たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

聖域の彩り

2017-04-21 10:33:41 |  無社殿神社2

<真砂・宝山神社 *まなごほうざんじんじゃ> 

 

人の気配も生活の「彩」も無くした廃村で、

その朱の鳥居はひときわ強い存在感を発し、

そばでは聖域の「生」を象徴するかのように、

可憐な梅の花が咲きほころんでいました。

鳥居の脇には、サッカーボールほどの

大きさの丸石が無造作に置かれており、

地元の人以外は滅多に訪れないこの山深い里でも、

熊野特有の信仰が息づいていることを教えてくれます。

 

鳥居の向こうには、薄く苔を纏った急な石段が

小高い丘の上へと太鼓橋のように続き、

社殿はおろか空しか見えない状態です。

ところどころで呼吸を整えながら、

波打つように積み上げられた階段を、

神様の頂へと足を進めて行くと、

ほどなく頭上から覆いかぶさるように鎮座する

色彩豊かな本殿が見えてきました。