たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

創作された神

2018-11-01 09:22:39 |  出雲の神話

<鳥屋神社 とやじんじゃ>

 

日本神話の解説文などを読んでおりますと、

風土記や延喜式などに記載されていないことを理由に、

「この神は大和朝廷によって創作された」

と断定している文句をたびたび目にします。

国譲りの件で登場する諏訪の神・タケミナカタも

そのような「架空の神」の一柱と言われており、

一部では「タケミカヅチの活躍を

引き立たせるためだけの存在」

などの話もあるのだとか……。

 

確かに、諏訪地方に残る伝承の中では、

タケミナカタと土着神とが混在して語られる一方で、

「タケミナカタが土着神を制圧した」

といった内容も見受けられます。

そんなタケミナカタの不安定な立場を考慮すれば、

タケミナカタが「何らかの理由で創作された神」

と考えても不思議ではないのかもしれません。

 

ただし、藤原氏の氏神であるタケミカヅチが、

ある意味「架空の神」として語られながらも、

一面では「藤原氏」という実在の氏族を指しているように、

仮にタケミナカタという神は存在しないとしても、

タケミナカタに相当する「何か」はあったのでしょう。

となると、出雲神話に登場する「敗者」の中でも、

唯一、最後まで抵抗する姿勢を崩さなかった

タケミナカタの正体が気になるところですね。