たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

因縁の間柄

2018-04-25 09:06:12 | 阿波・忌部氏1

<神山町・鬼籠野>

 

大宜都比売命を祀る上一宮大粟神社の一帯には、

古代、忌部氏の拠点があったという話を聞きました。

ただし、地元の言い伝えなどを読み解いて行きますと、

大宜都比売命と忌部氏との関係はしっくり行かず、

両者の仲があまり良好ではなかった様子が伺えるのです。

 

恐らく大宜都比売命と忌部氏の間には、

何らかの因縁めいた事件があったのでしょう。

もしかすると、その出来事というのは、

神武一行と名草戸畔との争いにも通じる、

古代の「国譲り」だったのかもしれません。

 

一説によれば、徳島県の周辺には、

蚕、小豆、粟、麦などの地名が散らばり、

各々の地を結ぶと「大宜都比売命の身体」が、

浮かび上がってくるのだとか。

また、神山町鬼籠野や美馬郡木屋平村に目を向けると、

「猪の頭」という「頭」を意味する地名も見られます。

 

その昔、国府町の八倉比売神社は、

杉尾神社と呼ばれていたと聞きますし、

名草戸畔の胴体を祀ったとされる、

和歌山県の杉尾神社との関係を含め、

大宜都比売命の伝承の中には、

私たちの知らない諸々の歴史が、

描かれている可能性もありそうです。