たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

弓矢の神

2018-04-05 10:28:59 | 阿波・忌部氏1

<山崎八幡神社 やまさきはちまんじんじゃ>

 

忌部の四至石からそう遠くないところに、

山崎八幡神社という忌部氏ゆかりの神社がありました。

境内の隅には、忌部の矢磨石(やとぎいし)

と呼ばれる石の建造物が置かれ、

「忌部の神様が矢を研いだ」との伝承が残っています。

 

天日鷲翔矢命(あめのひわしかけるやのみこと)

との別称を持つ、阿波忌部氏の祖神・天日鷲命は、

「弓矢」の製造にも深く関わり、弓矢を射ることで、

穀物の種を播く時期などを占っていたようです。

 

ちなみに、各地の神社で行われる

「弓矢神事」という儀式は、

狩猟民族の習俗に源流があると聞きます。

恐らく、忌部氏という部族には、

農耕民族としての側面だけでなく、

狩猟民族や海洋民族としての側面などが、

複雑に入り混じっていたのでしょう。

 

もともと弓矢の弦には、

「麻」を使っていたそうですから、

麻の栽培技術に長けた阿波忌部氏が、

「弓矢の神」となったのも、

決して不自然ではないのかもしれません。