「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

5万図×261枚との格闘(その2):全体と細部・状況把握の両立はどれほど困難な作業となるか

2015-09-26 23:53:10 | 防災学
「御前崎の落合さん」こと、御前崎災害支援ネットワーク代表の落合美恵子さんからの依頼で、
今年も彼の地で開催される「女性のための防災・減災リーダー養成講座」で、
南海トラフ巨大地震の被害イメージについて、話をすることになった。

この日9月26日(土)午後の時間が本番。しかるに準備はまだ終わっていない。
スタッフの皆さんに準備を手伝っていただき何とかギリギリで間に合わせることが出来た。
(落合さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。)

それにしても……。自分で仕掛けておいてこんなことを言うのは何だが、想像以上のサイズだった。
261枚という大きさは、「一望する」という範囲を超えていた。
これを見ても、全体状況はむしろわかりにくくなるだろう。そのことが痛感させられた。

もし、この災害への救援作戦を本気で指揮しようというならば、
この範囲(地図)を一望出来るよう、体育館のようなスペースの床に置き、
透明シートをかぶせた上で、それを二階の観覧席から見下ろすような、そういうものになるのだろう。
実際のオペレーションでは、さらに2×2倍の版面を持つ1/25000図が良いかもしれない。
(出来上がりイメージは40m×20mという感じになる。)

各府県・市町村担当は、地図上に状況を示しつつ、その状況を見ながら、
地図周辺に置かれた机で議論しつつ対応し、その状況は地図上に図示し、
俯瞰してみる役割の者は上から(状況により双眼鏡で眺めつつ)全体を見下ろしながら行う、
そのようなイメージを持つことが出来た。

デジタルの時代ではあるが、アナログでモノを整理しない(できない)限り、
つまりは紙地図を使いこなすことが出来ない者がデジタルの地図上で作戦を語っても、
間抜けなものになってしまうだろう……。

こんな想を得ることが出来たのも、落合さん&お仲間が機会を作って下さり、そして、
地図貼りあわせの汗を流してくれたおかげであり、感謝、感謝の一言に尽きる。

被災範囲の広さは、地図上でも容易に理解できる。
この広さを考える時、外部からの支援に依拠した災害対応には本質的に無理がある。
20年をかけて、被害を出さないまちをどうやって作るのか。
その本質に迫る活動を展開させるためにも、この、巨大地図を使ったワーク、
もっと一般的なものにしていかなくては、であった。

原稿を抱えつつ、この夜は久しぶりにカラオケ。
清水町のKさんと曲の趣味がドンピシャでした。
60年代、70年代には良い歌が多かったよなぁって、「旅の坊主」はその時何歳だったっけ?

(10月12日 記す)


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