<出雲市・荒神谷遺跡>
古代出雲の歴史を塗り替えたといっても過言ではない、
出雲市斐川町の「荒神谷遺跡」が発見された一帯は、
その名の通り「荒ぶる神」をお祀りした場所でした。
付近には「荒神」つまり祟り神をお祀りした社が存在し、
この地に住む人々は、古くからの言い伝えを守り、
荒神谷遺跡の周辺には決して近づかなかったと聞きます。
一説には、「オオナムチ(大国主神)の神宝を埋めた」
あるいは「タケミナカタの祭祀具を保管した」
などという噂もありますが、
実際にこの場所から発掘された
青銅器のレプリカを眺めてみますと、
素人目ながら、すべてが神宝、
あるいは祭祀具であるとは考えにくいもの。
仮に、荒神谷を取り囲むタケミナカタ系神社が、
もともとは荒神を守る「塞ノ神」であり、
結界を示す目印だったとするならば、
人々が近づけない禁則地を利用して、
何か別のものを隠したとも考えられます。
果たして、荒神谷遺跡という場所は、
どのような役目を担っていたのでしょうか……。