***** 神社と災害 No.82 *****
一説に、海人族のルーツは
「インド・チャイニーズ系」と
「インドネシア系」の二系統に、
大きく分けられるという話があります。
「インド・チャイニーズ系」は、
中国南部のビン越地方の漂海民に端を発し、
東シナ海を北上、山東半島、遼東半島、
朝鮮半島西海岸を経由して、
玄界灘に達したと推定される
安曇系およびその傍系の住吉系漁労民。
一方「インドネシア系」は、
フィリピン付近海域から黒潮の流れに沿って、
台湾、沖縄、奄美諸島を経由した
隼人系(宗像系)海人族とのことで、
両者は複雑に混交しながら東日本の沿岸や
内陸部へと侵入して行ったのだそう。
この話を元に海人族を分類するなら、
「インド・チャイニーズ系」は主に航海に長じた龍蛇系、
「インドネシア系」は主に漁労を得意とする
スンダランド系となるのかもしれません。
ちなみに、名草戸畔の本拠地周辺には、
「出雲系」の人々の居住地があったと言いますから、
本来は「インドネシア系海人族」だった名草戸畔が、
丹生都姫命一族や出雲一族と姻戚関係を結ぶうちに、
「インド・チャイニーズ系」寄りの家系に
変貌した可能性もあるのでしょう。