たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

天津甕星

2018-11-11 09:19:53 |  出雲の神話

<大甕神社 おおみかじんじゃ>

 

長々と考察してきた出雲神話も、

ようやくひと段落したかと思いきや、

『日本書紀』の最後の部分に書かれていたある神名に、

吸い寄せられるようにして目が留まりました。

まるで物語の最後に、こっそりと付け足すかごとく

記されたその神の名は、星神香香背男(ホシノカガセオ)。

 

一説によりますと、タケミカヅチたちは

大国主神から国を譲り受けた後、最後の難敵だった

「邪神や草木・岩の類」を平定したという話があり、

その邪神こそが星神香香背男だと言われているのです。

 

何でもこの神は、最強の武神とされた

タケミカヅチでも手に負えないほどの強者で、

倭文神・建葉槌命(タケハヅチ)の力を借りて、

ようやく懐柔させることができたのだとか。

 

ちなみに、星神香香背男の別名は、

天津甕星(あまつみかぼし)と言い、

現在の日立市大甕市付近を拠点としていました。

北関東に点在する「星」と名のつく神社の多くは、

天津甕星をご祭神としており、古代はこの地に

星神を信仰する部族が存在したとも言われています。