「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

今年度最初の面接試験を終えて

2015-09-13 23:56:31 | 防災学
大学教員をやっている限り、必ずぶつかるのが入試に関わる学務。
入試年度としては2016年度の入試になるのだが、
今年度になって初めての入学試験(AO:アドミッションオフィス入学)の面接官役を仰せつかり、
午前中、同僚I先生と共に面接を行った。

(立場的に言えることと言えないことがあるので、もやっとしたモノの言い方になることをご容赦願いたい。)

大学教員をしている同僚諸兄や関係者には言わずもがなのことなのだが、
入試あるいは大学の経営について、「入口論」と「出口論」なる議論がある。
「旅の坊主」のスタンスとしては、地方私大に籍を置く以上、
「入口論」については語っても詮無い事、と思っている。
つまりは、与えられた学生に、どこまで正面から向き合えるかの勝負、と。

対人コミュニケーション能力に著しく欠けている場合は、こればかりはどうにもならない。
それ以外なら、本人にその気さえあれば、つまりは「このままではいけない」という気さえあれば、
ほぼゼロの状態からであっても、就活時に何とか勝負になるレベルまで、
鍛え上げるステップは持てるようになった、と思っている。

問題は、「何もしなくても何とかなる」と思い込んでいる者が大多数であろうということ。
そういう者に、どうすれば「このままではいけない」という危機意識を持たせることが出来るか。

現状認識の甘さは、不勉強の結果でもあるが、原因でもある。
不勉強は、もはや、生命維持のレベルで、深刻な問題となっている。

今は面接におどおどしている受験生かもしれないが、
この種の議論をしっかりと受け止めてくれるまで、何とか育て上げたい。
その認識が出来れば、そこから先、実社会への入門試験である就活においてもそこそこの勝負を出来る者へと鍛え上げることは、
そんなに難しい話ではない。

ただ……。
これは本学に限った話ではないのかもしれないが、人は易きに流れる。
という訳で、AOの合格通知が届いてから、あるいは入学前教育の通知が届いてから、
または入学式を終えてからの、ごく初期における叩き込みが必要にして不可欠となる。

今回面接を受けた者へは、何らかの形で、入学前教育に携わることになると思う。
その時には、何とかがんばって良き就職先を勝ち取ったゼミ生達の力も借りつつ、
最初の一歩は間違わないよう、しっかり導かなくては、と思っている。

まぁ……。
「旅の坊主」の教育論が通じるのは、本学レベルの地方Fラン大学においては、
半数を超えることは決してあるまい。
それでも、たとえそれが1割であれ2割であれ、まともな「出口」へと導けたならば、
時間はかかるだろうが、まともな「入口」も出来てくるのではないか、と、
この部分ばかりは楽観的に構えるしかないなぁ、とは思っているところ。


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