<輪島キリコ会館>
ひと口に「能登の祭り」と申しましても、
その数は優に数百はあると言われており、
それらの成り立ちをひも解くのは非常に困難です。
ひとつの祭りの中に、異なる要素が
重層的に絡み合っているものも多いため、
祭りの核心に迫ろうとすればするほど、
古代史の迷路に迷い込んだような気分になります。
今回の旅は、ちょうど祭りの端境期ゆえ、
祭典そのものを目にすることはできなかったのですが、
実際に能登の風土に触れながら、
この地の人々がなぜ「祭り」に情熱を注ぐように
なったのかをつらつらと考えておりました。
「祭り」があるところには必ず「神」が存在し、
祭りが多いということは、それだけ神が多いという証拠です。
恐らく、「日本一」と言っても過言ではないほど、
多種多様な祭を要する能登半島
という地に足を踏み入れることで、
能登だけでなく日本という国のルーツが
幾ばくか見えてくるかもしれません。
まずは、各々の祭りに関連する神社や、
資料館などを訪れた際の所感を手掛かりに、
「能登の祭」に迫っていくことにしましょう。