たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

イズモの砦

2018-11-04 09:36:11 |  出雲の神話

<出雲市・荒神谷遺跡>

 

タケミナカタとの関連も示唆される、

出雲の荒神谷遺跡に青銅器が埋蔵されたのは、

紀元1世紀ごろではないかとも言われています。

様々な説があるため明確な年代はわからないものの、

その時期の日本には、天孫族東征の兆しが見え始めており、

西日本を中心に大きな混乱が発生していた気配が濃厚です。

もしそうだとすれば、荒神谷遺跡に隠されていたのは、

祭祀具ではなく「武器」だった可能性もありますね。

 

仮に、荒神谷に武器が埋蔵されていたとするなら、

石上神宮という武器庫を管理した物部氏のように、

軍事力と祭祀力を併せ持った一族が、

この一帯を支配していたとも考えられるでしょう。

もしかすると、タケミナカタに例えられる軍事系の一派が、

氏族の神である「荒神」と、隠した武器を守るため、

荒神谷の周囲を取り囲んでいたのでしょうか……。

 

恐らくその当時、大国主神のそばにいた神々は、

天津神との抗争に敗れたり、天津神に服従したりした結果、

ほとんどがイズモから去っていたはずです。

国譲りの最終段階で登場し、天津神との戦いに挑んだ

タケミナカタは、大国主神に仕えた最後の氏族、

そしてイズモという国を守る「最後の砦」であり、

結界を守護する塞ノ神だったのかもしれません。