<忌部の四至石 いんべのししせき>
阿波忌部氏に関わる石の遺跡の中に、
「忌部の四至石(ししせき)」と呼ばれる
細長い石造りの建造物があります。
神社や磐座などの周囲四隅に建てられた
この四至石は、「人界」と「神域」との
結界の役目を果たしているのだとか。
一説によれば、どんな荒天に見舞われても、
四至石で囲われたエリアだけは、
雷が落ちなかったと聞きます。
岩戸神社から徒歩で20分ほど。
登校途中の小学生とすれ違いながら、
田園地帯の細い道を西に向かって進むと、
誰かに教えてもらわなければ、
確実に見逃してしまうほど、
ごくありふれた生活道路の脇に、
忌部の四至石のひとつが残っていました。
忌部氏はこれら四つの石に囲まれた区域で、
神や天皇に献上するための
聖なる麻を栽培したのだそうです。