<上一宮大粟神社 かみいちのみやおおあわじんじゃ>
上一宮大粟神社へと続く参道を見上げたとき、
これまで見たことのないようなその景観に圧倒され、
しばらくの間、呆然と立ち尽くしてしまいました。
磐境神明神社や八倉比売神社のそれともまた違う、
何とも古色蒼然とした雰囲気を漂わせるその絵面に、
一瞬にして時代が巻き戻ったかのような感覚を覚えます。
ところどころに横たわっている素木の丸太は、
恐らく階段の代わりなのでしょう。
遥か上方に姿をのぞかせる社殿前にのみ、
かろうじて石段が造られているようですが、
たどり着くまでにはかなりの距離を要します。
きつい傾斜や一面に積もった濡れ落ち葉など、
一見しただけでもわかる足場の悪さに怯み、
あちらこちらを見渡してみたものの、
やはり入り口はここにしかない様子
(後日、境内近くまで車で行けることが判明……)。
この上一宮大粟神社という神社の神さびた神域は、
人の立ち入りを拒むような気配で満ち満ちていたのでした。