****
語りかけたい相手、本当は高校生!
実はこのアイディアには、もう少し先の長いものです。
もう少し無謀というか大風呂敷というか、そんな表現が相応しいかもしれません……。
というのも、この「南海トラフ地震の揺れと津波にも耐えられるようなまちづくりをDIGのノウハウで考えよう」というテーマ、
本当に語りかけたい相手は、大学生ではなく、実は高校生なのです。
ただ、国交省のプロジェクトで高校生に語りかけるのにはちょっと無理があります。
とすれば、まずはその指導者になり得る大学生に語りかけるところから始めよう、という話なのです。幸いにも大学・大学生には伝手もあります。
このDIGファシリテーター養成講座の実施主体である「四国南海トラフ地震対策戦略会議」(事務局:国土交通省四国地方整備局)には、
四国にある4つの国立大学の関係者も加わっています。
そこで、この方々のお知恵も拝借し、いずれは高校生向けセミナーの講師を務めてもらうことを意識しつつ、
まずは大学生向けセミナーの実施を目指そうではないか、という話なのでした。
ではなぜ高校生を相手にしたいと言うのか?
それは、彼ら彼女らにとって人生の大きな転機である大学受験の前に、
「時代の宿命」としての巨大災害について正しい情報を提供し、
そしてそのことを理解した上で、大学・専門学校受験なり就職なり、人生設計を考えてもらいたいから、
という思いがあればこそ、なのです。
先に、黒潮町での防災への取り組みについて、
担当者の努力に敬意を払うものではあるが、本質的なものとは思っていない旨、お話ししました。
では、筆者が考える本質的な防災は何なのか。
それは、この連載を通じての基本的な認識にも通じるものであり、
間違った「塗り絵」DIGや避難に重きを置く間違った防災論議から脱却したい、
という思いにもつながる訳ですが……。
四国で南海トラフ地震の被害を受ける地域は、この巨大地震と津波より前に、
高齢化・過疎化によって存亡の危機に立たされている地域でもあります。
「働き口がない」という現実的な問題から、若い世代が故郷を離れていく、否、離れざるを得ない訳です。
この故郷を離れる・故郷を捨てて盆暮れを除けばもう帰ってこない、という人生の選択は、
早ければ高校受験の際に、多くは高校卒業時点で訪れます。
その時点で、どこまで深く人生設計を考えられるかは、人それぞれとは思います。
しかし、徳島県南部・高知県・愛媛県南部で生まれ育ったからには、
今日明日の可能性はないが、15年後以降は文字通りいつ起こってもおかしくない、
外的要因としての巨大災害を、人生設計に織り込まない訳にはいかないのです。
この避けては通れない現実を現役高校生にしっかり伝え、
巨大災害を織り込んだ上で人生設計を考えられるよう、手伝いたい。
このように説明すれば、大学生ではなく高校生を相手にDIGをやりたい、
というのも、ご理解してもらえることと思います。
高校生相手のDIGという点では、後発組ながら先進的な取り組みをしているのが宮崎県です。
私に常に良き刺激を下さっている、災害対策研究会代表の宮本英治さんから伺った話ですが、
宮崎県では今年、全県下の高校の生徒会長を相手に、1日をかけ、DIGも用いつつ、
防災のセミナーを開催するとのことです。
センスが良く、かつリーダーシップもある生徒会長の集まりを相手に、
「今まで私が学んできた防災はすべて間違いでした」と言わせるような中身を持つセミナーを、
優秀な彼ら彼女らの腑に落ちるように実施すること。
私としては、そのようなDIG、四国でもやりたい、と思っているのです。
(つづく)
*****
明日から始まる週の後半には期末試験も始まる。学生諸君の本年度前期の学びも、ぼつぼつ大詰めというところ。
水曜日には、本気モードにならなくてはならない講演が一つ。
インパクトある話として、うまくまとめることが出来ればよいのだが。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます