<山崎八幡神社 やまさきはちまんじんじゃ>
忌部の四至石からそう遠くないところに、
山崎八幡神社という忌部氏ゆかりの神社がありました。
境内の隅には、忌部の矢磨石(やとぎいし)
と呼ばれる石の建造物が置かれ、
「忌部の神様が矢を研いだ」との伝承が残っています。
天日鷲翔矢命(あめのひわしかけるやのみこと)
との別称を持つ、阿波忌部氏の祖神・天日鷲命は、
「弓矢」の製造にも深く関わり、弓矢を射ることで、
穀物の種を播く時期などを占っていたようです。
ちなみに、各地の神社で行われる
「弓矢神事」という儀式は、
狩猟民族の習俗に源流があると聞きます。
恐らく、忌部氏という部族には、
農耕民族としての側面だけでなく、
狩猟民族や海洋民族としての側面などが、
複雑に入り混じっていたのでしょう。
もともと弓矢の弦には、
「麻」を使っていたそうですから、
麻の栽培技術に長けた阿波忌部氏が、
「弓矢の神」となったのも、
決して不自然ではないのかもしれません。